慰安婦決議案採決、6月以降に先送り 米下院
【ワシントン=有元隆志】米下院外交委員会に提出されていた慰安婦問題に関する対日非難決議案の採決は、6月以降に先送りされることが22日、決まった。月末にメモリアルデー(戦没者追悼の日)の休会があるためだ。決議案提案者のホンダ議員(民主党)らは5月中の採決を目指す構えをみせていたが、ラントス委員長(民主党)らは4月下旬の安倍晋三首相の訪米もあり、「日本との関係に配慮した」(議会関係者)結果、先送りを決めたものとみられる。
23日の同委員会では、休会を控え各種決議案が処理されたが、慰安婦問題の決議案は含まれていなかった。
採決された中には、対テロ戦争での韓国の努力に謝意を表する決議案や、石油資源確保のためダルフール紛争のスーダンに肩入れする中国に対し、虐殺の防止に向けてスーダンへの影響力行使を求める決議案が含まれている。
慰安婦決議案の処理にあたっては、採決実施の判断基準となる共同提案議員の届け出が100人を上回っており、6月に採決される可能性も残っている。
安倍首相は訪米の際、ペロシ下院議長やラントス委員長と会談し、「慰安婦の方々に心から同情しているし、そういう状況に置かれていたことに対して申し訳ないという思いだ」と語った。
民主党のイノウエ上院議員も「(決議案は)不必要なだけでなく、日本との関係に悪影響を及ぼす」として、採決見送りを求める書簡をラントス委員長らに送るなどの働きかけをしている。
(産経新聞 2007/05/23 23:46)
◇
アメリカの良識は死んでいなかったのか。
60数年も前の戦地売春婦に対して日本に謝罪要求するより、
現在進行中のダルフール大虐殺、そしてその首謀者であるスーダン政府に肩入れする中国政府に働きかける方が先でしょう。
人権尊重を声高に叫ぶアメリカなら対日謝罪要求がお門違いであることにもっと早く気づくべきだった。
アメリカ自身の過去の人権に関する数々の悪行はさておいても、少なくとも中国と日本では人権に関する謝罪要求の優先順位が違う事ぐらい分るだろう。
それにしても中国のダルフール虐殺首謀国・スーダンへの肩入れに対して米国一流紙は「北京オリンピックは“皆殺しの競技会”」としてボイコットを叫んでいる。(ボストン・グローブ)
日本の大手メディアが中国の人権問題に弱腰なのは1964年に交わされた「日中記者交換協定」(★)に拘束されているからだろう。
◆【北京オリンピックは「皆殺しの競技会だ」】byボストングローブ
◆北京五輪を阻止せよ! by米映画人with米下院
★「日中記者交換協定」
正式名を「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」と言い、当時、中日友好協会会長であった廖承志氏と自民党の松村憲三衆院議員らとの間で1964年に交わされた協定。
①中国を敵視しない。
②二つの中国を造る陰謀(=台湾独立)に加わらない。
③日中国交正常化を妨げない。
の三点を守れないマスコミは、中国から記者を追放するとしたもの。
これにより、日本の新聞は中国に関して自由な報道が大きく規制されることになった。当初、朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞・日経新聞・共同通信・西日本新聞・NHK・東京放送(TBS)の九社に北京への記者常駐が認められたが、「反中国的な報道をしない」という協定が含まれているために、国外追放される報道機関が相次いだ(何があっても親中的な報道を続けた朝日新聞だけは大丈夫だったようである)。
また、これは本来新聞のみを対象としたものであったが、その後の新聞とテレビとの資本交換による系列化の強化で、事実上テレビに関しても適用されることになった。
◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成19年(2007年) 5月24日(木曜日)
通巻第1806号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
米国議会は「反日決議」より中国のダルフール虐殺支援批判決議が優先
マイク・ホンダらの思惑に狂い。
**********************
「中国の代理人」と言われている、マイク・ホンダ議員が持ち歩いていた陰謀、日本への「慰安婦問題に関する対日非難決議案」は、6月以降に採決が先送りされる見通しとなった。
決議案を率先していたホンダ議員(民主党)は早急な採決を目指していたが、ラントス委員長(民主党)は安倍首相訪米により、「日本との関係に配慮した」(議会関係者)という。
また下院議長のペロシ女史は人権問題に敏感で、過去のことより、現在進行形の人権抑圧を問題視している。
米国連邦下院議会は同時に、虐殺のつづくダルフール紛争に関して、スーダン独裁政権に肩入れする中国に「虐殺防止のためのスーダンへの影響力行使を求める決議案」を提出している。こちらのほうが優先される。
蛇足ながら、先の安倍首相の訪米、ワシントンの新聞記事にならなかった。
驚くなかれ、ニューヨークタイムズにも訪米の記事がない。