歴史の教科書では、2、3行であっさりと終わってしまう安政の大獄から桜田門外の変ですが、上・下巻にわたって小説で読むとじっくりと体験ができました。
いかに安政の大獄が過酷なものであったか、桜田門外の変が歴史に与えた影響が大きかったか、実感として納得できます。
見せ場の桜田門外の変は、小説の半ばにあり、それ以降は、逃亡劇になります。
複雑な諸藩の事情により、味方する者が少なくなっていき実行者は追い詰められていきます。
欧米列強の圧力と、幕府、皇室、各藩の複雑な思惑の中で翻弄される人々を描きます。
何が正解かまったくわからない中で、自分の信じる道を駆け抜けていった時代です。
本筋とそれますが、欧米人が持ち込んだコレラの流行が大きく政治に影響している事実は、列強の先兵としての伝染病の脅威を感じさせました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます