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狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

沖縄を狙う中国の野心

2007-01-06 23:27:27 | 県知事選

かつて大交易時代の琉球王国は、世界の国々との貿易で独立国家として繁栄していたという歴史がよく語られる。

確かに物語としては、夢があって面白いしが、それを現実に置き換えて琉球独立論を唱えるとなると「居酒屋独立論」から脱出することは出来ない。

「新春酔論 琉球独立論」でも触れたが、もし独立したら中国が尖閣諸島付きの沖縄を「鴨ネギ」として涎を垂らして待ち構えているのが現実だ。

日暮高則著の『沖縄を狙う中国の野心』の書評がメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で紹介されたので下記転載。

                  ◇

 

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月6日(土曜日) 貳
通巻第1662号    
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日暮高則『沖縄を狙う中国の野心』(祥伝社新書)
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 元時事通信北京特派員、香港特派員を経験した日暮さんは現場重視のジャーナリスト。「ネクスト・チャイニーズ・リーダーは胡錦濤だ」と、早くから予測を的中させてきた人物でもある。
 評者(宮崎)も氏とは香港返還前からの知己であり、香港で台北で、よく取材先が重なって酒杯をあげたものである。
 さて本書は尖閣諸島問題を中心に、日本が逃げ腰のままに、この問題への対応を誤れば、いずれ中国は朝貢してきた記録が沖縄にあり、だから「沖縄も中国領だ」と言って侵略行為にでてくるだろう、と強い警告を発している。
それが本書の命題だが、日本固有の領土である北方領土、竹島、それから沖の鳥島などの諸問題の沿革、歴史、経緯を丁寧に拾っている。
 それにしても反日運動がいみじくも露見させた中国内の領土要求の原点とは、在外華僑とくに香港の民主陣営と台湾の統一派の複雑な心情が醸し出した不思議な論理的主張にある事実を筆者はみごとに喝破してみせる。
 「保釣運動(尖閣は中国領だと主張する奇妙なナショナリズム)は、米国からやがて中国人が住む地元である台湾や香港に伝播した」。05年四月の「反日運動は米国西海岸の中韓系人によるインターネットでの呼びかけが大陸の中国人を刺激した」。
 70年代まで文革の後処理やら、石油どころではなく、中国は尖閣の領有など主張していなかったのである。
 92年、中国は突如「領海法」なるものを制定し「尖閣諸島は中国領だ」と宣言した。
 及び腰日本は最初から常識では考えられない譲歩をくりだして、「中間線」などという馬鹿げた案を示してしまった。
最初からボタンの掛け違いだった、と筆者は分析する。
 尖閣へ上陸しようとして海に飛び込んでおぼれ死んだ男は“英列”として祭られ、香港の民主活動家のあいだにおいてさえ「烈士」となった。
 日暮氏はこう言う。
 かれらが「保釣運動に熱心なのは、共産党独裁に反対するものの祖国を愛することは本土の人と変わりないという証を見せることにあった。言葉を換えれば愛国心を示すことで民主派は返還後の香港で、北京政府に容易に弾圧の口実を与えない」策略からああした行動にでたと分析するのである。
 また台湾で騒ぐ「外省人の政党・新党は、島内で民進党が躍進し台湾独立への機運が高まる中で、自らのレーゾンデートル(存在理由)をかけて中国人の同胞意識を強く示す狙いがあったのであろう」
とも言う。
 言うこととやることが必ず違う中国人の深層心理、これほど複雑奇妙ではある。
 香港の民主活動家も台湾の統一派も、やっぱりシナ人である。
 領土問題を通して中国人の深層心理をえぐりだす力作。

 

 


新春酔談 「琉球独立論」

2007-01-06 08:22:14 | 県知事選

1月3日、友人宅に何時もの仲間が酒、食べ物を持ち込んで新年会を催した。

宴は午後三時に始まり、延々と夜遅くまで続いたが・・・筆者は身の危険を感じ午後10時前には早々と退散したので、何時に終宴を迎えたのかは不明。

そこで酔眼朦朧、ロレツの回らない言葉で論じられた話題はお定まりの「昔はモテタ話」に始まって、IT機器から天下国家、そして挙句の果てに「アグー・スーチカー」(★)からフランス料理とその行く先は留まる所知らなかった。

健康、いや命を護る為に早期脱出を決行したのは正解であったようだ。

談論風発した中から「酔論 琉球独立論」を再現してみたい。


★アグー:沖縄のブランド豚(黒豚の一種)
 スーチカー:豚肉の塩漬け(沖縄風ベーコン? 泡盛の肴には絶品!)

