『〆切本』左右社、2016年
すでに5刷である。だれもが、この苦しみを感じているのか?
同病相憐れむ? それとも、人の不幸は蜜の味か?
締め切りをめぐる、弁解や思慮深い論考を集めた本。
中には、心理学の論文もあったりするのだが、〆切をめぐる人間模様に、我がこととして、読んでしまう。
ほんとうに、先延ばしの癖のある僕としては、弁解ばかりしているし、弁解ばかり考えているとつくづく思う。
本を巻いた表紙には、「どうしても書けぬ」「謝りに文芸春秋社へ行く」「拝啓、〆切に遅れそうです」「ほんとうに風邪ひいたんですか」「ほんとだよ」「なに、たまたまさ、潮がひけば、じきに元の、暇に恵まれた日々に戻るさね」などとある。
本体の表紙にも珠玉の言葉がちりばめられている。「殺してください」「不甲斐ないことに、いつまでたっても情熱が起こりません」「むろん断るべきであった」「私は毎日、イヤイヤながら仕事をしているのである」などなど
中扉の、各章の表題とそこにコメントされた言葉をそれぞれ摘記しておこう。
第1章 書けぬ、どうしても書けぬ。
書けないときに、書かすと云うことは その執筆者を殺すことだ。
第2章 敵か味方か? 編集者
相手に 惚れなかったら、はじまらない
第3章 〆切なんかこわくない
発想の最大原動力は原稿の締め切りである。
第4章〆切の効能・効果
<終わりが>迫っているという危機感が勇気ある飛躍を促す。
第5章 人生とは、〆切である
不自由の方が自由になれるのである。
ある人は、井上ひさしの文章が秀逸だというが、「遅筆堂なのだからな」ともおもう。みんなそれぞれおもしろい。僕だったら、どう書くのだろうか?
12月には締め切りに追われ、死ぬ思いをして、切り抜けたと思ったら、まだ、ひとつ残っていて、1月はまた死ぬ思いをしたのだった。
勘弁してくれと思うのだが、まだ、書くものは残っている。
でも、そこを乗り切るヒントもかかれている。寺田寅彦の書き方のところ。
原稿を書いてみるかという気持ちを持つ。それだからこそ引き受けたのである。その興味の生々しいうちに手がけると頭の働きものびのびしていて、締切に追われ、せっぱ詰まったときとは同日の暖ではない。外山滋比古「のばせばのびる、か」などなど
すでに5刷である。だれもが、この苦しみを感じているのか?
同病相憐れむ? それとも、人の不幸は蜜の味か?
締め切りをめぐる、弁解や思慮深い論考を集めた本。
中には、心理学の論文もあったりするのだが、〆切をめぐる人間模様に、我がこととして、読んでしまう。
ほんとうに、先延ばしの癖のある僕としては、弁解ばかりしているし、弁解ばかり考えているとつくづく思う。
本を巻いた表紙には、「どうしても書けぬ」「謝りに文芸春秋社へ行く」「拝啓、〆切に遅れそうです」「ほんとうに風邪ひいたんですか」「ほんとだよ」「なに、たまたまさ、潮がひけば、じきに元の、暇に恵まれた日々に戻るさね」などとある。
本体の表紙にも珠玉の言葉がちりばめられている。「殺してください」「不甲斐ないことに、いつまでたっても情熱が起こりません」「むろん断るべきであった」「私は毎日、イヤイヤながら仕事をしているのである」などなど
中扉の、各章の表題とそこにコメントされた言葉をそれぞれ摘記しておこう。
第1章 書けぬ、どうしても書けぬ。
書けないときに、書かすと云うことは その執筆者を殺すことだ。
第2章 敵か味方か? 編集者
相手に 惚れなかったら、はじまらない
第3章 〆切なんかこわくない
発想の最大原動力は原稿の締め切りである。
第4章〆切の効能・効果
<終わりが>迫っているという危機感が勇気ある飛躍を促す。
第5章 人生とは、〆切である
不自由の方が自由になれるのである。
ある人は、井上ひさしの文章が秀逸だというが、「遅筆堂なのだからな」ともおもう。みんなそれぞれおもしろい。僕だったら、どう書くのだろうか?
12月には締め切りに追われ、死ぬ思いをして、切り抜けたと思ったら、まだ、ひとつ残っていて、1月はまた死ぬ思いをしたのだった。
勘弁してくれと思うのだが、まだ、書くものは残っている。
でも、そこを乗り切るヒントもかかれている。寺田寅彦の書き方のところ。
原稿を書いてみるかという気持ちを持つ。それだからこそ引き受けたのである。その興味の生々しいうちに手がけると頭の働きものびのびしていて、締切に追われ、せっぱ詰まったときとは同日の暖ではない。外山滋比古「のばせばのびる、か」などなど