ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

菅原潤『京都学派』講談社現代新書

2018年05月09日 00時14分47秒 | 
菅原潤『京都学派』(講談社現代新書、2018年)

京都学派に関する人と流れをたどっただけのようなものだった。

プロローグ なぜ今、京都学派なのか
1.それは東大から始まった
2.京都学派の成立 西田幾多郎と田辺元
3.京都学派の展開 京大四天王の活躍と三木清
4.戦後の京都学派と新京都学派
エピローグ 自文化礼賛を越えて
読書案内
あとがき

京大四天王ばかりが強調されているが、木村素衛は、一度も出てこない。
驚異深いのは、波多野精一についてである(pp.42~に少し書いてある)。そこでは、東大のエリートとしての波多野についてのべている。東大では、井上哲次郎の儒教を中心としたキリスト教ぎらいの哲学が主流。キリスト教関係を中心とする宗教哲学を研究する波多野やアメリカ経由元良勇次郎などがいたが、波多野は京大へ。しかし、日本哲学の自立的確立をめざすのが西田幾多郎、波多野は京大では非西田系の位置づけ。
糸賀一雄は、波多野の最後の弟子。木村とは在学中交わりはなしといわれている。しかし、衣笠第二小学校への代用教員としての赴任では、伊東茂光からの連絡があったとのこと。木村と伊東の関係からは、波多野から木村へ、糸賀のことが頼まれていたのではないか?その後、池田太郎との関係で、木村と糸賀は急速に親交を深めるのだが・・・。