ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

わかぎゑふ『大阪弁の秘密』『花咲くばか娘』集英社文庫

2010年02月28日 22時41分44秒 | 
大阪弁の研究で、わかぎゑふの本を読んでいる。わかぎゑふは、1959年大阪生まれ、劇団を主宰。役者、演出家、エッセイストとして活躍。中島らも等と一緒に活動していた時期もあり。

『大阪弁の秘密』は、良くできた本だ。なるほどと思うこと多し…!!
構成は次の通り。
第1章 恋をしましょう
第2章 ええ加減にしなさい!
第3章 なんぼのもんじゃい!?
第4章 しんどい日もあるで
第5章 あんただれ?
第6章 おはようさん
第7章 たのんませ、ほんまに!
第8章 玄人になる
第9章 大阪・大阪
第10章 食いだおれ
第11章 死語の世界
第13章 大阪人の好きな大阪弁

それぞれの章で、こまかく基本的用語が用例と共に検討されている。思わず笑うところもあり、また、いろいろ考えさせられるところもありで、勉強になった。

つっこみの一種で、「なんやそれ」というのがある。わかぎゑふの文章では、例えばということで、するどいつっこみ、どん臭いつっこみ、やる気のないつっこみを区分しつつ、次のようにいう。

グループ数人で待ち合わせをしていたとする。ひとりが遅れてきて「ごめん、えきでこけてん」といったら、鋭い人は「なんやそれ! ちゃんと前向いて歩かんかいな! そのうち交通事故で死ぬで、あんた!」とつっこむが、どん臭いつっこみは「なんやそれ、あほちゃーう」くらいである。やる気のない人なんて「なーんやそれって感じやな」というくらいだろうか。

この鋭いつっこみの場合も、①「なんやそれ」で、切り込み、②「ちゃんと前向いて歩かんかい」といって、ぐいと押し込んで、③「そのうち死ぬであんた」といって配慮をみせる、あるいはすこしぼけてゆるめるという3段階でこころに届かせていく。つっこみというのは、ほんとうに人間関係を一歩つっこむということである。そんな、日常生活の中にそんな関係が築かれているのである。

そんなこんなを考えさせられた。

甘えた男の体質についてもおもしろい(ほっといての項)。

大阪の男は喧嘩っぱやく、商売には抜け目がないくせに、甘えたが多い。すぐに金銭的に頼ってきたり、精神的に甘えてきたりする。甘えるのは男の役目とでもおもっているようだ」。大阪には、「なぁ、これしといて」という男と「しゃーないな」という女のカップルがなんと多いことか。女がみんなオカン体質というのもあるのかもしれない。

保育所の「気になる子」ももしかしたら、こんなだめ男かもしれない。大阪特別支援学校の寄宿舎は、やっぱり大文字のオカンやろ。

わかぎゑふ『花咲くばか娘』(集英社文庫)も読み終わる。大阪娘の発達過程の研究として、事例研究か? 『ぼんぼん』も大阪男の発達を考える事例研究として読めるかも・

この父ちゃんおもしろい。もう死にそうという時に、親族が集まって、みんなにむjかって小さな声で「ありがとう」といって…、ガクッとした。それを見ていた、息子が見破って、こんな時にそんなにせんでもとつっこんだという。

「とおちゃん、最後までみせてくれるよな」「まあ、たのしまんとなあ」というのが最後の会話だったとのこと…。なんちゅうやっちゃ!