                ◇

我が酔友たちはあまりお堅い話は酔談にはそぐわないのか、日頃はクダラナイ話の方が何故か議論に熱が入る。

偶に社会性のある話題かと思えば那覇市奥武山にある湖の名称に関する論議で侃々諤々、いや喧々諤々。

今回珍しく「琉球独立論」のような日頃の話題に不釣合いな話が出たのは、

その日(3日)の琉球新報の案内欄に、

沖縄の独立

40%が賛成

と言う見出しが躍る「ケーブルテレビ・ОCN3チャンネル」の案内記事が出ていたことに端を発した。

「沖縄大好き」と言う番組のその案内記事によると、琉球大学の林泉忠助教授が行った独立についての意識調査を報じると言う。

調査の結果は、

政府が認めれば独立が良いとする答えは24%。

認められなくとも良い、という数との合計では40%が独立賛成という。

実際はこの放送は見ないまま「沖縄の独立」に話が及んだ。

  
林教授が昨年、一昨年と二度に渡って行ったアンケート調査の結果は概ね25パーセントの沖縄人は独立希望していると言う。

だが、ほぼ同じ結果を元に書いた新聞記事の見出しが興味深い。

一昨年の地元記事の見出しは「沖縄人の四人に一人は独立希望」。

これに対して地元の人は殆ど無関心で、問われても「まさかー!」と言う程度で終わっている。

ネット上のヤマトンチュの反応には「やっぱり!」と言ったニュアンスが多く、中には「そんなに日本がいやなら出て行け」と言った乱暴な意見も見た。

ところが去年の新聞見出しは、

「沖縄人の75%が独立反対」と来た。

マッチポンプと言われる新聞の面目躍如と言ったところか。

それが今度は

沖縄の独立

40%が賛成

と相成るから、まさに「民意」は新聞見出しが作ると言っても過言ではない。

林助教授の「研究」の他にも「沖縄独立論」の夢を見たくなる伏線があった。

中国、や韓国に旅行したウチナンチュが沖縄出身を名乗ると、急に今までのよそよそしさが消えて、親愛の態度に豹変すると言う。

そして、中国人は親戚意識を示すし、韓国人は日本に虐げられた被害者としての仲間意識を示すと言う。

又沖縄の学者が中国を訪問した際、東大の教授にも見せないような貴重な資料を琉球大学と聞いただけで何でも喜んで要望に応じたと言う。

このような逸話を聞くと沖縄は世界では既に独立国扱いされているので、独立も可能だと安易に思う人が多いのは事実だろう。

話を中国人の林助教授の「研究」に戻そう。

林助教授と地元メディアが煽る「沖縄人の四人に一人、或いは40%が沖縄独立希望」と言う「民意」に対して、議論が炸裂した。

 

M君:これは沖縄の民意としては現実離れしている。

(これに対して日頃“異論”を得意とするY君が立ちふさがった。)

Y君:私は独立支持者だ! そもそも琉球王国として独立していたのを日本に侵略され簒奪されたのだ。 琉球独立をヤマトンチュに言い続けるのはウチナンチュとして当然だ。

M君:でも経済的に自立は出来るの?

T君:尖閣列島に石油でも埋まっていればどうだろう。

Y君:そうだ!それが確定したら、経済的にも十分自立できる。
即独立だ!
林助教授の「40%は独立希望」は間違いだ。 70%は独立希望だ。

K君:我々のように名も無く地位も無いオジサン達が酔った勢いで「琉球独立!」と気勢を、・・・いや、奇声を上げるぶんには罪が無いが、国立大学の先生と地元メディアが結託して、「調査」の結果を針小棒大に民意を煽るのは問題ではないか。

Y君: いや、経済的自立さえ保証されれば沖縄人の70%は独立派だ。 歴史的に言っても独立するのが沖縄の進む道だ。

K君:歴史を辿っていたら、どの国も、独立戦争の嵐に巻き込まれる。
沖縄は日本に簒奪されたと言うが、より近い歴史を見ると1972年「祖国復帰運動」を起こし「祖国」に復帰したのは沖縄の民意ではなかったのか。

Y君:そうだったか。それをコロッと忘れていた(笑) 

K君:仮に林助教授達と組んで民意を変えて、「尖閣油田」を根拠に独立を果たしても、台湾、中国が指をくわえて見ている訳は無い。
鴨がネギ背負って来たとばかりに、丸ごと飲み込まれるのがオチだろう。

T君:だからこそ「ITによる自立」が必要なんだ!
   でも、「自立県」は有り得ても「独立国」は無いだろう。

K君:ITインフラごと中国に飲み込まれたら、今更中国語の勉強もいやだよネ。

かくして酔眼朦朧たる「沖縄独立論」は束の間の幻と消え果た。

皮肉にも同じ3日の琉球新報社説は日頃の沖縄独立論どころか、自立県を訴えるので精一杯のようだった。

沖縄の経済自立は、復帰前からのかなわぬ夢だった。

そう言えば、半世紀前と同じく「サトウキビによる経済自立」を唱えていた学者達は何処へ消えたのか。  

 ◆参考:今年は「沖縄独立反対」が78%? 林助教授調査


沖縄知事選 沖縄人の四人に一人は独立希望?

