昨日の岐阜市議会、市長の進める政策に反対する請願が採択となったことを受けて、市長が議長に退職の申し出=辞任を表明という事態に。
12月31日付けで辞める意向らしい。
首長と議会が対立して「首長辞任⇒選挙」とか「議会解散⇒選挙」ということはあるけど、そういう場合って争点が市民の暮らしや健康の安全にかかわることが多い。
でも、周辺やここ、北に隣接する山県市から見ていると、辞任に値する争点かと疑問に思う。
市立高校をどうするかに関して、「立命館」という遠くの法人に学校の将来を託すか、そうでなければ学校を廃止するという所詮は「人頼み」という事案だということ。
岐阜市長が「こうなんだっ! 私がこうする!」といってやろうとする政策ならともかく。
もちろん、何もしない首長よりはましだろうが・・・
今日の新聞の見出し。
●岐阜市長「立命館誘致は試金石」 市民説明会
●市岐阜商移管問題:立命館の誘致利点強調 市が初の市民向け説明会
●市岐阜商移管問題:「存続」へ 市議会文教委が請願採択、あすの本会議で結論
●岐阜市長、市立高校「立命館化」巡り
●細江岐阜市長:退職申出書を提出 市立商高移管が理由?
●細江市長辞職、市民に広がる波紋
●議会結論「市民と違う」 辞職の岐阜市長会見
●終止符一転、選挙へ 岐阜市長辞職
●納得や批判の声 岐阜市議会議員
立命館は来年3月までに議会の同意がなければ撤退との旨らしい。
とすると市長が1月25日投票日(岐阜県知事選と同日)とみられる選挙で再選されても、議会は同意しないだろう。
すると、議会解散も間に合わないし・・・
先は見えていると思うけど・・・
なお、任期については、現職が再選されれば任期は残任期のあと1年だけ、新人が選ばれれば「4年」らしい。
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ともかく、今の市長のことは ⇒ 岐阜市長の部屋
●岐阜市長「立命館誘致は試金石」 市民説明会 岐阜 2008年11月27日08:26
学校法人立命館(京都市)が岐阜市に市立岐阜商業高校の移管を提案している問題で、同市は26日、「市岐商・立命館に関する市民説明会」を同市金町の市文化センターで開催。細江茂光市長は「(立命館誘致の選択は)古い岐阜市から新しい岐阜市へいけるかどうかの試金石」と誘致に向けた思いを語った。
市民ら約1000人が参加。成原嘉彦副市長が移管問題の経過を報告した後、安藤征治教育長が市教委が決めた市岐阜商高の廃止方針の理由などを説明。続いて立命館総長・理事長室の鈴木元室長が提案内容を説明した。
パネルディスカッションでは、細江市長らパネリスト3人が登壇し「公と私が協力し合いながら教育をやる時代になる」などの意見が出され、最後に細江市長が「課題を先送りすることなく(立命館誘致という)最善の選択をしていかなければいけない」と強調した。
移管問題は、市議会に「市岐阜商高の当面の存続を求める請願」と「市岐阜商高移管による立命館誘致を求める請願」が提出され、市議会の判断に注目が集まっている。
●市岐阜商移管問題:立命館の誘致利点強調 市が初の市民向け説明会 毎日新聞 2008年11月27日
学校法人・立命館が岐阜市立岐阜商業高(市岐阜商)の立命館への移管を提案している問題で、市は26日、初の一般市民を対象とした説明会を開き、約1500人が参加した。細江茂光市長はパネルディスカッションなどで「立命館は最高の受け皿だ。伝統を守ってもらえるし、産学官連携による地域への貢献も期待できる。100年に1度あるかないかの提案だ」と立命館の誘致によるメリットを強調した。
立命館総長・理事長室の鈴木元(はじめ)室長は「もう時はない。問題は議員の皆さんが賛成してくれるかどうかだ。市議会で誘致請願を採択してほしい」と訴えた。
さらに成原嘉彦副市長が、06年11月の立命館からの提案から現在までの市や市議会の動きを説明。「立命館への移管は、若い人たちを岐阜市にとどめ、呼び込むために重要な施策だ」と述べた。
安藤征治市教育長も「市の限られた教育予算を、義務教育の質の向上に使っていかなければならない」と、教育委員会が市岐阜商を廃止するとの結論に至った背景などを説明し、理解を求めた。【鈴木敬子】
●市岐阜商移管問題:「存続」へ 市議会文教委が請願採択、あすの本会議で結論 毎日新聞 2008年12月10日
