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沖縄タイムス 2008年3月1日(土) 朝刊 26・27面
痛恨 被害者守れず/地検苦渋 天を仰ぐ
また被害者を守れなかった―。米兵による暴行事件は二十九日、容疑者の釈放という予想外の形で幕が引かれた。日米両政府は安保体制のほころびに危機感をあらわにし、一部メディアは好奇の目を向けた。あまりにも大きな負担を背負った被害者から、届いたのは「そっとしておいてほしい」という言葉だった。天を仰ぐ那覇地検の検事正。首長や市民団体は、支援が徹底できなかった痛恨を語った。米軍基地が集中し、犯罪が頻発する現実とどう向き合うか。日米両政府は、再発防止の取り組みを誓い、県民大会の模索も続く。
「容疑者を本日釈放した」。那覇地検五階会議室での記者説明。山舗弥一郎検事正は午後九時四十分、駆け付けた二十人の報道陣を見渡し、一言一言かみしめるように書面を読み上げた。「本日付で不起訴処分」。大きく息をついた後、「申し上げられることは以上」と言葉を切った。
張り詰めた空気の中、報道陣から矢継ぎ早に質問が飛んだ。「告訴取り下げの理由は何か」「容疑の事実関係はどうなのか」。山舗検事正は「被害者の気持ちに反するので詳細は言えない」と、何度も繰り返した。
被害者感情に話が及ぶと、天を仰いだ後「そっとしておいてほしい、ということのようだ」と説明。会議室は一瞬、静まり返った。
告訴を取り下げるような働き掛けがあったかとの問いには「一切ない。失礼だ」と声を荒らげた。捜査の適正性を問う質問には「(親告罪なので)告訴が取り下げられたら絶対、起訴できない。被害者の気持ちを重視し粛々とやるしかない」と顔を紅潮させた。その後も「事情を理解してほしい」と繰り返し、説明は二十分で終了した。
◇ ◇ ◇
泰山鳴動鼠一匹
山から出てきたのは凶悪なる強姦魔ならぬ、
ただの「ナンパ男」だった。
告訴取り下げの記者会見に駆けつけた沖縄タイムス記者は己の動揺を隠すため報道というより文学的表現に走った。
太字で強調した部分は記事の主旨にはあまり関係ない部分だが、その情緒的文面から記者の動揺する心情が垣間見れる。
それを並べてみたら見事な叙事(情?)詩となった。
一瞬、「喝采」の冒頭の歌詞が脳裏をよぎった。(♪いつものように幕が開き、・・・届いた手紙は、黒い縁取りがありました♪ー関係ないか)
また被害者を守れなかった
予想外の形で
幕が引かれた
届いたのは
「そっとしておいてほしい」という言葉だった
天を仰ぐ那覇地検の検事正
痛恨を語った
一言一言かみしめるように書面を読み上げた
天を仰いだ後
「そっとしておいてほしい、ということのようだ」
会議室は一瞬、静まり返った。
大きく息をついた後
「申し上げられることは以上」
記者会見する山舗弥一郎検事正の苦悩を表した記事だが実は同時に沖縄タイムスの動揺も表している。
沖縄タイムスが虚に吼えまくったツケは大きい。
衝撃の「告訴取り下げ」から二夜あけた日曜日になっても紙面に動揺はは隠せない。
タイムス・コラムの筆者も正直に驚きを吐露している。
⇒「大弦小弦」崎浜秀也 |
そして社会面では相変わらずこのような未練たらしい記事をデカデカと書いている。
⇒ 重大さ変わらない/暴行事件・米兵不起訴
社説も動揺を隠し切れない。↓
沖縄タイムス社説(3/2)【告訴取り下げ】被害者の声に応える道は
<「そっとしておいてほしい」―被害者とその家族の訴えを私たちはどう受け止めればいいのだろうか。
女子中学生への暴行事件で逮捕されていた米海兵隊員は、被害者側が告訴を取り下げたため不起訴になり、釈放された。>
虚に吼えて世間を騒がしたツケは琉球新報も同じ。
やはり動揺はタイムスと同じ。
琉球新報社説 (3/2 ) 告訴取り下げ 犯罪の容疑は消えない
