狂気は個人にあっては稀なことである。
しかし集団・民族・時代にあっては常態である。
一人は個、二人は対、三人以上になると集団性を帯びる
集団は時に人を変えてしまう
辿り着く先が間違いだと皆知っている。
だが、誰もそれを止められない。
動き出した大きなうねりに身を任せ
考えることなく突き進むのは容易だ。
まるで断崖に向かって突進するヌーの群れのように。
小さな悪意と人間なら誰しもが持つ自己保身、
そしてささやかな名誉欲やプライド、
それがこの「政治運動」を先へ先へと進めて行く。
そこでは理性的な説得など何の役にも立たない。
「運動」に疑問を持つ少数の意見、
又議論・検証を求める地味な活動は、
単純でわかりやすい結論を求める人々の声や、
利口ぶった学者やマスコミの前に押しつぶされてしまう。
*
時が熱狂と偏見とをやわらげた暁には また理性が虚偽からその仮面を剥ぎ取った暁には
その時こそ正義の女神はその秤を平衡に保ちながら 過去の賞罰の多くに
そのところを変えることを要求するであろう
◆
よく言われることだが「鉄の暴風」という言葉から受ける沖縄戦の印象は「米軍対日本軍」の戦いではなく「沖縄対日本軍」のそれである。
そして米軍は日本の沖縄を解放に来た解放軍だという印象だ。
沖縄タイムスが極端な偏向を通り越して、敵意剥き出しの反日報道をするのには訳がある。
その理由を深く掘り下げると沖縄タイムスの出生の秘密にたどり着く。
次の文章はある出版物の前文の一部を抜粋したものである。
「なお、この動乱を通じて、われわれ沖縄人として、おそらく終生わすれることができないことは、米軍の高いヒューマニズムであった。 国境と民族を超えたかれらの人類愛によって、生き残りの沖縄人は、生命を保護され、あらゆる支援を与えられて、更正第一歩を踏み出すことができたことを、特記しておきたい」
米軍に揉み手をしたようなこのおべんちゃら文が『鉄の暴風』の初版の前文だと知ると驚く人も多いだろう。
勿論、沖縄タイムス出生の秘密を暗示するこの前文はその後の重版では削除されている。
『鉄の暴風』は主として沖縄タイムス記者伊佐良博氏(後に太田に改姓)によって書かれたが、同書のもう一人の著者、牧港篤三氏によれば、初版は2万部出版され「米軍に提出されるため英訳され、占領軍司令部でも話題になった」と記している。(沖縄タイムス平成14年6月12日付け)
そう、沖縄タイムスは戦後沖縄占領米軍のプロパガンダ紙として出発したのだ。
ここで言うプロパガンダ紙というのは比喩的な意味ではなく米軍情報部の下に作られた広報紙という意味である。
*
沖縄戦における日本軍の残虐性を述べるとき,その対極として米軍のヒューマニズムが語られる。
「毒おむすび」の日本軍に対して米軍は食料や「チョコレート」を住民に配ったという分かりやすい構図だ。
最近の「集団自決」に関する「教科書検定」問題でも常に悪役は日本軍であり善玉はアメリカ軍だ。
その意味では「日本軍の残虐非道な行動」を糾弾する「県民大会」なら米軍はこぞってこれに賛同するものと想像した。
事実沖縄在住の米人で「県民大会」に賛同する報道が新聞を賑わした。
それよりも沖縄の新聞で「県民大会」に横槍を入れるような言動をおおっぴらにする団体の記事などお目にかかったこともなかった。
ところが、驚いたことに沖縄最大の組織が大会直前になって横槍を入れてきた。
それが米軍だと知って二度びっくりした。
ひょっとして狂乱した「県民大会」を「政治集会」として冷静に判断できる組織は、沖縄では米軍だけなのか。
米軍の使用不許可を受けて閉鎖を知らせる張り紙が掲示された宜野湾市民広場のゲート=28日午前10時20分ごろ、宜野湾市役所向かい
【宜野湾】宜野湾市野嵩の普天間飛行場施設内で米軍が無料開放している市民広場(第4ゲート)を、米軍が29日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」のために使用することを不許可とし、市に通知していたことが28日、分かった。普天間基地司令官名で「日本国内の重要かつ慎重を期する問題について、中立の立場を維持する」ことなどを理由に、不許可とするとの回答があった。同広場は普天間基地包囲など米軍基地反対運動の際に使用不許可になったことはあるが、そのほかの使用申請に対する不許可は異例。市は28日、再度使用許可を申し入れる。
市民広場は宜野湾市役所向かいにあり、約200台の駐車場とグラウンドなどがある。通常は午前5時から午後11時まで開放されている。県民大会では市役所駐車場から会場までシャトルバスを出す予定にしており、市は参加者の駐車スペース確保のため、大会実行委員会の要請を受けて普天間基地司令官に市民広場の使用を要請していた。
米軍側から21日付で市に回答があり、「日本国内の重要かつ慎重を期する問題について、中立の立場を維持する」「論争となっている日本国内の政策については、支持あるいは不支持と受け取られることを避ける」などを理由に挙げて、不許可としている。
市民広場は2004年と05年の普天間基地包囲の際にゲートを閉じて使用不可としたが、通常は使用制限をせず、イベントなどにも利用されている。市は「大会参加者の駐車スペースを確保するためにも再度、使用を申し入れる」としている。
(琉球新報 9/28 16:02)
◆
宜野湾駐車場閉鎖 不許可「おかしい」
「教科書検定意見撤回を求める県民大会」で、米軍が普段、無料開放している米軍普天間飛行場の施設での駐車場使用を不許可としたことについて「超党派による大会」実施を進める県民大会実行委員会や、参加者からは「真実を伝える大会であり反県民の姿勢だ」「もともとはわれわれの土地だ」と「政治的な大会」を不許可理由とする米軍に対し、批判の声が相次いだ。
(9/28 16:21)全文 >>>
>「日本国内の重要かつ慎重を期する問題について、中立の立場を維持する」「論争となっている日本国内の政策については、支持あるいは不支持と受け取られることを避ける」
ごく当たり前の意見でコメントの必要はないだろう。
>「政治的な大会」を不許可理由とする米軍に対し、批判の声が相次いだ。
大会は「政治的な大会」だとそのの本質を冷静に見抜いているのは米軍の方だ。
会場までの無料送迎バスの駐車場を封鎖したからといって「県民大会」は挙行されるだろう。
しかし、これまで沖縄には「県民大会」の名を騙った「政治集会」に反対する組織が沖縄に在るということを周知させただけでも米軍の措置には大きな意義がある。
米軍だけではない。
沖縄には「県民大会」を冷ややかな目で見ている物言わぬ多くの県民がいることを忘れてはいけない。
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