ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台』メディアワークス文庫、2017年

2019年08月27日 21時49分05秒 | 

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台』を、山形出張の途上の新幹線の中で、読み終わった。シェークスピアの古書をめぐる因縁の最終回。

プロローグ/第一章 「歓び以外の思いは」/第二章 「わたしはわたしではない」/第三章 「覚悟がすべて」/エピローグ

章のタイトルは、シェークスピアの作品の中に出てくる、「ことば」からとられている。その中に、自分の性的指向の自覚についてのエピソードも入っている(181頁前後)。

最終巻なのだが、スピンオフなどもあるようだ。そこまで読むか思案中。梶山季之『せどり男爵奇譚』や芦辺拓『奇譚を売る店』をよんでみようか・・・


川上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 〜栞子さんと巡るさだめ〜』メディアワークス文庫、2014年

2019年08月23日 08時22分07秒 | 

T先生の古本処分で手に取ったこのシリーズ(不注意にも他のものにまぎれて紛失してしまったものは買い足したのだが)、とうのT先生の持っていたものの最後の巻。これで終わりとおもって、読んでいた。太宰の本をめぐる因縁の巻。

プロローグ/第一章 『走れメロス』/第二章 『駆け込み訴へ』/第三章 『晩年』/エピローグ

これでおわりとおもって、夜中の1時頃まで読んだが、あとがきで、あと2巻くらいで終わると書いてあって、まだ続くのかと。。。ネットで調べると、8巻まででているようだ。あと2冊。概要は、ウィキにある。


伊勢真一監督『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋』

2019年08月22日 14時26分14秒 | 映画

京都シネマで『えんとこの歌』をみた。17日には、伊勢監督の舞台挨拶があったが、それには先約がありいけなかった。おくればせながら観た。NHKでも伊勢監督のもとでつくられたドキュメンタリーが放送されていたので、その際、『苦海いかでか渡らん』という、遠藤さんの教師時代の記録を読んでみていた。また、光明関係の映像の作業をしていたこともあり、遠藤さんの指導教員をしていたひとのコメントも間接的にいただいた。

教師だったころはやはり、精神的にも張っていたのではないかとおもう。「ねたきり」を選択してよかった、他者にゆだねることを己に課すのはなかなかむつかしいことではなかろうかとおもうが、その決意が分岐点になるのかもしれない。

 

 


ひきつづき、川上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんとつながりの時』メディアワークス文庫、2014年

2019年08月19日 23時06分31秒 | 

ひきつづき、川上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』をよんだ。再び、短編を3つ組み合わせて、しかし、連動させている。他のものと違うのは、それぞれの章に断章をいれて、別の人の視点で書かれたおのが添えられていること。

プロローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』/第一話 『彷書月刊』/断章Ⅰ 小山清『落穂拾い・聖アンデルセン』/第二話 手塚治虫『ブラック・ジャック』/断章Ⅱ 小沼丹『黒いハンカチ』/第三話 寺山修司『われに五月を』/断章Ⅲ 木津豊太郎『詩集 普通の鶏』/エピローグ リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』

ブラックジャックの章に、ロボトミー手術についてのエピソードの紹介あり(128頁)


三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』メディアワークス文庫、2013年

2019年08月15日 13時34分52秒 | 

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』 シリーズもの。今回の巻は、三章構成で同じだが、これまでは章ごとに相対的に独立していたのがが、今回は全体を通してミステリーになっている。江戸川乱歩とその作品が遡上にのぼる。栞子さんの母親(篠川智恵子)が登場。この作家 うまいなあ!

