ファーストデイだからって、イオンシネマで観ればいつでも1,100円。丁度時間の按配が良かったので引き続き映画館にこもる。いつものように宣伝が始まって5分ほど経ってから前列2列目の椅子に座ると、150座席位ある小屋なのにオジサンひとりぽっち。遅れてくる奴もいるからなと、中田秀夫の新作ホラーの予告編観ていたらチョッピリ怖くなったぞ。
原作者の重松清はじんわり泣かせる小説を沢山書いている。一時期ずっと追いかけていたから半分とまではいかないけど結構読んでいる。映像化されることもしばしばで、ストーリーテラーとしての才に富んだ小説家だ。
早くに母親を亡くし父親が幼子を抱えて奮闘するお話は、NHKとTBSでドラマ化された「とんび」の方が有名かもしれない。「とんび」は子供が男の子だったと思うので、男同士の葛藤みたなのも描かれていたように記憶している。
わたくしも女の子の父親だ。(と言っても、一昨年嫁に行ってしまったけど)
もし、物心つく前に母親を亡くした子を一人で育てるならどうしただろう。今ほど世の中が寛大ではなかったから色々な人に手伝ってもらうしかなかっただろうな。肉親はもとより、この映画に描かれたような保育園の保母さんや勤め先の上司・同僚なんかにも世話になりながら子育てしただろう。
子育ては一人じゃ出来ないんだと、つくづく思い感じる。人をそれこそ一人前にするには単なる時間の経過ではないことを再認識させられた。先日観た「マザー」の対極にあるようなお話に心和む。
小学校の卒業の日、親子二人で鉄橋を渡り登校する姿に胸が熱くなる。
子役とかで括れないほど最近の子は演技者だ。低学年を演じた白鳥玉季ちゃんは昨年ドラマ「凪のお暇」で注目された美少女だからその実力も知っていた。高学年を演じた田中里念ちゃんのことは初めて観たが、どことなく藤田ニコル似で将来が見通せない不可思議さがある。二人ともすくすく良い女優さんになって欲しいな。
この作品で一番泣かせてくれたのは國村隼。美味しいところもってった。
終わった後に振り返ったけど、やっぱりひとりぽっち。