冬が近づくと読みたくなる作家さんの一人です。
作者の私小説のような作品ですが、ネコの「トラ」を絡めているところがおもしろい。
うつ病に苦しみ、ちょっとしたきっかけで自殺してしまうのではないかと怯える日々。そこへ子猫のトラが迷い込んでくる。
そのトラといっしょにすごした15年間は、うつ病に苦しみながら、仕事、家族などと折り合いを付けながらふら付きながら生きて行くことになるのです。
トラは、最初こそヤンチャな元気猫だったが、前足をケガしてから、横着になりデブ猫になってしまいます。
それでも、家族の潤滑油として存在感があるのです。
子供たちは独立し、トラが死に妻と二人だけの生活になるところまで、描かれています。
トラの火葬シーンは、自分が持つ火葬の悪いイメージを払しょくされました。
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