岐阜市議会文教委員会で9日、岐阜市立岐阜商業高(市岐阜商)の当面の存続を求める請願が採択され、11日の定例会本会議最終日で存続請願が採択される公算が大きくなった。大詰めを迎えた立命館による市岐阜商の移管提案問題。移管を自ら推進してきた細江茂光市長は委員会の結果を聞き「残念だ」と話し、「まだ議会開会中なので、市の将来を考え、将来に禍根を残さない結果が出されることを期待している」と改めて訴えた。【鈴木敬子、宮田正和】
委員会の傍聴席には、市民や市議約40人が詰めかけ、存続請願が賛成5、反対2で採択されると拍手が起きた。立命館誘致を求める請願は不採択とされた。
存続請願の採択に賛成した堀征二氏(市政自民同志会)は「市長の施策に対する議会の意思の表れだ。この問題はこれで整理して、他の課題に対処してほしい」と話した。
一方、存続請願に反対した高橋寛氏(民主・未来)は「立命館の教育を取り入れることで、市が活性化する夢と期待を抱いている。なぜこういういい話が理解してもらえないのか、不思議だ」と憤った。
8日に市教委へ約18万人分の存続を求める署名を提出した「市岐阜商の存続を求める会」の加藤栄三代表(54)は「本会議の結果をみないとわからないが、まずは『存続してほしい』という思いが伝わり、うれしく思う」と話した。一方、移管推進の立場で市議会を傍聴し続けてきた同市九重町、堀敏夫さん(72)は「古い体質だ。市をより良くしていくことを考えてほしい」と批判した。
◇「開かれた議論」市長に申し入れ--一般質問の発言で市議会正副議長
岐阜市議会の大野通議長と丸山慎一副議長は9日、一般質問で細江茂光市長が「議場での質問は確かな事実に基づいて行うべきだ」と発言したことに対し、「広く開かれた議論ができるようにしてほしい」と細江市長へ口頭で申し入れた。
3日の一般質問に立った市議が「市長から(立命館が)誘致依頼を受けて始まったと聞いている」と語った自民党県議の発言を紹介したため、細江市長が4日の一般質問で発言した。5日の各会派幹事長会が、口頭での申し入れを決めた。【宮田正和】
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◇移管に対する文教委員の意見◇(存続請願に賛成=〇、反対=×)
<市政自民同志会>
○杉山利夫氏 市岐阜商関係者にこの問題がきちんと説明されていない。時期尚早だ。
×早田純氏 移管して、義務教育に特化した教育を推進すべきだ。
○堀征二氏 立命館の受け皿のための廃止。市の財産をタダで貸すのは到底認めがたい。
○丸山慎一氏 まちの活性化は大事だが、教育と経済をてんびんにかけるのはやめて。
<市議会公明党>
○大前恭一氏 教育立市を目指すなら、市立の教育環境にさらに磨きをかけるべきだ。
<共産党市議団>
○堀田信夫氏 少子化は全国的な傾向。今後の公立高校再編の時へ議論を委ねるべきだ。
<民主・未来>
×高橋寛氏 立命館が市岐阜商の伝統を引き継ぐ。教育・経済効果が望める。
●岐阜市長、市立高校「立命館化」巡り辞職 朝日
2008年12月12日0時50分
岐阜市の細江茂光市長(60)が11日、今夏の全国高校野球選手権大会にも出場した市立岐阜商業高校を学校法人「立命館」(京都市)に移管し、付属高校として開校する計画について市議会の同意が得られないとして、市議会議長に退職申し出書を出した。市長は出直し市長選に立候補し、市民に移管問題の是非を問う考えだ。
11日の市議会で、岐阜商の存続を求める請願が賛成多数で採択されたのを受け、退職申し出書を出した。記者会見した細江市長は「市民の思いと議会の結論は違うのではないか。古い岐阜が新しい岐阜に生まれ変わる試金石。民意を確認したい」と述べた。
退職申し出書は今月31日付で、来年1月25日投開票の岐阜県知事選と合わせて出直し選が実施される可能性が高い。
市は06年に立命館から「付属の中高一貫校としたい」との提案を受け、今年3月に市教育委員会が岐阜商の将来的廃止の方針を決めた。土地と建物を無償譲渡・貸与し、立命館付属高校の10年度開校をめざしている。
市長は推進理由に財政負担の軽減や少子化などを挙げている。これに対し、市議会は「教育は市の活性化の道具なのか。有名ブランド校の誘致で市が活性化するとは本末転倒だ」などと反対している。 細江市長は三井物産出身で、02年の市長選で民主推薦で初当選。2期目は自民、民主の推薦と公明の支持を受けた。出直し市長選では、自民党県連内で対立候補を探る動きが出ている。