沖縄人の四人に一人は独立希望?

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琉球新報・社説 2007年3月3日

07年県経済展望・「自立」へ確かな一歩を 築きたい新ブランド戦略

 日本経済は緩やかな景気回復を持続している。大手企業を中心に過去最高益を計上する企業が相次ぎ、戦後最長の「いざなぎ景気」を超えた。
 経済成長に軸足を置く安倍晋三政権は、2007年度から5年以内に「名目で3%台半ば程度、あるいはそれ以上」の経済成長率が達成できると明記した経済財政運営の中期方針を了承。「上げ潮路線」を鮮明にした。
 しかし、見過ごせないのは「いざなぎ景気」超えの裏にある地域間格差の問題だ。景気回復を実感している地方の割合はどれほどだろうか。国民にしても多くは実感に乏しく、好況感という打ち上げ花火を遠くから眺めているような思いではないだろうか。好況感が隅々に及ぶような経済政策運営を政府には注文しておきたい。
知事のかじ取り
 県経済を下支えする政府の07年度沖縄関係予算案は、2642億3900万円。公共工事中心の沖縄振興開発事業費が削られた影響などで前年度比2・9%減少したが、ソフト事業主体の基本的政策企画立案等経費は0・1%伸びた。
 沖縄イノベーション創出事業や情報産業人材育成支援事業などのソフト事業が新たに盛り込まれたのは、観光、雇用面などで大胆な数値目標を掲げ当選した仲井真弘多知事を後押ししたい政府の姿勢が垣間見える。
 悲願である自立型経済を目指す沖縄振興計画は、来年度は折り返し点を迎える。公約実現に向け知事がどう指導力を発揮し、県政のかじ取りに当たっていくのか注視したい。
 日本銀行那覇支店や県内金融機関系シンクタンクなどの専門家は、今年の県内景気動向について総じて「持ち直しの動きが続く」と予測する。
 主軸となる観光産業は引き続き高い水準を維持し、個人消費関連も堅調に推移するとの見方で一致している。四半期ごとの景気予測でも、五段階評価の「4」あるいは「4・5」とまずまずの得点が並んでいる。
 回復の足取りが生活実感に着実に反映されるような年であってほしい。
 県経済のけん引役である沖縄観光の昨年の入域客数は、11月末現在で518万1800人。前年を2・4%上回った。12月の入域客数を前年並みと見積もっても5年連続で過去最多を更新する見通しである。
 沖縄観光が右肩上がりのカーブを描いているのは、衰えない沖縄ブームに加え、増加の一途をたどる修学旅行客、神戸や北九州間に航空路線が新設されたことなどが要因だ。
新需要への対応
 昨年は単月で50万人を突破した月が3回あった。600万人時代が射程に入ってきたとみる向きもある。とはいえ、このまま一本調子でいくとは限らない。リゾートウエディングや豊かな自然を生かしたエコツーリズムといった多様化する観光需要に確実に対応し、顧客を満足させる新商品づくりなどの努力が欠かせない。
 消費関連では、人口の増加や大型家電店の進出などを背景に底堅い動きが予測される。所得環境の改善は不十分ながら地上デジタル放送の本格開始で、液晶やプラズマテレビなど買い替え需要の期待が高まっている。
 建設関連は、政府の沖縄予算案に表れているように公共事業の縮小は避けられない。談合処分などで窮地に立つ建設業界の試練は続きそうだ。
 ただ本土資本や外資によるホテルへの投資の流れは続く。団塊世代をはじめとする移住者の住宅需要なども見込まれ、地合い自体はそれほど悪くない。
 製造業の振興は古くて新しい課題だが、本土市場で評価が高い健康食品など沖縄の物産製造に活路が見いだせよう。販売ルートの強化、付加価値の高い商品開発などが鍵を握る。
 沖縄産品のブランド力に着目し、県産素材を使って商品開発に乗り出すなど本土資本の参入も後を絶たない。沖縄モノのイメージだけでは通用しにくくなっている。新たなブランド戦略が求められる。
 謙虚さと同時に、逆風にさらされてもビジネスチャンスをしっかりとらえ、立ち向かう。経済界にはそんな気概とチャレンジ精神を期待したい。

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