<何ともやり切れぬ気持ちだ。告訴を取り下げた少女に、どんな心境の変化があったのか。事件後に浴びせられた心ない非難の声。あるいは、一部週刊誌による無節操な取材や報道。「なぜ、自分が責められねばならないのだろうか。やはり、自分が悪かったのか」。>
沖縄タイムス、琉球新報の師匠とも言える朝日新聞も同じようなタイトルで負け惜しみ。
朝日新聞2008年03月02日米兵釈放―それでも事件は消えない
朝日社説については、「松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG 」さんが、完膚なきまで論破されているので是非ご一読下さい。
■告訴取り下げの真相■
沖縄タイムスが思い入れたたっぷりに山舗検事正の記事を書いているのに対して、琉球新報は質疑応答の形式でこれを報じている。
本音を語れない検事正の苦渋が答弁ににじみ出ている。
検事正に成り代わって本音で答弁してみよう。(カッコ内の茶色文字)
那覇地検・山舗弥一郎検事正の会見要旨
「2月29日付けで、二等軍曹を釈放した。 告訴取り消しが不起訴の理由だ。 被害者感情がないかは、言及しない。 あくまで親告罪の取り下げだ。 釈放は本日午後8時42分(告訴取り消し)今日夜にあった。 時間は把握していない」
ー 2等軍曹は容疑事実を何と言っていたか。
「告訴がなくなった時点で、訴訟条件を満たしておらず、コメントするのは適切ではない」
(容疑者は逮捕当初から、終始一貫して容疑を否認し無実を訴えている。)
ー 告訴が継続していたら起訴できたか。
「内容の事実が存在したか否かではない。告訴がないイコール不起訴だ」
(起訴は無理筋。 それでもあえて起訴までいけば少女の狂言がマスコミに晒され、同時にマスコミ論調に押されて拘留期限延長までした警察・検察の強引な取調べも落ち度として露呈する。 従って拘留期限ギリギリになって、少女に告訴取り下げしてもらう以外に警察・検察は選択肢はなかった。 )
ー 強制わいせつなど他の犯罪要件を検討したか。
「少なくとも、内容面であれこれ言える段階でなくなった。被害者の気持ちを考えて他の罪で起訴するのは適当でない」
(被害者は未成年なので、告訴取り下げに関係なく、「青少年保護条例」適用により逮捕・起訴出来る案件。 だが適用の条件として容疑者が未成年と認識していないことが要件。 当時被害者は私服であり、夜の8時過ぎに繁華街で見知らぬ米人の誘いに乗ってバイクの後部座席で容疑者に同行している。 容疑者が「成人と思った」という証言を覆す立証は困難で青少年保護条例適用による立件も不可能と判断した。)
ー 告訴取り下げは被害者の少女本人の意思か。
「そうだ」
(最終的には本人の意思だが、そこに至るまでの「阿吽の呼吸」でどちらからともなく取り下げに至った。 取り下げがなかったら警察・地検は追いつめられていた。)
ー 被害者は事件とかかわりたくないということか。
「そういうことだ。 『そっとしてほしい』というようなことだ」
(それは、そうだろう)
ー 2等軍曹の身柄は。
「米軍に引き渡されたと聞いた」
(本音としては米軍の取調べは遠慮して欲しい。 容疑者の無罪潔白が証明されたら折角の「告訴取り下げ」による「事件の曖昧化」が無駄になる。 逆に米軍の取調べで暴行が立証されたら、警察・検察の面目が潰れる。 それに常日頃米兵の犯人身柄を米側に引き渡したら事件を曖昧にされるという主張が覆ってしまう。)
ー 少女はいつから取り下げを検討していたか。
「少なくともきょう、突然ではない。 いつからかと踏み込んで発言することはできない」
(この質問は少女というより、警察・地検への質問と見るべきだろう。
まぁ、検事としてはこう答える以外に答えようがないね。)
*
仮に一連の新聞報道が事実なら親告罪の強姦罪以外でも、通常は青少年保護条例等で罪を問える。
告訴取り下げを理由に、青少年保護条例等の適用による立件をも検察が断念したということは、報道されているような事実がなく、新聞のキャンペーン報道に煽られて警察・検察が無理筋の取調べを続けていたという証左である。
