国立大学(正確には、国立大学法人の大学)から、私立大学に移るとカルチャーショックが・・・。まあ、ソンなこともあり、この頃、大学や高等教育の成り立ちや慣行を考えることが多い。当座、「女子」大学の成立が問題意識(「女子」とはなにか?なで、「女子大学」なのか?)。そんなこともあり、ついつい、図書館で手に取ってしまった本が今野浩『工学部ヒラノ教授』である。
工学部、エンジニアなので、感覚がちょっとちがうのだが、異文化なのが面白いとおもうことと、前によんだ森博嗣の思考方法の不思議がちょっとわかったような気がした。以下のもの。
工学部の教え
「決められた時間に遅れないこと(納期を守ること)/一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力あすること/専門以外のことには、軽々に口出ししないこと/仲間から頼まれたことは、断らないこと/他人の話しは最後まで聞くこと/学生や仲間をけなさないこと/拙速を旨とすべきこと
東大の工学部長の武藤清の訓示・・・「工学部に良く来てくれた。今日から諸君は僕らの仲間だ。これから訓辞を述べるから、良く聞くように。エンジニアは時間に遅れないこと、以上」
森口繁一学科主任などの組t業訓示・・・「おめでとう。諸君にはなむけの言葉を贈ろう。納期を守ること。これさえ守っていれば、エンジニアはなんとかなるものだ」(「とりあえず出来た分を提出して、率直にわびる」「100%完璧を期すと100時間かかるが、98%なら50時間ですむような場合には、まず98%をめざし、余った時間で残り2%に取り組むことだ」
要するに、時間の問題なのだ(著者の専門は、もともと、応用物理学で、オペレーションリサーチ、金融工学などでの社会工学。意思決定の数理科学ということかな)。。