「安倍首相は嘘つき」 フィリピン人元慰安婦らがデモ
安倍晋三首相の度重なる「慰安婦妄言」にフィリピンの元慰安婦たちも激怒して立ち上がった。
フィリピンの首都マニラの日本大使館前で6日、「安倍首相はうそつきだ」「わたしは強姦された」と主張する20数人の女性が集まり、最近慰安婦連行の強制性を否定した安倍首相の発言に抗議してデモを行った。
デモに参加した女性たちはフィリピンの慰安婦団体「リラフィリピーナ」の会員で、自らが生きた証人であり被害者でもあると主張した。デモにはまた安倍首相の妄言に抗議するフィリピンの女性団体も参加した。
デモに参加したある女性は「あれほど幼くて純粋だったわたしたちが娼婦になるというのか。安倍首相はうそをついている」と抗議した。
また5日にはフィリピンのエブダリン外務次官が安倍首相の発言を非難し、日本政府は責任を認めて謝罪し、河野談話の精神を引き継ぐよう要求した。
「リラフィリピーナ」には174人が会員として登録されているが、そのうち実際に生存しているのは120人だという。
「リラフィリピーナ」ディレクターのレチルダ・エクストリマデュラ氏はこの日の声明で、「安倍首相が明らかな事実を否定している」と非難した。
NEWSIS/朝鮮日報JNS 2007/03/07 08:41
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安陪首相の曖昧な「従軍慰安婦」発言が世界の元慰安婦に次々と飛び火をし始めた。
現在の反日連鎖の根源は全て「河野談話」にある。
これを再調査するのは当然だが、「再調査そのものが誤解の連鎖を生みかねない」から「黙殺するのが良い」(ジェラルド・カーチスコロンビア大学教授」のような意見も多い。
だが、再調査を面倒だからと、曖昧にしたり先送りしたりすると、一連の「安倍談話」(河野談話を受け継ぐ)は第二の「河野談話」として後世により大きな禍根を残す事になる。
何しろ「安倍談話」は首相談話なのだから、曖昧な「河野談話」に首相が「受け継ぐ」と言う裏書をしたことになる。
「河野談話」という不渡り同様の手形に首相自ら信用を与えたことになるから。
このままでは安倍首相は世界中の「嘘つき!」の糾弾に晒される事になる。
「再調査をするなら徹底して」と訴えているのは信濃毎日新聞の社説。
【社説】慰安婦問題 再調査するなら徹底して
3月10日(土)
戦時中、朝鮮半島などから動員された「従軍慰安婦」の問題をめぐり、政府と自民党が連携して再調査する考えを安倍首相が明らかにした。
1993年の「河野洋平官房長官談話」の見直しにつながる可能性もある。再調査をするというのであれば、公正で透明性の高いものにしなければならない。
事の発端は、米下院外交委員会で審議中の慰安婦問題の決議案だ。日本政府に責任を認め、謝罪するよう求めている。
これに対して、安倍首相は「決議案は客観的事実に基づいておらず、日本政府のこれまでの対応を踏まえていない」と述べ、決議があっても謝罪しない意向を表明した。
とくに首相が指摘しているのは、旧日本軍の強制性の有無についてである。首相は「官憲が人さらいのようにつれて行く強制性はなかった」とし、「狭義の強制性」を否定する立場を取っている。研究者の間でも見方が分かれるところだ。再調査も一つの選択肢といえる。
問題は、再調査そのものが内外に誤解を招きかねないことだ。
一つは、河野談話との整合性である。談話は、募集には軍の要請を受けた業者が当たり、「甘言、強圧によるなど、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに官憲などが直接これに加担したこともあった」と結論付けた。
安倍首相は河野談話を継承すると述べている。今回の一連の発言は、談話の趣旨と矛盾する点がある。首相は本心では、談話を認めていないと受け取られても仕方がない。
すでに近隣諸国などから首相発言に反発する声が出ている。再調査で河野談話を見直すことになれば、内外にあつれきが深まる懸念がある。
二つ目は、首相は狭義の強制性を否定する一方、業者による「広義の強制性」は認めている点だ。国家ではなく民間業者のやったことだ、という趣旨と解される。
被害者にしてみれば、強制性を「狭義」と「広義」に分けたところで、説得力は乏しい。本人の意に反して、旧日本兵の慰安婦にさせられた事実に変わりないからだ。
近隣諸国では、旧日本軍による性的な暴力として受け止められている。暴行事件などを含め、韓国や中国、台湾、フィリピンなどの女性たちが謝罪や補償を求めてきた。こうした経過の中で、強制性の在り方をまな板に載せても、国内だけに通用する論議に陥りかねない。
再調査をするなら、科学的で批判に耐えうる手法と内容が要る。そうでないと、国際的な反発を買い、外交的な痛手となる恐れが強い。(信濃毎日新聞)