構成は次の通り
はじめのご挨拶
第1章 ばか娘誕生
 奇跡の出生/自我の目覚め/父との交流/犬たち/相性の問題/愛欲の日々!?/花園の騎士団/来るべき時/ビックイベント/
第2章 語るばか娘
 お教えしましょう、人生のコツを!/結婚という制度について考え込む/偏見は母親がつくる/歴史的崩壊の謎/許される嘘の付き方/人生の必須科目/モテる女にになる方法/ツボにはまる日/記念写真家とそのモデル/女らしさの分かれ道/引っ越しにはドラマがあるのだ
第3章 ばか展開する人生
 わが家の家宝/人生が分かる行い/ダサかった頃/変容する女たち/展開の妙?/困った贈り物/結婚式の意義/戦争と平和
第4章 ばか仲間
 「え?」の達人/新しい商法/もうひとりの夫/めまぐるしい日/猫屋敷騒動/食寄せの術?/女の一念/夜起きる悲劇/ばか可愛い娘たち/若さゆえ?
あとがき みんな花咲け!

宮部みゆきの『楽園』を買ったが…

2010年02月27日 23時24分28秒 | 
京大会館である会議に行く途中、丹波橋でそばでも食べようと思ったが…こまかいお金がない。
本屋に行って、宮部みゆき『楽園』を買って、細かくした。文庫本で、K先生が「模倣犯の続編、読んだ?」といっていたので、買ったのだった。
京阪の中で少し読んだ。

帰ってから、よくよく思い起こしてみると、この本はハードカバーで出された時に購入して、読んでいた。もうすっかり忘れていた。

ボケのはじまりか?

大阪弁修行

2010年02月25日 00時30分41秒 | その他
全国大阪弁普及協会のホームページがあった。
そこに、大阪人気質のチェック、ボケツッコミ適性診断、大阪弁検定などがある。大阪人なりきり度チェックをやってみたら、25%しかなかった。まだ、勉強が足りんな。

「権威や権力にも負けぬ」の項目に次のようなものも含まれていた…
「もともと自治都市であった大阪では、警察官が駐車違反を取り締まろうものなら「うちだけとちゃうがな」と抗議するのが当たり前」

3分車をおいただけで駐禁はられてへこんでいるのは、「あかんたれやな」

なんでだよ!

2010年02月22日 23時33分50秒 | その他
関東の姪の子ども(男の子)が「なんでだよ!」と…。
不思議なものをみたような気がするとそれを聞いた関西娘が言っていた。
「なんでやねん」である。関東にもつっこみがあった!

京都の幼稚園では、「あかんで!」はだめで、「あかんえ」はよいということらしい。新採研修で、「きれいな言葉をつかいましょう」といわれ、大阪弁をつかっていると園長に呼ばれると聞いた-「なんでだよ!」

やっぱ東京はちゃうなぁ-東京・恵比寿にて

2010年02月20日 20時46分03秒 | その他
結婚式で、東京にいった。

東京恵比寿で、少し時間があったのでスタバにはいった。

前に、二人のカップルがいて、そのうちの男の方が、突然、指輪のケースを出しよって、女の子が、エーとかいって、「そんなと」いっている。
男は、なにやら、いっしょうけんめい東京弁でいっている。「でさ、●●ちゃんのことが…」とか、顔は引きつっているんやけど、それでも男のメンツでおちつきを演じている。「だから、○○なのさ」といいながら、肩に手をおいたりしている。
「これは俺の気持ちさ」などともいっているようや。いけすかん、なんちゅうやつや、このガキ。

女の子は、顔に手をやって、ぐすぐすはなをすすりながら、ちょっと感動て感じで、泣きながら笑っている。

こんなところで、無粋やな。もっとシチュエーション考えーや。
大阪やったらちゃうやろな、こんなん大騒ぎや。
女の子やったら、「えー」と大声出して、「なんやて、なんで、いつこんなんかってん」。挙げ句の果てには「なんぼしたん」となるところ。

