アフガニスタンで拉致されていた韓国人らが無事解放された。
結果的に2人が殺害され、多額の身代金との引き換えの末の解放
であった。タリバン側の本来の目的であった仲間の釈放は不可能
だと判断したタリバンは釈放条件を身代金に変えたことで面子を
立てたようだ。(本来、金銭での解決は盗賊同様になり、原理主義
を支持する人々にも否定され、面子は保てない行為なのであるが…。)
イスラムの世界では、この面子というものを非常に重んじる傾向にある。
いわゆる相手の顔を立ててやることが、交渉ごと、争いごとをまるく
収めるのに必要となる。その代わり、例えば喧嘩をしても、終わった後は
握手をして仲良くさよならをする。実にあっさりしているのである。
いつまでも尾を引く日本人の喧嘩とは対照的である。
9,11以後、イスラムの人々は大きな誤解を受けているような気がする。
一部の原理主義者たちと混同され、ひとくくりに見られているようだ。
しかし、本来は温和で人なつっこく、大変親切な人々である。宗教に
根ざした生活をしている為、我々日本人からすると理解しがたく見える
部分もあるが、見方を変えると大多数が非宗教的な生活を送る日本人の
方が理解しがたいとも言える。
結婚式を教会で行い、葬式は寺で行う。これなどはおそらく「頭のおかしな
ヤツ」としか映らないであろう。到底理解されるものではない。
確かにダリバンは超保守的であり、原理主義ともいえる集団である。今回の
事件も決して正当化できるものではない。しかし、現実にアメリカ軍ですら
あの地でタリバンを壊滅することは不可能なのである。不可能なのだから、
別の手段を取らなければ、何年経っても状況は変わらないではないか?
ならば、かつてのネパールやエルサルバトルのように反政府勢力を
合法政党化してはどうなのだろうか?
ひとまず、ビンラディンは棚の上に置いておいて、思い切って
タリバンをアフガン政府の合法なひとつの政党として参加させるのである。
このままではタリバンは面子にかけて、完全降伏は絶対にしないであろう。
ならば、政党化という面子を立ててやることで反政府活動を辞めさせる
可能性があるのではなかろうか…。と思うのである。
(しかしこうなるとアメリカの面子が立たないのだが…)
やはり難しいものである…。
