ワシントンポスト対産経新聞の「言論弾圧戦争」がまだくすぶっている。
これはWポストに寄稿したクレモンス氏と産経・古森記者の個人的戦争でもある。
古森記者が反論の手紙を出したら、ワシントン・ポストから手紙を短縮して書直しの指示を受けたと言う。
クレモンス氏の800字以上のワシントン・ポスト寄稿記事に対して古森記者の約450字の手紙を250字ほどに短縮せよの電話があり、「このままだと多分掲載となると」と9月1日に連絡を受けたという。
だが、9月25日現在、まだ掲載されてない様子。
以下古森氏のブログからの転載。
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Wポスト紙への抗議の投書 デマ主張で個人攻撃
【ワシントン=古森義久】産経新聞と記者(古森)を不当にテロリストと関連づけて中傷する投稿文をワシントン・ポストが8月27日の日曜版に載せたことに対し記者は同紙に抗議の投書(英文)を送った。
だがきわめて不明朗な形のまま不掲載となっている。
記者は800語以上の長さの同投稿文に対し約450語の反論と抗議の投書を8月30日に送った。
すぐにポスト側から「あなたの書簡(の掲載)に関心があるが、スペースの制約のために250語ほどまで短縮してほしい」という要請があった。
翌日、短縮した書簡を送ると、その翌9月1日、ポスト側から「このままだとたぶん掲載となる」という電話での通知があった。
しかし、なお掲載されず、8日には掲載の意図があるのかどうかを問うメールを送ったが、回答はない。
このためポストに送った抗議の投書の内容を本紙で発表することとした。
ワシントン・ポスト編集長殿
スティーブ・クレモンス氏の8月27日付貴紙への「日本の思想警察の台頭」と題する投稿文は単なる悪質なたくらみからの一線を越え、私の職業的誠実性へのきわめて不公正な個人攻撃のデマゴギーとなっています。
同氏は完全に誤りの記述により産経新聞と私が「1930年代の軍国主義への復活を切望する極右活動家の暴力的なグループ」の一部だと言明しています。
クレモンス氏はさらに「古森義久は自分の言論が最近のテロ実行犯を頻繁にあおることや、彼らの(テロ)行動が恐怖を高めるパワーを彼の言論に与え、テロ実行犯らが議論を沈黙させることを支援していることにも、無意識ではない」と述べています。
同氏はこの記述で新聞記者であり、評論者である私が日本国内でのテロ行為を意図的に鼓舞していると非難するわけです。
同氏は小泉首相の政敵の加藤紘一氏の実家への放火など、私も私の新聞もまったく関係のない事件を列記しています。
ぜひ記録として強調したいのは、本紙はこの加藤氏にかかわる放火事件の直後、この行動を厳しく糾弾する社説を載せました。
加藤氏自身がその社説への感謝を産経側に伝えてきました。
過去においても産経新聞は政治問題に対応する手段としての暴力はいかなるものも非難してきました。
もし日本に1930年代ふうの軍国主義への復活を切望する活動家たちが実在するならば、産経も私もすぐにそれを糾弾し、反対します。
クレモンス氏は産経8月12日付に掲載された私のコラム記事(緯度経度 日本発「公的な反日論文」)の内容を間違って特徴づけています。
この記事は日本国民の税金を使う政府資金運営の研究所が海外へ日本の国民、政府、政策、指導者の実態をゆがめた、客観的ではない批判を英語で発信していることを報じました。
私のその記事は冷静で客観的な基調を保ち、誰からの謝罪をも要求していません。 現代の日本は民主主義かつ平和主義的であり、法の統治を守っています。米国の有力な同盟相手でもあります。
産経新聞は全国規模の部数約220万部の日本の主流の新聞の一つです。クレモンス氏の主張とは対照的に、「超保守」という点は私の言論でも新聞自体でも皆無です。
たとえば、本紙は米国のグローバルなテロとの戦いへの日本の協力を各紙の間でも先頭に立って、社説などで支持しました。
