初めてその封印が解かれたのは阪神大震災の12年後であった。
19日の読売新聞が
「政府関係者によると、阪神大震災の時、ある被災地の瓦礫(がれき)から、工作員のものと見られる迫撃砲などの武器が発見されたという。」
と驚くべき事実を報じたのだ。
その日は震災12周年記念日を二日過ぎていた。
封印解禁の前兆は1月5日の朝日新聞の麻生外相の発言に現れていた。
「(北朝鮮から流入する難民が)武装難民である可能性が極めて高いと考えられるため、対応しなければならない」
今まで政府要人の口から「武装難民」と言う言葉が出た事はなかった。
しかし「迫撃砲の噂」は関西地方ではかなり前から流布していた。
そして平成13年海上自衛隊と交戦して自爆した北朝鮮工作船にロケットランチャーが配備されていた事が発表されると、「その噂」はかなりの真実味を帯びて語られるようになった。
◆北朝鮮工作船展示 http://homepage3.nifty.com/tompei/NorthKoreaShip.htm
だが、政府は何故この事実を12年間も封印してきたのか。
噂が沈静化しパニックの起きるのを防ぐには12年間の封印は余りにも長すぎなかった。
政府当局者の胸のうちには1923年の関東大震災の悪夢がトラウマとなっていた。
◆関東大震災は、運悪く震災8日前に加藤友三郎首相が急逝して「首相不在」という異常事態下での災害であり、通信・交通手段の途絶も加わって多くの地域で伝聞情報による情報収集に頼らざるを得なかった。
新聞紙上では噂やデマが取り上げられ、その中に「朝鮮人が混乱、暴徒化した」というものもあった。
実際、当時の混乱の中、大衆の多くが“暴徒と化した朝鮮人”を恐れ、民間の自警団との衝突も発生した。
そのため、朝鮮人や中国人、沖縄県などの地方出身者なども含めた双方で死者が出た。
方言を話す地方出身の日本内地人が殺害されたケースもある。
殺害の犠牲者は複数の記録、報告書などから研究者の間で議論が分かれており、当時の政府の調査では233人、最も犠牲者を多く見積もる立場からは6000人と幅が見られる。(ウィキペディア)
大震災⇒在日朝鮮人の多い阪神地域⇒
迫撃砲⇒武装工作員のテロ
このような構図からパニックが起きて「関東大震災の二の舞」を恐れたのだろうか。
読売新聞は【国内で複数テロ発生】というシミュレーション記事を書いているが、その仮定の記事の間に封印してきた「瓦礫の中の迫撃砲」と言う驚くべき事実を暴露したのだ。
関東大震災時は加藤首相の8日前の急逝という不幸が重なり「首相不在」の震災処理を余儀なくされたが、
阪神大震災も歴史上稀に見る村山富市と言う無能首相の為、同じく「首相不在」の震災処理と言う不幸を経験させられた。
「有事」の際の情報コントロールは難しい。
情報伝達のタイミングを誤ると、群集心理からパニックに陥り、「関東大震災」の悲劇を再現しかねない。
一方パニックを恐れて情報封印を必要以上に続けると国民は能天気な平和ボケに陥ってしまう。
今回の12年間の封印は、
「羹にこりて膾を吹く」ではなかったのか。
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【核の脅威】[第1部] 20XX年北朝鮮が…(3)重要施設を警備せよ
陸自いつ出動 武器使用は
【国内で複数テロ発生】 <20XX年X月X日深夜、山口県西部の広範囲の地域が停電となった。一部の変電所で爆発が起きる一方、ほぼ同時刻に複数の送電線が切断されたのだ。変電所の焼け跡からは、ハングルが書かれ、外国製と見られる時限爆破装置が見つかった。 翌日午後、首相官邸で緊急会議が開かれた。警察庁の警備局長は「訓練されたプロ集団によるテロ活動であるのは明白です。標的は、米軍基地と考えられます」と報告した。そして、こう付け加えた。 「実は5日前、島根県の海岸で潜水服姿の5、6人の男が目撃されています。北朝鮮の特殊工作員の可能性も否定できません」 しかし、北朝鮮のテロ活動と断定する根拠はなかった。自衛隊の出動は見送られた。官房長官は、重要施設の警備強化を警察庁に指示するにとどまった。 福井県内の原子力発電所に数発の迫撃砲が撃ち込まれたのは、その10日後だった> |
朝鮮半島有事などの際には、北朝鮮の特殊部隊が日本で破壊活動を行う事態が想定される。陽動作戦のため、全国各地で複数のテロが発生する恐れもある。
日本政府の極秘資料は、約10万人に上る北朝鮮の特殊部隊のうち約2500人が人民武力省偵察局所属の日本専門の工作員と推定。うち500人前後が日本に向かうと分析している。
