沖縄県は28日、玉城デニー知事が新型コロナウイルスに感染したと発表した。喉に違和感があるといい、知事公舎で療養している。この日予定していた県議会の一般質問は延期し、議会日程も大幅に変更した。陽性で症状がある場合は発症日から10日が経過し、かつ症状が治まってから72時間の経過が必要なため、知事の登庁が可能になるのは7月8日以降となる。

 知事は「多くの方々にご心配とご迷惑をかけ深くおわびする」とのコメントを発表。議会に影響が出たことにも謝罪した。事務調整などはリモートで対応しており、現時点で職務代理者は置いていない。

 県によると27日午後7時26分に知事の親族の感染が判明。その時点で知事に症状はなく、議会終了後、医師の糸数公保健医療部長が行動履歴を聞き取った結果、濃厚接触者の可能性が高いと判断した。28日午前にPCR検査を受け陽性となった。

 知事は27日は一般質問、26日は事務調整のため登庁した。県によると必要な感染予防策は取っており、濃厚接触に当たる職員はいないという。知事の感染を受け、両副知事と全部局長ら計23人がPCR検査を受けた。結果は29日午前までに判明する予定。

 一方、知事は親族の感染判明後も午後7時40分ごろから55分間、議場で最後の質問者の答弁に臨んだ。糸数部長はこの対応に関し、知事が濃厚接触に当たるか判断する材料がなかったと説明した。これに対し、島袋大氏(沖縄・自民)は28日の議会運営委員会で「質問に入る前に対応策を考えられた。危機管理能力の崩壊だ」と批判した。

 県議会は、知事の出席に合わせ常任委員会を前倒し、残り3日間の一般質問を7月8、11、12日に延期することを決めた。議会事務局によると県議会として初めての対応で、会期も3日間延ばした。(政経部・大野亨恭)

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