プロローグ/『孤島の鬼』/『少年探偵団』/『押絵と旅する男』/エピローグ

喉頭ガンかなにかでのどの手術をして声が出ない車いすの「女主人」(58)、点字のトリック(乱歩の「二銭銅貨」から、254など)


三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと消えない絆』メディアワークス文庫、2012年

2019年08月11日 10時26分22秒 | 

引き続き、古書堂の事件手帖その3

プロローグ『王さまのみみはロバのみみ』/ロバート・F・ヤング『タンポポ娘』/『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなもの』(ウスペンスキー『チェブラーシュカとなかまたち』)/宮沢賢治『春と修羅』/エピローグ『王さまのみみはロバのみみ』


三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2 栞子さんの謎めく日常』2011年

2019年08月10日 00時25分37秒 | 

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖2』を読む。

プロローグ坂口三千代『クラクラ日記』/アントニィ・バージェス『時計じかけのオレンジ』/福田定一『提言随筆 サラリーマン』/足塚不二男『UTOPIA 最後の世界大戦』/エピローグ坂口三千代『クラクラ日記』

なかなかよく出来ている、面白いし、軽く読める、ただ難点は、面白いという感覚だけがのこって、後は忘れてしまうこと。まるで、探偵ナイトスクープのようだ!


三上延『ビブリア古書堂の事件手帳 栞子さんと奇妙な客人たち』メディアワークス文庫、2011年

2019年08月06日 23時33分34秒 | 

ヒロシマに原爆が落とされた日から、74年目。NHKスペシャルで「届け「ヒロシマの声」 遺品と写真が語る物語」をやっていた。亀井文夫監督「Voice of HIROSHIMA」を思い起こした。ヒロシマについては書かなければならないことがある。大野松雄さんのヒロシマでの記憶である。このことは、74年目のこの日に、ここに記しておきたい。

それと重なっているのか判らないが、古書や古書店についての思いが強い。出久根達郎の本、古書店での日記奇譚などなどこれまでも読んできたが、ライトノベル三上延『ビブリア古書堂の事件手帳』をひょんな関係で入手した。ある野生動物学者が古本を処分するというので、奈良の吉野で古本を収集して私設ライブラリーをしようとしている方にもっていってくれという依頼だった。そうも出来ない事情があったが、本を預かったなかに、この本があったのだった。このシリーズ文庫本が5冊くらいそろっていると思われたが、確かめている暇もないので、3冊くらいを取り出していた。幸い、シリーズの最初の本があったので、それを読み始めたのだった。夏目漱石、小山清、論理学入門(青木文庫!)、太宰などの古本をめぐる物語だった。面白かった。確か、これは、以前、テレビドラマでやっていたような。大金持ちの恋人で、プライベーツジェットで海外に行く女優が栞子さんを演じていた。

しかし、その読みかけの本がなくなってしまった(これはよくあること)。いろいろ探してみたが、ない。結局、ブックオフにいって、購入した。ブックオフでうるときは、5円くらいである。購入は100円だった。

というわけで、そのシリーズ第一作を読み終えた。そのなかで、主人公の一人栞子さんは怪我をして入院しているのだが、「わたしの怪我は骨折だけではありません・・・腰椎の神経も傷ついてしまったんです。・・・ひょっとすると一生不自由なままかもしれません」というセリフがある。その怪我はなおるのか、車いす生活になるのか・・・ちょっと古書以外にも興味がそそられる。それで、またつぎの本を読みたいと思った。

このような本に関する語りをしてみたい。


今野浩『工学部ヒラノ教授』新潮社、2011年

2019年08月06日 00時17分28秒 | 

国立大学(正確には、国立大学法人の大学)から、私立大学に移るとカルチャーショックが・・・。まあ、ソンなこともあり、この頃、大学や高等教育の成り立ちや慣行を考えることが多い。当座、「女子」大学の成立が問題意識(「女子」とはなにか?なで、「女子大学」なのか?)。そんなこともあり、ついつい、図書館で手に取ってしまった本が今野浩『工学部ヒラノ教授』である。

工学部、エンジニアなので、感覚がちょっとちがうのだが、異文化なのが面白いとおもうことと、前によんだ森博嗣の思考方法の不思議がちょっとわかったような気がした。以下のもの。

