AKB48のアルバム『次の足跡』「タイプB」Disk2の収録曲『悲しき近距離恋愛』(歌唱:チームB)は、ノスタルジックな曲調、アレンジで、私の好きなタイプの曲だ。イントロから期待感が高まる。
タイトルがまた期待感を助長する。遠距離恋愛が悲しいのは『木綿のハンカチーフ』の頃から自明の真理で、いろいろな曲で歌われて来た。
そうした過去の作品を踏まえつつ、ひとひねりした「悲しき近距離恋愛」とは、一体どんな状況なのだろう。コンセプト1つで1曲創り上げるタイプの作詞家である秋元康にとっては、得意分野の歌詞で、力の見せ所だと考えた。
しかし残念だが、期待ほどではなかった。タイトル倒れ。歌詞の内容は『悲しき片思い』、あるいは『悲しき三角関係』と言うべき内容だ。少なくとも「遠距離恋愛」と対比できる「近距離恋愛」ではない。
すぐ近くにいるクラスメイトの男子が気になっているのに、親友も彼のことが好きだと知って、告白などできっこない。ちょっとした会話くらいはしているのだろうが、「恋愛」と言うほどの関係にはなれないまま卒業も迫って来る、といった内容だ。言わば、走り出せない『走れペンギン』、女友達との噂話でだけ「彼カッコいいね」と言える『賛成カワイイ』だ。これを「近距離恋愛」と言うのは無理がないか。
不満はタイトルと内容のミスマッチだけで、曲自体は相当気に入っている。
「こんなに好きなのに 何も言い出せずに 3月と4月が近付いて来ちゃう」というサビは、うっとりするようなメロディーだ。「なのに」の「のに」がファルセット。「3月と4月が」という表現が秀逸。
曲全体の雰囲気は南野陽子の『涙はどこへ行ったの』のようだ。品が良く、感情を大きく爆発させないが、それだけに滲み出て来る切なさ。チームBメンバーの歌唱も統一感があっていい。
いつか公開されるチームB新公演の12曲目(本編ラスト)に組み入れてもいいような名曲だ。(その前に「組閣」があるのだったか。)
タイトルがまた期待感を助長する。遠距離恋愛が悲しいのは『木綿のハンカチーフ』の頃から自明の真理で、いろいろな曲で歌われて来た。
そうした過去の作品を踏まえつつ、ひとひねりした「悲しき近距離恋愛」とは、一体どんな状況なのだろう。コンセプト1つで1曲創り上げるタイプの作詞家である秋元康にとっては、得意分野の歌詞で、力の見せ所だと考えた。
しかし残念だが、期待ほどではなかった。タイトル倒れ。歌詞の内容は『悲しき片思い』、あるいは『悲しき三角関係』と言うべき内容だ。少なくとも「遠距離恋愛」と対比できる「近距離恋愛」ではない。
すぐ近くにいるクラスメイトの男子が気になっているのに、親友も彼のことが好きだと知って、告白などできっこない。ちょっとした会話くらいはしているのだろうが、「恋愛」と言うほどの関係にはなれないまま卒業も迫って来る、といった内容だ。言わば、走り出せない『走れペンギン』、女友達との噂話でだけ「彼カッコいいね」と言える『賛成カワイイ』だ。これを「近距離恋愛」と言うのは無理がないか。
不満はタイトルと内容のミスマッチだけで、曲自体は相当気に入っている。
「こんなに好きなのに 何も言い出せずに 3月と4月が近付いて来ちゃう」というサビは、うっとりするようなメロディーだ。「なのに」の「のに」がファルセット。「3月と4月が」という表現が秀逸。
曲全体の雰囲気は南野陽子の『涙はどこへ行ったの』のようだ。品が良く、感情を大きく爆発させないが、それだけに滲み出て来る切なさ。チームBメンバーの歌唱も統一感があっていい。
いつか公開されるチームB新公演の12曲目(本編ラスト)に組み入れてもいいような名曲だ。(その前に「組閣」があるのだったか。)