今回は、商法でいきましょう。昨年のように思わぬものがでたりすることから、交互計算を当てましょう。
この交互計算は、「商人間」か「商人と商人でない者の間」で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる契約です。
当事者が相殺をすべき期間を定めなかったときは、その期間は、6箇月となります。
当事者は、債権及び債務の各項目を記載した計算書の承認をしたときは、当該各項目について異議を述べることができない。ただし、当該計算書の記載に錯誤又は脱漏があったときは、この限りでない。
相殺によって生じた残額については、債権者は、計算の閉鎖の日以後の法定利息を請求することができます。
各当事者は、いつでも交互計算の解除をすることができる。この場合において、交互計算の解除をしたときは、直ちに、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。
というのが、商法の主な条文です。
交互計算の効力として、交互計算不可分の原則がある。
交互計算期間中は、交互計算に組み入れられた債権債務は、それぞれ独立性を失い、期間満了時に一括相殺されるまで停止状態になる。
したがって、当事者は、個々の債権の行使・譲渡、質入れなどはできなくなるんだ。
一つの不可分債権債務となるという感じでしょうか。
この交互計算不可分の原則が第三者にも及ぶかについて争いがあるのですが、この点について、出題されるかもしれません。
出題されても、交互計算の知識を問うものではないと思いますので、他の国家試験で出された問題で良問がありますので、これが解ければ大丈夫でしょう。
問題:交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないことは、第三者が交互計算契約の成立を知っていたかどうかにかかわらず、第三者に対抗することができるとの見解がある。
次のアからオまでの各記述のうち、この見解の論拠又はそれと親和性を有するものそうでないものをいいなさい。
ア.交互計算は、第三者に対する公示手段を有しない。
答え:有しない
当事者の契約ですから、公示(不動産のような登記)手段はありません。当事者を拘束するだけという考え方にアは親和性を持ちます。
イ.当事者の意思に基づいて差押禁止財産を作ることは、許容すべきではない。
答え:有しない
この見解と異なることが分かりますね。アと同じ考え方の方です。
ウ.交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないのは、その債権が交互計算の下における取引により生じたことの当然の結果である。
答え:有する
これ判例の結論です。アイと違う考え方ですね。
エ.交互計算に組み入れた債権については、当事者間に譲渡禁止の特約があると考えられる。
答え:有しない
交互計算に組み入れた債権の処分禁止は、当事者間の譲渡禁止特約であるとしているということは、善意、悪意で変わってくるはず。
オ.第三者の保護は、債権者代位権に基づいて交互計算契約を解除する方法によって図ることができる。
答え:有する
この方法で保護がはかれるから、上記見解をとっても問題ないとしているのです。
以上、どうですか。
この程度の知識で、試験にのぞんでくださいね。
では、また。
※行政書士の予想問題は上記の本「らくがく(楽学)行政書士 直前模試」で解いてみよう。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村


この交互計算は、「商人間」か「商人と商人でない者の間」で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる契約です。
当事者が相殺をすべき期間を定めなかったときは、その期間は、6箇月となります。
当事者は、債権及び債務の各項目を記載した計算書の承認をしたときは、当該各項目について異議を述べることができない。ただし、当該計算書の記載に錯誤又は脱漏があったときは、この限りでない。
相殺によって生じた残額については、債権者は、計算の閉鎖の日以後の法定利息を請求することができます。
各当事者は、いつでも交互計算の解除をすることができる。この場合において、交互計算の解除をしたときは、直ちに、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。
というのが、商法の主な条文です。
交互計算の効力として、交互計算不可分の原則がある。
交互計算期間中は、交互計算に組み入れられた債権債務は、それぞれ独立性を失い、期間満了時に一括相殺されるまで停止状態になる。
したがって、当事者は、個々の債権の行使・譲渡、質入れなどはできなくなるんだ。
一つの不可分債権債務となるという感じでしょうか。
この交互計算不可分の原則が第三者にも及ぶかについて争いがあるのですが、この点について、出題されるかもしれません。
出題されても、交互計算の知識を問うものではないと思いますので、他の国家試験で出された問題で良問がありますので、これが解ければ大丈夫でしょう。
問題:交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないことは、第三者が交互計算契約の成立を知っていたかどうかにかかわらず、第三者に対抗することができるとの見解がある。
次のアからオまでの各記述のうち、この見解の論拠又はそれと親和性を有するものそうでないものをいいなさい。
ア.交互計算は、第三者に対する公示手段を有しない。
答え:有しない
当事者の契約ですから、公示(不動産のような登記)手段はありません。当事者を拘束するだけという考え方にアは親和性を持ちます。
イ.当事者の意思に基づいて差押禁止財産を作ることは、許容すべきではない。
答え:有しない
この見解と異なることが分かりますね。アと同じ考え方の方です。
ウ.交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないのは、その債権が交互計算の下における取引により生じたことの当然の結果である。
答え:有する
これ判例の結論です。アイと違う考え方ですね。
エ.交互計算に組み入れた債権については、当事者間に譲渡禁止の特約があると考えられる。
答え:有しない
交互計算に組み入れた債権の処分禁止は、当事者間の譲渡禁止特約であるとしているということは、善意、悪意で変わってくるはず。
オ.第三者の保護は、債権者代位権に基づいて交互計算契約を解除する方法によって図ることができる。
答え:有する
この方法で保護がはかれるから、上記見解をとっても問題ないとしているのです。
以上、どうですか。
この程度の知識で、試験にのぞんでくださいね。
では、また。
※行政書士の予想問題は上記の本「らくがく(楽学)行政書士 直前模試」で解いてみよう。