立命館は「(市長の辞意は)予想外であり誠に驚いている。当面は事態の推移を見守りたい」とのコメントを出した。
●細江岐阜市長:退職申出書を提出 市立商高移管が理由? 毎日 12.12
岐阜市の細江茂光市長 岐阜市の細江茂光市長(60)は11日の市議会12月定例会閉会後、大野通議長に退職申出書を提出した。今月31日付での退職としている。細江市長は11日午後、市役所で記者会見し、辞任を発表する見通し。
この日の本会議で、市立岐阜商業高校の立命館への移管について、反対派が提出していた同校の存続請願が賛成27、反対14の賛成多数で採択された。細江市長は移管を推進する立場で、請願採択が辞任の理由とみられる。
細江市長は岐阜市出身で岐阜県立岐阜高、京都大法学部卒。三井物産に入社し、サービス事業開発部長などを務めた。02年2月の市長選で初当選し2期目。
●細江市長辞職、市民に広がる波紋 2008年12月12日 読売新聞
市岐阜商の移管による立命館中高一貫校の誘致請願を不採択とした岐阜市会
細江茂光市長の辞任にまで発展した、岐阜市立岐阜商業高校の存廃問題は、市民の間でも波紋が広がった。
立命館の誘致請願を提出した会社社長の中村正さん(57)は、「不採択は残念だったが、市長が民意を問う英断をした。市の将来のため、良い結果を願うが、それを別にしても、選挙は市民がこの問題を考える良い機会になると思う」と話す。
存続請願を提出した市岐阜商同窓会長の久世盛弘さん(54)は、「請願が採択され、とりあえず存続することになってありがたい。耐震工事や建て替え費用の問題、少子化などのことが言われるが市岐阜商に限った問題ではないので、詭弁(きべん)に聞こえていた。これからもより良い学校にしていきたい」と語った。
一方、岐阜市内の主婦(80)は「伝統があるし市岐阜商には存続してほしい。なぜ急にやめるのか、市長は辞職する必要はないのでは」と疑問を投げかけた。
岐阜市の元高校講師の男性(75)は「住民投票で決めるのかと思っていたが、辞職ということになり、驚いている。それほど、市議会の反対が強かったのかと思う。高校の商業科の将来は厳しく、個人的には立命館の誘致を期待していただけに残念だ」と話した。
創立15周年を記念して83年から始まった名物文化祭「市岐商デパート」は、生徒、職員、保護者が一体となって仕入れから販売までを行うイベントで、市民の間に定着している。
市岐商デパートの運営に携わった女子生徒(17)は、「甲子園出場などの影響で、市岐商デパートも今年は例年になく盛況だった。こんなに地元に愛され、人気のある学校をなくす必要はないと思います」と興奮気味に語った。
この日の市議会本会議では、「市岐阜商の当面の存続請願の採択」と「立命館の誘致を求める請願の不採択」の承認に賛成したのは27人、反対14人、欠席と退席が各1人という結果だった。
採決前の各会派代表による討論では、存続派と誘致派が、「決戦」を前に、それぞれの主張を改めて展開。各派内でも個々の市議の賛否への考えは異なるケースがあったが、多くの会派は組織の維持を優先し、対応を統一した。
●議会結論「市民と違う」 辞職の岐阜市長会見 中日 2008年12月12日
私学の誘致問題がなぜ選挙に-。岐阜市立岐阜商高を廃止し、立命館の中高一貫校を誘致する計画の是非が11日、異例の出直し市長選にまで突き進むことになった。辞職を表明した細江茂光市長は「新しい岐阜に生まれ変わる試金石」と民意を問う姿勢を強調したが、市民は誘致賛成派からも「(この問題で)辞職とは大げさ」と、その政治判断を疑問視する声が相次いだ。
突然の辞意を表明した細江市長。午後2時から行った記者会見では、厳しい目つきと、にこやかな笑顔をせわしなく変えながら、「(誘致は)100年に1度のチャンス。立命館が撤退すると、将来(岐阜に)私学が来ていただけなくなる」と持論を展開した。
議会の結論には「心の中に秘めている市民の思いとは違う」と断言。「直近の民意を確認するのが目的」と出直し市長選を説明した。
記者の質問を受けるたび、鉛筆で頭をかき、ハンカチで汗をぬぐう。住民投票をしない理由を問われ「請願と同じような議論になることを恐れる」と述べ、賛成、反対の両派が住民投票を請求すると時間がかかるため選挙で早期決着を図るとした。
