まず知識として、覚えておいた方が良いのは、花押は×で、指印は○ということですね。
判例が、平成28年6月3日に、「花押を書くことは,印章による押印とは異なるから,民法968条1項の押印の要件を満たすものであると直ちにいうことはできない。」としました。
※968条は自筆証書遺言の規定で、「遺言の全文,日付及び氏名の自書のほかに,押印をも要する」としているものです。
この趣旨は,「遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに,重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにある」というものです。
そして、花押が印鑑と異なる理由は、「我が国において,印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い。」ということなのです。
それは、そうですね。花押というと、戦国武将らが使用していた手書きのサインですから、一般庶民には縁遠いからですね。
一方、指印は、逆の結論になっています。
平成元年2月16日の判例は、「自筆遺言証書における押印は、指印をもって足りる」としています。
※指印とは、拇指その他の指頭に墨、朱肉等をつけて押捺することです。
理由としては、「実印による押印が要件とされていない文書については、通常、文書作成者の指印があれば印章による押印があるのと同等の意義を認めている我が国の慣行ないし法意識に照らすと、文書の完成を担保する機能においても欠けるところがない」ということです。
要は、指で押すことは誰にもできることということですね。花押と違って・・。
ここまでは、覚えなくてもいいのですが、「遺言者の押印を欠ぐ自筆遺言証書が有効とされた事例 」もあるのです。昭和49年12月24日の判例です。
「英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合において、同人が遺言書作成の約1年9か月前に日本に帰化した白系ロシア人であり、約40年間日本に居住していたが、主としてロシア語又は英語を使用し、日本語はかたことを話すにすぎず、交際相手は少数の日本人を除いてヨーロッパ人に限られ、日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い、印章を使用するのは官庁に提出する書類等特に先方から押印を要求されるものに限られていた等の事情があるときは、右遺言書は有効と解すべきである。」としたのです。
これを覚えなければいけないと思わないでくださいね。
出るといいですね。
では、また。
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判例が、平成28年6月3日に、「花押を書くことは,印章による押印とは異なるから,民法968条1項の押印の要件を満たすものであると直ちにいうことはできない。」としました。
※968条は自筆証書遺言の規定で、「遺言の全文,日付及び氏名の自書のほかに,押印をも要する」としているものです。
この趣旨は,「遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに,重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにある」というものです。
そして、花押が印鑑と異なる理由は、「我が国において,印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い。」ということなのです。
それは、そうですね。花押というと、戦国武将らが使用していた手書きのサインですから、一般庶民には縁遠いからですね。
一方、指印は、逆の結論になっています。
平成元年2月16日の判例は、「自筆遺言証書における押印は、指印をもって足りる」としています。
※指印とは、拇指その他の指頭に墨、朱肉等をつけて押捺することです。
理由としては、「実印による押印が要件とされていない文書については、通常、文書作成者の指印があれば印章による押印があるのと同等の意義を認めている我が国の慣行ないし法意識に照らすと、文書の完成を担保する機能においても欠けるところがない」ということです。
要は、指で押すことは誰にもできることということですね。花押と違って・・。
ここまでは、覚えなくてもいいのですが、「遺言者の押印を欠ぐ自筆遺言証書が有効とされた事例 」もあるのです。昭和49年12月24日の判例です。
「英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合において、同人が遺言書作成の約1年9か月前に日本に帰化した白系ロシア人であり、約40年間日本に居住していたが、主としてロシア語又は英語を使用し、日本語はかたことを話すにすぎず、交際相手は少数の日本人を除いてヨーロッパ人に限られ、日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い、印章を使用するのは官庁に提出する書類等特に先方から押印を要求されるものに限られていた等の事情があるときは、右遺言書は有効と解すべきである。」としたのです。
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