早朝といっても、午前6時までの禅堂への到着は、
自宅が近いだけにもう、苦で無い季節。
先月は所用で、今年初めての欠席、
2ヶ月ぶりに出会う仲間は、久々の感。
今回は「月光の曲」は無く、
読経の中で撞かれる「6時の梵鐘」が終り、突然の話に・・・・。
正規に、しつらえられた禅堂(聖僧様・文殊菩薩)
坐禅の作法は「普勧坐禅儀」の中で、説かれています。
坐禅の3つの要素「姿勢・呼吸・気持の置き処」は、基本としていますが、
今回は、「正しい座り方」について、ちがった方面から振り返りましょう。
まず、両膝に力がかかるよう、「坐部」を
座布団の一番後ろに下げて前傾姿勢、
次に、左右の尾骨2点、
すなわち、ひざ2点、尾骨2点の「4点の四角形に全身をかける」。
全身をゆっくりゆっくり左右前後にゆすり、それぞれの位置の重心を感じる。
止める位置は、尾骨の真ん中にある「背骨が中央」に来る位置で
とめる。(ここまで、ゆっくりの動作)
背骨の立て方は、「力を入れない、ただ立っている感じ。
背骨の頂上に頭があるが、重心は、背骨で無く「少し後ろに置く」
うなじの筋肉を緊張させず、力を入れない、
ゆっくりゆっくりこの位置を各自が見つける努力をする。
「何れも、余計な緊張による筋肉に力を入れない。」
口を閉じ、鼻筋から真すぐおへその位置、
その下にある「法界定印に組んだ両手」。
「自分の体の重心を、大地にズシンと置く感じを知る。
肉・骨・命をズシンと大地に置く感じ、
すべての力を抜いて緊張を避け、4点を支えに座るのです」。
ここで本日始めての「小鐘3つ」、いよいよ本式の坐禅スタート。
静寂の中、
「今、皆様の意識はどこにおいていますか、
大地に吸い込まれていくような思いで、座りに没頭していると、
外の雨だれの音が聞こえていますか」。
(本日禅堂の外は大雨で 雨だれの音が格別大きい日でした)
「聞くままに、おのれなりけり、軒の玉水」(道元禅師)
こうしたことは、己と雨だれ(相手など)と対立のない世界、
これが深まっていくと、静かな世界へ入っていく(入定)。
こうした思いで、日常を過ごすこと、
このことが、今まで五欲にとりまみれていた自分を、諭されるもの。
その道しるべこそ、「正身端坐」、すなわち坐禅を実行すること。
また、命を無駄にしない生き方をも示された。
「坐禅途中に、足・腰・首など痛くなることがありますが、緊張と力が入りこむことによるものと、
改めて思い起こす機会となりました、
すなわち、すべての力と緊張をなくして座ることが要術なり。私の悟り。」
坐後の「塩粥」の新鮮なこと、美味しい味はいつもどおり。
この時間、今回メンバーのお二人が「重大な病気の告白」
重い時間となりましたが、
私よりも若い方達だけに、完治されることを祈るばかりです。