一方の議会側。「辞職願を準備しているらしいぞ」。この日午前の市議会本会議の開会前、誘致反対の市議はうわさに苦笑いしていたが、その約3時間後、各会派の幹事長たちは議長室から険しい表情で飛び出した。「市長が辞めるぞ」。辞職はあっという間に議会に広がり、対抗馬擁立への動きも出てきた。
細江市長は、請願が不採択となった本会議閉会のあいさつで、「今後も教育立市を目指し、あらゆる努力をする」と言い切った。公明のある市議は「議会を敵視した発言」と苦々しい表情を見せた。
●終止符一転、選挙へ 岐阜市長辞職 中日 2008年12月12日
十一日の岐阜市議会による市岐阜商高存続を求める請願の採択で、終止符が打たれたかと思われた立命館誘致問題。細江茂光市長の辞職による市長選に発展し、市議会議員や市岐商関係者に衝撃が広がった。 (市岐商立命館問題取材班)
岐阜市鏡島南の市岐阜商高では、市議会の動きは報道などで伝わった。岩手達夫校長は「細江市長辞職」の夕刊を読み「辞職には驚いた。教育現場としては、子どもたちに落ち着いた環境を整えるのに全力を挙げるだけ」と冷静に受け止めた。
出直し市長選は知事選と同日の一月二十五日投開票が有力視されているが、その場合、告示日の十八日は大学入試センター試験の二日目。ある男性教諭は「受験のさなかの三年生がたくさんいる。志望する中学生も市岐阜商が存続するか、分からないまま受験する形になり、ふびんだ」と影響を気遣った。
ある三年男子は「存続請願が採択されたのはうれしいが、選挙と聞いて不安になった」と動揺した様子。別の三年男子は「在校生は母校を残したい気持ちで一丸となってきた。自分たちに直接関係ある選挙に選挙権がないのが歯がゆいが、たくさんの市民が存続署名に参加してくれた。僕らの願いは市民に届いているはず」と話した。
同校同窓会の久世盛弘会長は「生徒、先生、同窓生に最初から話をすべきだった。常にないがしろにされてきたのはおかしい」と、批判した。
同窓会会員で同校野球部OB会の森田克彦会長は「細江市長が選挙に持ち込むのはある程度想定していた。市議会を動かした地道な努力をさらに積み重ねて、選挙で白黒はっきりさせたい」と、早くも戦闘モードに突入した。
◆市長と一問一答
-選挙の一番の争点は市立岐阜商高移管問題か。
「市岐商の移管を経て立命館の誘致を図る」
-辞意を考えたのはいつ。
「本議会後に辞意を固めた。今日の結果を見て判断しようと思っていた」
-市民の代表である議会の結論は市民の思いが代弁されていないと考えるのか。
「大変重要な結論で、重く受け止めている。しかし、心の中に秘めている市民の思いと今回の議会で出された結論というものは違うのではないかという思いがある」
-政治空白が生まれるが。
「民意がどこにあるかをお互いが確認しないままに、議論が長引く方がもっと厳しい空白だと思っている」
-この議論が政治的争いになっているのでは。
「市議会の中で方法論についての議論がかなりあったのは事実。これから本質についてもっと議論がなされることに期待している。手続き上の不備、能力のなさもあったか、と反省している」
-住民投票をしない理由は。
「住民投票をすると、請願でも賛成、反対が出たように、同じような議論になることを恐れる。時間的な問題もある。三月までに結論を出すことを考えるとその手法は困難」
-信任が得られた場合の行動は。
「直近の民意をお話ししながら今回ご理解を得られなかった議員の皆さんにお話をしていく。来年の三月までは何らかの結論を得るように努力する」
●納得や批判の声 岐阜市議会議員 2008年12月12日 中日
細江市長は立命館誘致を争点に次の選挙を戦う道を選んだ。民主の高橋寛幹事長は「民意を確かめるには、これ以上の方法はない」と納得した表情。会派が賛否で二分した自民のベテラン市議は「候補者次第では会派が割れるかもしれない」と顔を曇らせた。
市民ネットクラブの市議は「自分の議案が否決されたなら分かるが、(不採択の)請願を出したのは市民」と首をかしげた。共産の堀田信夫団長は「本来は市岐阜商の関係者や市議会と議論を重ね、合意する努力をすべきだ」と辞任して再出馬するのを批判した。
無所属クラブの田中成佳代表は「椿洞の産廃不法投棄事件の説明責任も求める」と市政全般の課題を追及する構えを見せた。
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