ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

独立宣言

2008-06-22 18:16:41 | 時事(海外)
英国最北端に位置するシェトランド諸島にある西方沖の孤島、
フォービック島に住む男性が、昨日、英国からの独立を宣言した。

独立宣言を行ったのは、フォービック島で唯一人の住民、
スチュアート・ヒルさん65歳。

英国も欧州連合(EU)も認めていないヒルさんは、面積約1万平方
メートルの荒地だらけのフォービック島はチャネル諸島と同様、
英王室保護領として扱われるべきだと主張している。

つまり、英国に属せずに独自に内政を行う租税回避地として扱われる
べきだということだそうで、すでにヒルさんは、独自の通貨「フォービック
ギルダー」や切手、国旗の構想にも着手しているという。
単なる思いつきのような気もするが…
 
もし、自分の「独立宣言」が認められれば、シェトランド諸島の
約2万2000人の他の住民たちにも独立意識が芽生え、近海の石油や
ガス資源からの利益を得られるようになるかもしれないと、ヒルさんは語る。

元々、シェトランド諸島は、バイキングの伝統文化への親近感が強く、
歴史的にも英本土よりノルウェーなど北欧との繋がりが強い場所だそうである。

時々、欧米人の中には、このように一方的に空いている領土を勝手に
自分のものとして独立宣言を行う人がいる。その昔、やはり英国領土内
の海域で、第二次世界大戦中にイギリス軍が作った人工島の海上要塞を
利用して、元英軍少尉が「シーランド公国」なる国を立ち上げ、独立を
宣言している。また、シーランド公国では切手(なぜかベルギー宛の
郵便だけには使えるらしい)やコイン(米ドルと等価のシーランド・ドル)
を発行したほか、これまでに106人に市民権を与えてパスポートを
販売したそうである。ちなみに「シーランド公国」は現在でも存続している。
どこの国の承認も受けられていないが…

また、アメリカ人が南太平洋のトンガ沖の岩礁を利用して作ろうとした
「ミネルバ共和国」、イタリア人がイタリア領海内に人工島を建設して、
独立宣言をした「ローズ島共和国」など、その他にも4~5件の作り損ねた
国の例が報告されている。

我々日本人からみると、このような突飛に見えてしまう個人的見解による
勝手な独立宣言だが、欧米ではそうではないのかもしれない。
というのも、欧米諸国の中にはひとつの国の中にも、独自の権限を
持つ地方自治政府があったり、管轄が国の中央政府ではなく、王室
保護領であったりと、多種多様な形態を成しているため、人々の国
という概念自体が、我々日本人とは基本的に異なっていると思われる
からである。

今回の件で言えば、シェトランド諸島の北西の方角にフェロー諸島という
諸島がある。そちらはデンマーク領でありながら自治政府を持ついわば独自の国。
どうやらフォービック島だけでなく、うまくいけばシェトランド諸島もそれを
目指そう、というのが、この英国嫌いのヒルさんの狙いのようである。

しかし、島の住民がひとりもおらず、ヒルさんひとりだけというのが、
何とも寂しいことである。独立を宣言する前にせめて、島への移民を
募集するのが先ではないのか?

おそらく、究極のアウトドア好きか逃亡者しか来ないだろうが…。

今は、無職の自給自足生活かもしれないが、将来的にうまくいけば、
一国の王様か大統領である。

ヒルさんにはめげずに、ぜひがんばっていただきたい。




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