陸上自衛隊は、〈1〉特殊工作員の上陸・入国阻止〈2〉重要施設の警備〈3〉潜入工作員の撃破――の3段階のテロ対処活動を想定している。
日本に向かう北朝鮮の工作員は通常、偽装漁船や小型潜水艇を利用する。航空・海上自衛隊の航空機と艦船が日本海で厳戒態勢を取る。陸自は日本海沿岸で、警戒網をすり抜けた工作員の上陸を阻止する。過去に工作員が上陸した形跡のある個所は40~60か所程度。最終的に上陸する工作員は数十人との見方もある。
日本に長年潜入中の休眠工作員(スリーパー)もいる。政府関係者によると、阪神大震災の時、ある被災地の瓦礫(がれき)から、工作員のものと見られる迫撃砲などの武器が発見されたという。
陸自は、警備対象施設として首相官邸や国会、原子力発電所、石油コンビナートなど計135か所を選定し、重要度に応じて3段階に区分している。
工作員の撃破には、警察と連携し、大がかりな包囲網を敷く。徐々に包囲網を狭め、最後は約300人の対テロ専門部隊「特殊作戦群」(千葉・習志野)などの精鋭部隊を投入する。
包囲網の構築には大量の隊員が必要となる。1996年9月、韓国で起きた北朝鮮武装兵上陸事件では、特殊工作員26人の掃討に韓国兵最大約6万人が約1か月半も動員されたほどだ。
一連の作戦では、どの段階で陸自にどんな出動を命令するかが、武器使用の問題を含め、課題となる。
北朝鮮が「宣戦布告」せず、工作員が国籍不明の段階では、武力行使が可能な防衛出動の命令は難しい。
治安出動は、警察力で治安が維持できない場合に限られる。武器使用も、相手の武装や抵抗の度合いに応じる「警察比例の原則」に縛られる。警護出動は、対象が自衛隊と在日米軍の基地に限定される。
防衛省幹部は語る。
「重要施設を警備していた警察から突然、『もう我々では対応できない。後は任せた』と言われても、陸自は対応できない。平時から緊密に連携する態勢を築くことが急務だ」
韓半島有事の際、北朝鮮から日本に10万-15万人の難民が流入すると日本政府は分析していると、朝日新聞が5日報じた。 日本政府は昨年12月から米国政府と準備している韓半島有事時の「共同作戦計画」の主要項目に、こうした予測値に基づいた難民対策を積極的に検討していると、同紙は伝えた。 日本政府の具体的な難民予測値が出てきたのは今回が初めて。 予測値は韓国からの難民を含めず、事実上、北朝鮮住民を想定している。
麻生太郎外相もこの日の記者会見で、韓半島有事に対応した難民対策を検討していることを認め、「(北朝鮮から流入する難民が)武装難民である可能性が極めて高いと考えられるため、対応しなければならない」と述べた。
読売新聞はこの日、「韓半島有事の際、日米政府が韓国に在住する約11万人の日本人・米国人を日本に退避させる対策を検討し始めた」とし「この計画案は今秋の合意を目指している」と伝えた。 北朝鮮の核実験で高まった韓半島の危機は、いまや「難民対策」「退避対策」など有事を想定した周辺国の本格的かつ具体的な対策の準備に移っている。
◆「北朝鮮難民の第三国移送も必要」=韓半島から日本に流入する難民が10万-15万人にのぼるという予測値は、日本内閣府安全保障会議の補佐機関「事態対処専門委員会」が出した。 首相官邸と外務省、防衛庁など関連省庁の局長級が03年から1年かけて北朝鮮の東海岸にある元山(ウォンサン)・清津(チョンジン)などの港湾・船舶数を調査、推算した。 難民は韓半島と近い九州・中国地方に主に上陸すると予想している。
同紙は委員会関係者の話を引用し、「難民の日本滞在期間はおよそ1年が必要だが、体育館や会館など日常的な行政活動に大きな支障がない施設を開放したとしても、収容能力は数万人程度」とし「このため第三国への移送も検討する必要があるという結論を出した」と伝えた。
◆「軍事的緊張前に米日民間人を日本に退避」=米日間の「共同作戦計画」と並行して韓半島有事に対応、韓国に在住する両国国民を日本に退避させる作戦も昨年末から両国政府間で議論され始めた。 韓国駐在・滞留の日本人は3万人(観光客含む)、米国人は8万5000人(在韓米軍除く)。
日本政府は▽軍事的緊張発生前に民航機で可能な限り日本に退避させる案▽ソウルなどに残った民間人は米軍輸送機で日本に退避、また陸路で釜山(プサン)などにひとまず移送した後、米軍戦艦で日本に輸送する案--を提示している。 塩崎恭久官房長官もこの日、「有事に対応して準備をするのは国民の生命と財産を守る国の責務」とし、退避計画の準備を認めた。 (略)
東京=金玄基(キム・ヒョンギ)特派員