工学部の教え

「決められた時間に遅れないこと(納期を守ること)/一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力あすること/専門以外のことには、軽々に口出ししないこと/仲間から頼まれたことは、断らないこと/他人の話しは最後まで聞くこと/学生や仲間をけなさないこと/拙速を旨とすべきこと

東大の工学部長の武藤清の訓示・・・「工学部に良く来てくれた。今日から諸君は僕らの仲間だ。これから訓辞を述べるから、良く聞くように。エンジニアは時間に遅れないこと、以上」

森口繁一学科主任などの組t業訓示・・・「おめでとう。諸君にはなむけの言葉を贈ろう。納期を守ること。これさえ守っていれば、エンジニアはなんとかなるものだ」(「とりあえず出来た分を提出して、率直にわびる」「100%完璧を期すと100時間かかるが、98%なら50時間ですむような場合には、まず98%をめざし、余った時間で残り2%に取り組むことだ」

要するに、時間の問題なのだ(著者の専門は、もともと、応用物理学で、オペレーションリサーチ、金融工学などでの社会工学。意思決定の数理科学ということかな)。。

 


森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想』朝日新書、2013年

2019年08月03日 17時00分29秒 | 

1月1日から8日まで、1日1時間書いて出来上がった新書。若者の仕事の悩みについての合理的なコメント(合理主義的なというべきか)。中だるみもあるが、そうだよなぁと思うことも多い。「仕事が「やりがいのあるもの」なら、いろいろいわずに夢中になってやってるやん。そうじゃないのは、時間を切り売りしているのだから、そう考えれば「やりがいのある」というのは幻想」・・・。

最前線の仕事について語っているところでは、「仕事の最前線というのは、誰も教えるほどノウハウをまだもっていない。ただ、過去の似た例を適用して、自分で工夫や想像をして臨むしかない。この過去の経験だって、なかなか人に伝達できるほど記号化されていない。これを使えることが、すなわち「仕事を覚える」という意味である」→「周囲の人がやっていることをよく観察するしかない」・・・「ついつい、学校のように、すべて教科書があって、先生が教えてくれるものだとい、と勘違いしてしまうのが、この頃の若者の傾向である。この点は意識を入れ替えて法がよい。学校で習ったことは、仕事を観察し、分析し、やり方を知るための基本的な道具だと思う。・・」(164-165)

「結局のところ、「どうだっていいじゃん」と自分に言ってあげられる人が、一人前の立派な社会人になれるのではないか。/「元気を出したら」なんて馬鹿なことは言わない。元気で解決できる問題というのは、そもそも大きな問題ではないからだ。そうではなく、「元気なんか無理に出さなくてもよいから、ちょっと元気のある振りをして、ちょっと笑っている振りをして、嫌々でも良いから仕事をしてみたら? それで金を稼いで、そのあどでその金をすきなことに使えば良い。それが君の人生化も」といったら、身も蓋もないだろうか。・・・そうとしか言いようがないのだからしかたがない。ただ、たいてい、みんなそれで元気になる。僕は不思議だ。理由が、僕には全然わからない。

アマゾンの内容紹介は以下の通り

―働くことって、そんなに大事?― 

私たちはいつから、人生の中で仕事ばかりを重要視し、もがき苦しむようになったのか? 
本書は、現在1日1時間労働の森博嗣がおくる画期的仕事論。
自分の仕事に対して勢いを持てずにいる社会人はもちろん、大学生にもおすすめ。

★著者より★ 
仕事に勢いが持てなくても、
すごい成果が残せなくても、
人が羨む職業に就けなくても、
きみの価値は変わらない
人々は、仕事に人生の比重を置きすぎた。
もっと自由に、もっと楽しく、もっと自分の思うように
生きてみてもいいのではないだろうか。
成功するとはどういうことなのか?
良い人生とは?
すり切れた心に刺さる画期的仕事論! 

■目次
まえがき
第1章―仕事への大いなる勘違い 
第2章―自分に合った仕事はどこにある?
第3章―これからの仕事
第4章―仕事の悩みや不安に答える
第5章―人生と仕事の関係
あとがき