11月4日から5日まで、沖縄で障害児の生活教育全国研究集会があった。
全体集会の開会の挨拶をした。基調報告は、山崎さん(和歌山大学)、特別報告は島尻さん(島尻養護学校)、記念講演は大泉さん(日本福祉大学)。2日目が分科会と閉会全体会。閉会全体会では、嶋村さん(八幡養護学校)が挨拶。
全体を通して、160名強の参加者でした。
沖縄は、4日が
、5日は
。
第25回障害児の生活教育全国研究集会in沖縄 開会挨拶
第25回障害児の生活教育全国研究集会を開会するにあたって、寄宿舎教育研究会常任委員会を代表しまして一言ご挨拶させていただきます。まず、この集会を準備していただいた現地沖縄のみなさんに感謝申し上げるとともに、交流と討議を深めようと、全国からお忙しい中、南国の地にお集まりいただいた参加者の皆さんにお礼申し上げます。
さて、昨年、寄宿舎教育研究会は、創立25周年の研究集会を大阪で行いました。また、昨年度の末には滋賀で春の総括合宿研究集会を開催し、そこで正式に研究会の事務局の体制を新たなものとしてきました。25周年を経て、新たな研究会としての第一歩を踏み出しているところです。その新たな第一歩の研究集会がこの集会ということです。この後の基調報告や特別報告でも述べられると思いますが、今回の沖縄での研究集会は、2度目ということです。前回は、1988年の第8回全国研究集会だったということです。個人的なことを述べさせていただければ、この年、私は今の職場・奈良教育大学に赴任した年で、バブル景気の泡が急速に大きくなっていった時期として思い出に残っています。
今日、構造改革の中で景気は順調に回復しているといわれていますが、それは一部の人たちや大企業のことだけのようです。高齢者の介護や障害者の生活は、介護保険の改悪でベッドの取り上げやホームヘルパーの介護の引き上げといった事態の中で、社会的介護の必要がいわれて登場した介護がまた個人に帰せられています。障害者や障害のある子どもたちの生活もまた、自立を掲げながら、自立を支援しないという自立支援法の下で、サービスに対して応益負担が課せられ、障害があることが心苦しいとさえ思わされる事態となっています。障害児の教育をめぐっても、特別支援教育への転換がいわれながらも、その財政的な基盤は脆弱といわざるを得ませんし、特別支援教育の土台となっている教育そのものにおいても、今日、いじめ自殺の連鎖、進学競争の激化の中で共通教養がないがしろにされる事態が進行しており、子どもたちのあたりまえの生活と教育がないがしろにされているばかりか、見通しや展望、生きる力といったものが衰退しているとさえいえる事態になっているといえます。
憲法は健康で文化的な最低限度の生活を行う権利を規定しており、国の責任として社会保障・社会福祉の増進をする必要を説いています、しかし、障害や困難を持った人たちの生活へ寄り添ってみると、現実は、逆に、たとえば、防衛庁の防衛省への昇格の議論が国会でなされ、平和・民主主義の主体としての人格を形成する教育基本法の改悪法案が上程されるなど、軍事大国化路線への経済的投資がなされようとしています。子どもたちの現実に触れればふれるほど、今日の社会を考えざるを得ないものとなっています。
私たちは、春の合宿の際に「希望」ということを学び合いましたが、この研究集会においてもそれを引き継いでいきたいものであると思っています。その希望への想像力を喪失している時代でもあるのではないかと危惧の念を禁じ得ないからです。この生活教育全国研究集会で、私たちと子どもたちの現在(いま)を、これまでの歴史を検証しながら考え合い、また、議論しあって未来を展望しあおうではありませんか。
この2日間が、次の四半世紀の第一歩となる充実したものにするようお互い力を合わせようではありませんか。
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この日、午後からK教育大学で概論と特別専攻科の講義