ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

出久根達郎『逢わばや 見ばや』(講談社、1997年)

2016年01月25日 22時05分22秒 | 
昨日まで、集中講義。昨日は「茗荷村見聞記」等をみつつ、甲西町図書館であった、田村一二と茗荷村展に、みんなでいく。
昨日から今日へと、1日を経たのだが、何のことはないとはいえ、もう子どもに戻って行く還暦。
朝、臨床発達心理士会の仕事。昼休み、よびだされ誕生会(感謝)、その後、NDFの役員会、インクルーシブの検討会、夕方から相談。

出久根達郎『逢わばや 見ばや』(講談社、1997年)を読み終わる。
出久根が、15歳の古本屋への丁稚奉公の時代のことを回想した自伝。長編自伝小説と帯にあるが、短編の重ね合わせで、エピソードが記されている。
その後、高円寺に開業するところは、続編となる。

出久根達郎『佃島ふたり書房』講談社文庫

2016年01月13日 22時17分36秒 | 
出久根達郎『佃島ふたり書房』講談社文庫を読む。
大逆事件から戦後の高度成長期に入るところまでの、佃島の古本屋をめぐる物語。
主人公は、古書店の小僧からをつとめる友人を持った。古本屋修行の身を回想しつつ、その時代と戦後の生活と交差させて物語は展開してゆく。
管野スガとの関わりで、国禁の書を集め始める。古本屋業界では「スイチャブ」という社会主義文献もの。佃島のふたり書房の家主とその娘。
満鉄での本の収集のため満州に渡る。戦後復興とふたり書房での仕事・・・・。
古本屋をめぐる人間模様、まだ文章がこなれていないような気がする。それとも、読者をかく乱するような書き方をあえてしているのか?
108回直木賞受賞作。
しかし、のちに文庫本になったときの「あとがき」は秀逸。この物語を書こうとした自身の物語とエピソードがかたられている。

淀屋橋大阪中央公会堂大集会室にて「合理的配慮セミナー」に1日参加。

出久根達郎『古本夜話』(ちくま文庫、2003年)

2016年01月11日 00時37分50秒 | 
古本につかれている。
饅頭本につづいて、出久根達郎『古本夜話』をよんだ。オリジナルアンソロジーとある。
短い文章のなかに、とんでもない本と人間の奥深い世界が切り取られている。
「探求署承り候。必ず納品仕り候」とのはりがみから作り出される人間模様の「店主啓白」、「面白い本」あった会の不思議の怖い話などは、どこまで本当の話なのか、古本屋をやっていた筆者の想像なのか、しかし、それに類似したエピソードも合ったのだろうと思うとまたおもしろい!

学生時代に集めた古本にもどって、歴史の検討の仕事をしないといけない。
あのころ、まわった古本屋、古本市で見つけた本、学園の書庫の情景が、サーッと浮かんでは消えていく。もう、40年ちかく前のことである。

古本のほこり
店主啓白
金次郎の愛読書
紙魚風発
古本往来
古本屋過去帳

渥美清『きょうも涙の日が落ちる』(展望社、2003年)

2016年01月02日 13時49分25秒 | 
今年は、年男、還暦である。とはいえ、「厄年」とのこと。
正月早々、昨年末の腰痛は続いている。年末から、かるくよんでいる、渥美清『きょうも涙の日が落ちる』(展望社、2003年)を読み終わる。

渥美清のエッセイと対談をまとめたもの。
吉行淳之介との対談では、肺結核の療養のことが語られる。独身時代のもの
飯沢匡との対談の最後では、結婚が遅れた理由が語られる。療養時代の人間観察。
飯沢 浮気はしないのかな?
渥美 へへえ、そんなのありませんよ。まじめなんです。とにかく二十五から病気で寝ている間に、いろんな人を見ました。新しく患者が入院するでしょ。女の人がついてくる。見ていて、ああ、この女は間もなく来なくなるとか、あの人はいつまでも変わらずにくるな、という見極めがつくんですね。その人がやっていることを見てると。
飯沢 カンでわかるわけだ。
渥美 理屈じゃ無く、動物的なカンみたいなもんです。思ったとおり、プツッと来なくなる女がいる。そうなると男は、夜中にいきなりパーッと起き上がって、アーアなんて言うんです。殺気のようなものを感じますよ。おれは独身でよかったなって、そのときしじみじ思いました。病気の間に女というものを見た。人生を見たっている気がしました。

チャップリンを語ったところ。
「街の灯」は山本周五郎の「むかしも今も」に似ていますね。「むかしも今も」は、おまきという小さいころから育てたお嬢さんが、目が地震でつぶれちゃうんですよね。それで男は逃げちゃう。最後に直吉というのが。、子供のころ、おしっこさせたりなにかして遊ばせた空き地の草っ原で、またその盲しいたおまきさんをずーっと抱いて、おそらくいっしょになるんだとうというとこで終わっているんだけれどもね。

今年は、軽く読んだ本は、とっておかないこととしたいのだが…。