男かて、「おまえ、ぶさいくやさかい、ちったあ、きれいになるかとおもってな」と言い放つくらいやなきゃあかん。

やっぱ、東京はちゃうなぁ。



根來秀樹『お母さんのための児童精神医学-子どもの心の脳科学』日本評論社

2010年02月19日 08時27分55秒 | 
同僚の根來秀樹さんからいただいた著書をようやく読みおわった。「心の科学」に「フロントライン」として書かれたものを、「お母さんのための」という修飾語を添えてまとめなおしたものである。「脳科学」を中心に生物学的な側面を基礎にしつつ、臨床の場面でであった子どもたちの姿を示している。
一つのテーマで先端的な論文を生産する人も大切だが、それをまとめて全体像を示す仕事をしている人は尊敬する。広く、その分野の成果を吸収していないといけないからだ。その意味で、聞く耳や見る目をもっていないといけない。

内容は次の通り

1 発達障害はここまでわかった
1章 アスペルガー障害の臨床
2章 アスペルガー障害の脳科学
3章 ADHDの脳科学と臨床
4章 大人のADHDとADHDのようにみえる子どもたち
5章 学習障害の脳科学
6章 発達障害がある子の性の問題

2 児童精神医学はここまでわかった
7章 強迫性障害を科学する
8章 チックを科学する
9章 排泄の問題を科学する――遺尿・夜尿・遺糞など
10章 PTSDを科学する
11章 「キレる」を科学する

3 児童精神科の現場から
12章 子どもの気分障害を考える――子どものうつ病・躁うつ病
13章 不登校・ひきこもりを考える
14章 アメリカに住むお母さんの子育て相談
15章 子どもの薬物療法

以前は、事象関連電位をやっていたようだが、最近は、NIRSをつかってヘモグロビン値の測定から脳の血流を測定する研究をしている。うちのセンターにも簡易計測できるNIRSが導入された。そのデモの時に、疲れていたので、ちょうどいいから見てもらおうと、額の上に、測定のバンドのようなものをつけてもらった。そのときの脳の動きが気になったので、N先生に、尋ねた。

T「ニルスで頭は動いていましたか?」
N「動いていませんでした」
T「えっ!」
N「動いていませんでしたよ」
T「僕の頭は働いていなかったですか?」
N「頭の中は働いていたようです」
T「よかった」

脳科学者には、「頭が動いていたか」ではなく「脳が活動していたか」といわないといけない。

話を聞くと、ごっつい関西弁で、声も大きくて、面白い。
遺糞症のアスペルガー障害の子どもの診断と治療のところに、「関西圏から出たことがないのに標準語でずっとはなしていた」とある。ごっつい関西弁の医者とごっつい標準語の子どもはどのような会話をしたのか、想像してしまう。

関西弁は下品か?

2010年02月13日 12時43分18秒 | その他
元保育士さんに乗せてもらって、帰る途中、親御さんの話になった。

「昔勤めていた保育所で、どっかの大学の先生が子どもを入園させたんですが、その親御さん関西弁は下品なので、関西弁を使わせないで…という思いだったようなの。ところが、朱に交わればで、子どもはどんどん関西弁になっていくし…。日々悶々としていたようで…。上の子はしかたがない、あきらめたみたい。でも、ゼロ歳の下の子に期待をかけたようで、その連絡帳に上の子どもが関西弁になっていくことの嘆きを何ページも書いてくるんです…」

関西弁でも、京都弁は上品やし…。

児童文学作家・川村たかしさん

2010年02月01日 12時22分27秒 | 
川村たかし(1931年生)が、1月30日になくなった。

奈良県五條市出身の児童文学作家。奈良学芸大学(現・奈良教育大学)卒業後、花岡大学に師事。「近畿文化」に寄稿したの機に創作活動に専念。
『山にいく牛』で国際アンデルセン優良作品賞受賞し、『新十津川物語』(全10巻)で路傍の石文学賞受賞し、その後日本放送協会 NHKによりテレビドラマ化(主演・斉藤由貴)された。創作長編・短編・ノンフィクション・評論など著書多数。
五條市の小・中学校・高校教諭を経て、奈良教育大学・梅花女子大学で長く教鞭をとった。
日本児童文芸家協会会長・日本文芸家協会会員・日本ペンクラブ会員。