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てらまち・ねっと



 自治体のイベントなどを「実行委員会」というパターンで行うことがよくあります。
 岐阜県の実行委員会の経理で裏金の疑惑が報道されて、私たちが詳細を調べようとしたら、岐阜県は、購入や飲食などの「請求書」「領収書」「明細書」などを全て非公開としました。
 公開を求めて提訴していたところ、今年9月、最終的に、最高裁で公開命令が確定しました。
   説明や経過、判決は9月16日のブログ
 ところが、この文書のことで、大ハプニング。その経過をお伝えします。

 11月28日月曜日の夕方、県の情報公開担当から自宅に電話がかかってきました。
 担当・「実行委員会の文書の件ですが、対象の6つの実行委員会のうち2つの実行委員会の文書がどうしても見つかりません。ついては、今晩か明日の午前中、お時間をとっていただけませんか。局長がお伺いしたい、と申しています」との旨。
私・「そんな、裏で話をするようなことはしない。誰が見ても不透明な関係だ。私たちはそういう趣旨で活動してきた」と断り、「現存」する文書の公開日を12月2日金曜日午後と決めました。

 しばらくして、「県の県民生活局長の祖父江といいますが」と電話がかかってきました。
 謝罪や職員を処分する旨の電話でしたが、こちらは「事前にそんなことで話をつけることではない。文書を公開して、そのときか、その後に謝罪なり、なんなりの対応をするのがスジではないか」「誰がどう見ても都合の悪い文書を捨てた、としか写らない」などと答えておきました。

 翌日29日火曜日は、石原産業のフェロシルト製造ラインと三重県の三田処分場の見学のため、知人らと9時半に出発しまた。
 道中で、この日の午後、県が職員を処分したことなどの発表があることが伝わってきました。ムカッときました。だって、裁判で争ってやっと公開を勝ち取ったというのに、その文書の一部がなくなったという、しかもこちらに実際に見せる前に関係者を処分して、公表してしまうなんて、あまりにふざけています。
 それで、記者クラブの幹事さんに連絡をとって、情報公開請求の当事者としてのコメントを送ることにしました。
   11月29日コメントへのリンク

 12時半すぎから三重県の三田処分場を見学した後、2時からは石原産業四日市工場の見学。
 3時から県が記者会見ということなので、上記の抗議文を2時頃に石原さんのFAXをお借りして送信しておきました。

 コンビナートのフェロシルトなどの製造ラインを見学している最中、携帯に電話がありました。記憶のない番号だし見学中だから、出ませんでした。しばらくして、また電話。出ると、「副知事の原といいます。文書がなくなった今回のこと、申し訳ありませんでした。また、寺町さんのおっしゃることはよく分かりました。会見はやめます。ただ、報道の方には既に伝わっているので、そのことはどうしようもありません。ご理解ください」という旨でした。
 私は、「昨日、局長にもお伝えしたけれど、裏で何かすることはしません。今回、都合の悪いものを隠したと思われても仕方なく、県は非難されるしかありません。ただ、こちらの抗議に速やかに対応していただいことは、そのように受け止めます」と話しました。

 その後、見学が進んでいったころ、また電話。「何度も申し訳ありません。副知事の原です。実は、記者クラブに大勢おられて、テレビカメラも来ていて、お願いしたんですが、どうしても、会見を無しにさせてくれません。先ほどの話と違って申し訳ありませんが・・・」との旨。
 私は「ご承知のように、私も公務員をやっていますから、皆さんの気持ちが分からないわけではありません。・・いずれにしても、今回のこと、今日のことも、こちらにどうこうでなく、県の皆さんの判断としてされることでしょ。私が了解する、しないではないですから」と。

 ということで、象徴的な石原産業の見学の日のハプニングでした。
 県が急ぐ理由、それは、12月1日開会の県議会の前に自分たちはキレイになっておきたい、知事の露払いをしたい、それに尽きるでしょう。
 結局、「反省して行動パターンを変える」のでなく、「従来の公務員体質が抜け切らない」とつくづく感じました。

 ところで、今朝の新聞は、県は請求者に謝罪したとあります。「一方的に謝意を表せば謝罪??」
 一番大事なのは、事実の解明と再発防止。それが感じられません。

 何年か前、県のITの問題を指摘したとき、翌日、当時の知事からケータイに電話がかかってきました。「私もおかしいと思っていました。これかもいろいと指摘してください」と。この頃から、やっと私たちも「公認」になったのかもしれませんね。

 ところで、実は、この電話の直前の午前10時半から12時過ぎまで、岐阜地裁の法廷では、私が前の県議会事務局長を証人尋問していました。被告は電話をくれたご本人以下県の幹部ら約30人。その日の裁判のことは弁護士に任せたままで、ご存知ないのでしょう。
 後で家に帰ったら、私をつかまえるために、秘書から「知事が至急話したいと・・」との留守電が10本程はいってましたから。

 その裁判は、県の部課長らと県議会議員らの公費を使った宴会などの費用の返還を求める住民訴訟。地裁では、その後の判決で一部の経費の返還命令が出ました。 職員らは「控訴すれば金利がかさむ」と敗訴額を速やかに県に返還。
 その残りの額の部分は、宴会場名などを非公開にしているので状況が裁判で不明瞭なまま、職員側の勝ちが確定。
 情報を隠したまま勝てばいいのかと悔しい思いでした。
 今回も、 隠して逃げる策 なのか!!??

 12月2日の公開日のこと。知事宛質問書

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