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昭和四十年前後の約10年ほど東京で生活していた。
その頃の国電(JR)渋谷駅近くにS食堂という当時としては大きなレストランがあった。
メニューの数が多いのと何より値段が安かったので大繁盛で、勿論私も外食の時は良く利用させて貰った。
何時の頃からかS食堂の肉は犬の肉を使っていると言う噂がまことしやかに流れるようになった。
噂とは言え気持ちのよいものではなく、やがて同じく大衆食堂の新宿の三平食堂に場所を変えるようになった。
そのせいなのかどうかは不明だが、やがてS食堂は渋谷の街から姿を消してしまった。
今となっては真偽の程は確かめようがないが、S食堂が狗肉をトンカツとして売っていたとしても、都心でしかも安い価格で食事できた。
それだけで当時の若者には大変魅力的なレストランであり、特に貧乏学生にとっては強力な味方であった。
そういえばS食堂というより、「S食」という愛称を学生仲間では使っていたくらいでずい分お世話になった。
S食堂が、羊頭狗肉ならぬ豚頭狗肉を売っていたという噂は、繁盛店故の根も葉もない中傷だったと信じている。
沖縄ではヒージャー汁に犬の肉を混ぜて出す店があると聞いた事があるがこれも真偽の程は定かではない。
もしこれが事実ならそのものズバリ「羊頭狗肉」のことになる。
因みにヒージャーとは沖縄語で山羊のこと。(文末で語源説明)
暇に任せて羊頭狗肉を検索したら次のように出て来た。
≪羊頭狗肉とは、実質や内容が見かけと一致しないこと。見掛け倒しのこと。
羊頭狗肉の語源・由来
羊頭狗肉は、「羊頭を掲げて狗肉を売る」を略した四字熟語で、出典は中国宋時代の禅書「無関門(むかんもん)」。
店頭の看板には「羊頭(羊の頭)」を掲げ、実際には「狗肉(犬の肉)」を売る意味であった。
転じて、見せ掛けは立派だが実物は違うといった意味になり、誤魔化しの喩えとして、羊頭狗肉は使われるようになった。≫
出典は中国の古書だが、同じ漢字を使うといって「同文同文化」と思ったら大間違い。
異文化の迷路に迷い込んでしまう。
同じ漢字を使う国民でも文化が違うと意味も違ってくる。
ここでは「食文化」の違いで微妙にニュアンスが違ってくる。
日本語だと、「羊の肉のフリして、犬の肉を売りやがって許せない!」というところから、看板は立派で中身が貧しいことを意味する。
しかし犬を食べる文化を持つ中国人には、犬も上等な食べ物なのである。
羊の肉より犬の肉を好む人もいるという。(この点は韓国も同じ。沖縄でも昔は赤犬は薬になると言う話を聞いた事がある)
この熟語の本家中国では、看板と中身が違うぐらいの意味にしかならず、「ケシカラン!」という怒りの意味にはならない。
「羊頭狗肉」という言葉も中国では看板と中身が違う事くらいで、良くあることなので目くじらを立てて怒るほどの事ではないのだろう。
羊頭狗肉も所変われば、怒ったり詐欺呼ばわりするほどの事ではない。
しかし、日本では重大な問題で詐欺等の犯罪にもなりかねない。
食文化が違うと諺の意味もちがうのかと驚く。
そういえば偽物といっても中国では国営の偽ディズニーランドがあるくらいだから「羊頭狗肉」程度は驚くに足らないのだろう。↓
◆http://www.youtube.com/v/rlwvLrS78j8
偽ミッキーで驚いてはいけない。こんなのもあり?
シマウマもビックリ仰天、天を仰いでイナバウアー!
◆http://www.recordchina.co.jp/show.php?img=cfp388305915.jpg
いやいや、羊頭狗肉は中国の専売特許ではなかった。
アメリカはヴァージニア州の山間部に牡蠣フライと称して「山羊のタマフライ」を食する習慣があった。
これを「革新的レシピ・innovative recipe」というからイナバウアーのリプレイだ。
【おまけ】
沖縄料理の秘伝「ヒージャー料理」の数あるレシピの中から「革新的レシピ・innovative recipe」を伝授しよう。
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