私自身は過去30年以上もの記者活動で政府の政策は頻繁に批判してきましたが、日本の軍国主義復活などただの一度も唱えたことはありません。
クレモンス氏が私の意見が嫌いならば、批判は自由です。しかし同氏は私にも自分の意見を表明する権利があることを忘れるべきではありません。
その意見表明は自由な言論への攻撃ではないのです。 私はこれまで開かれた政府、自由な言論、複数政党制の民主主義などをいかなる形にせよ侵食する動きは一貫して批判してきました。
私はまたクレモンス氏と意見を共有する人たちをも含めて、いかなる人たちに対してもその政治的見解を理由に暴力をふるうことをも激しく糾弾します。
クレモンス氏にはそのことを否定する根拠はありません。
産経新聞ワシントン駐在編集特別委員
古森義久 (9月16日付産経新聞朝刊)
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ワシントン・ポストも自分の紙面に個人攻撃の寄稿記事を掲載するのなら、その攻撃された個人から反論があれば同じ程度の紙面を反論者に用意するのが公平と言うものだろう。
ところが誹謗記事に対する古森氏自身の反論を、攻撃記事の三分の一に短縮させ、しかも一ヶ月近く経っても未掲載で放置している。
よっぽど掲載するとワシントン・ポストにとって都合の悪い内容なのだろうか。
ワシントン・ポストさん、クレモンスさんが批判する「言論封殺」のような姑息な手段を弄せず即刻古森氏の反論記事を掲載しましょうよ。
個人をテロリストの親玉のような印象を与える記事を載せておきながら、反論の機会を封殺する態度こそ「言論弾圧」と言うものだろう。
その短縮してもWポストが困る小森氏の手紙を以下に転載。
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My Shortened Letter to the Washington Post 短縮投書
以下が短縮版投書の日本語訳です。
ワシントン・ポスト編集長殿
スティーブ・クレモンス氏は8月27日の貴紙への「日本の思想警察の台頭」と題する投稿で私の職業的誠実性に対する個人的攻撃を展開しており、その攻撃には基本の事実の間違いがあります。
同氏の主張と正しい事実との対比は以下のとおりです。
クレモンス=産経新聞と古森義久は「1930年代の軍国主義への復活を切望する極右活動家たちの暴力的なグループ」の一部である。
事実=産経新聞は発行部数220万部の日本の主流全国紙の一つであり、産経も古森もそのような活動家たちとはなんのつながりもない。
クレモンス=古森は「自分の言論が最近のテロ実行犯らを頻繁にあおることも、、彼らの(テロ)行動が彼の言論に恐怖を高めるパワーを与え、テロ実行犯らが議論を沈黙させることを支援していることも、意識している」。
事実=クレモンス氏は言論人としての私が意図的にテロ行動を扇動していると主張しているが、裏づけをなにも示していない。また示せるはずがない。
産経も私もテロ活動は常に糾弾し、反対してきた。産経は小泉首相の政敵の加藤紘一元自民党幹事長の実家が焼かれたとき、この放火を恥ずべき危険な行為として激しく非難する社説をすぐに掲げた。
加藤氏は産経の論説陣にその社説への感謝の意を自ら表明した。
クレモンス=古森は言論の自由を抑圧した。
事実=私は日本の政府資金で運営される研究所が自国の政府の政策や指導者に関して、きわめて主観的な批判や歪曲の多い論文を英語で海外に継続的に発信していることを報じたにすぎない。
私は言論の自由を強く支持する。
その自由の中には政府資金運営の客観的立場をとるはずの政策研究所が自国政府の政策を攻撃していることを日本国民に伝えるという言論の自由も当然含まれる。
私は自分のコラムではクレモンス氏の主張とは異なり、誰からの謝罪も、他のいかなる行動も要求はしていない。
2006年8月31日
産経新聞ワシントン駐在編集特別委員
古森義久
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