もし検察が「被害者による告訴取り下げ」という奥の手を使わなかったら、公判を維持できないのは勿論、被害者少女の当日の事件に至る行動が明らかにされ(不良米兵と不良中学生の火遊びが)、結局は「無罪釈放」という検察側にとって最悪の事態になっていただろう。
親告罪以外の罪を適用して起訴することも「被害者の気持ちを考えれば適当でない」という検察の見解は、告訴の有無にかかわらず公権力が加害者に刑罰を与えるという刑法の主旨からいって到底成り立たない理由である。
被害者の心情だけで警察・検察が犯罪の事実を知りながらこれをみすみす見逃したとしたら警察・検察の怠慢であり結果的に法体系の崩壊に繋がる。
■沖縄は西部劇の無法地帯■
検察庁が容疑者を不起訴で釈放したのに、民間の団体がこれを許さず糾弾するという。
昔見た西部劇で、判事が無罪を宣告しても、群集が容疑者を引きずり出して首にロープを巻いて木に吊るす、といったシーンがあった。
近代法が未だ周知徹底していなかった数世紀前の西部劇時代。
現代の沖縄は西部の裁判と民度が同じなのか。
これは釈放された「容疑者」へのリンチではないのか。
県民大会予定通り 呼び掛け団体が確認 (3/1 16:07)
日本の法制度を無視して敵討ち時代に戻れということだろうか。
⇒被害者に代わり糾弾を 事件へ募る怒り (3/1 10:11)
敵討ちにも驚くが、琉球新報3月1日夕刊の二面の大見出しには驚きで我が目を疑った。
その日の朝刊の「中学生暴行の米兵釈放 告訴を取り下げ (3/1 ) の衝撃から未だ立ち直れないのか、次の見出しが踊る。
「本人の意思尊重を」
軍法会議処罰に期待
あれほど「米側の裁判は信用できない」、
「容疑者を軍に引き渡したら事件をウヤムヤにされる」
と叫び続けていたのは何処の新聞だっただろうか。
恥もなく「軍法会議処罰に期待」とは、
どのツラ下げて言うのだろう。
まぁ、米軍基地反対を叫ぶ一方「軍法会議処罰に期待」と書くほど「告訴取り下げ」の衝撃は大きかったわけだ。
■容疑者の米兵は告訴取り下げ前から無罪である■
本人が罪状を否認しており、証拠の裏づけも無い。
こんな状況では容疑者は取調べ中といえども無罪である。
この時点で沖縄マスコミは容疑者を強姦魔として犯人扱いし連日糾弾した。
同じような立場の「ロス疑惑」の三浦和義容疑者(当時の)は自分を誹謗したマスコミに対して約500件の名誉毀損の訴訟を起こしそのほとんどで勝訴して合計約1億数千万円の賠償金を勝ち取ったという。
同じ訴訟を米軍曹が提訴したらおそらくは沖縄タイムス、琉球新報は全面敗訴だろう。
これについては「米兵暴行は推定無罪?」をご覧下さい。
【おまけ】
今朝の琉球新報朝刊を一瞥したら、一面トップの大見出しに驚いた。
禁足令中 米兵又逮捕
建造物侵入の疑い
日曜日の早朝酔っ払った21歳の米兵が工場事務所のガラス窓を割って事務所に侵入したという。
1985年、尾崎豊は<夜の校舎の窓ガラスを壊してまわって>青春のカリスマとなった。
2008年、21歳の米兵は酔っ払って工場事務所のガラスを割って新聞の一面を飾った。
そして沖縄県知事に「米国の恥」と罵られた。
米兵はフェンスを越えて基地外に出たという。
社会面に次のような記述もある。
<米軍准機関紙「星条旗」は2月29日付けで「外出禁止に不平」「不明確な規則に怒り」と米兵やその家族らの声を伝えた。 それによると、ある基地外に住む米兵の妻は「誰であれ不道徳は許されないが、今回のことで全米国人が責任を取るべきとするのは行き過ぎだ」と主張している。 基地外に住む軍関係者の妻は、現状に納得できず司令官あてに「子供に友達の家に言ってはだめと説明する理由が分からない」と手紙で訴えたという。>(琉球新報 3月3日 23面)
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