国のエネルギー政策に関しての意見聴取会が開かれた。
運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂だという(東京新聞)。
かつて”やらせ”の問題もあったし、政権党に近いところではなかったか・・・・
ともかく、報道機関の評価は厳しいものが多い。
一番明確に斬っていたのは、琉球新報。
今日のブログの最後に記録しておくけど、たとえば要点は次。
選択肢は、2030年段階で全電源に占める原発の比率を(1)0%(2)15%(3)20~25%―の三つとした。だがなぜ三つなのか。
廃炉40年を守り、今後新設がないと、2030年には現在50基ある原子炉は20基に減る。(その時で)原発比率は15%弱にすぎない。
しかもこの20基には、東海地震震源域の真ん中にある浜岡原発も、震災で損傷した女川原発も含まれる。
さらに、実際には稼働率は老朽化に伴って下がるから、原発比率は6~9%がせいぜいだ。
20%を達成しようとすると、今後少なくとも原発を10基は新設しなければならない。
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●エネルギー政策:原発存続か反対か 初の聴取会で意見二分
毎日新聞 2012年07月14日 20時35分
政府は14日、新たなエネルギー政策策定に向けた第1回の意見聴取会をさいたま市で開いた。抽選で選ばれた9人が発言し、5人が電力不足による産業空洞化懸念などから原発存続を求める一方、4人が安全性を心配して原発ゼロを主張した。意見が二分している状況が鮮明となり、8月下旬の新政策策定を目指す政府は難しい判断を迫られそうだ。
枝野幸男経済産業相も訪れ、「今回の選択は将来世代と国際社会に大きな影響を及ぼす」と約170人の一般参加者にあいさつ。
政府は、30年の総発電量に占める原発比率を(1)0%(2)15%(3)20〜25%とする三つの選択肢を提示しており、国民の議論を踏まえて方向性を絞る。
●原発比率 議論深まらず さいたまで初の聴取会
東京 2012年7月15日 07時09分
将来の原発比率はどれくらいがいいのか、政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聴く会が十四日スタートした。初回はさいたま市で開かれ、抽選で選ばれた九人が、政府が提示した二〇三〇年時点の原発比率(1)0%(2)15%(3)20~25%の三案に関して意見を述べた。「国民的議論を深める」ことが目的とされるが、政府側との意見交換もなく、各自が言い分を主張しただけで終わり、議論は深まらないまま終わった。
意見聴取会は、この後、仙台、名古屋、札幌、大阪、富山などに会場を移し、来月四日まで続。
初回のこの日は、さいたま新都心合同庁舎の講堂に、事前に登録した約百七十人が集まった。入り口は、空港の手荷物検査場並みの警戒ぶりだった。
発言者九人の選び方について政府は、登録時に意見概要を添えて申し込んだ発言希望者から「コンピューターによる抽選で選んだ」とし、それ以上の詳しい説明はしなかった。
九人はそれぞれが八分以内で考えを述べた。
青森県むつ市出身で埼玉県川口市の会社員田村久美子さん(48)が「人類は核を制御できない。ふるさとを奪わないで」と原発0%案を支持すると、会場からは大きな拍手が上がった。一方、電気の安定供給を重視する声も少なからずあり、同市の元エンジニア松田平生(ひらお)さん(66)のように「原発50%のシナリオがあってもよい」と訴える意見もあった。
九人の意見が出そろった後、もう一度補足的に意見を言う機会もあったが、持ち時間はわずか一人二分間。発言者の間で意見を交わすこともなく、持論を繰り返して終わった。
その後、エネ環会議副議長として出席していた枝野幸男経済産業相が「異なる意見を同時に聴けたことは想像以上に意味があった」とあいさつした。
発言の機会がなかった傍聴者の女性が、枝野氏に向かって大声で運営方法に対する不満を述べると、司会者は構わず閉会させようとした。会場は騒然となりかけ、枝野氏は「ご意見は真摯(しんし)に受け止めます」と引き取り、第一回の意見聴取会は終わった。
運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂で、発注者の経産省資源エネルギー庁は契約額を明らかにしていない。(東京新聞)
●30年時点のエネルギー政策、市民の意見聴取
(2012年7月14日22時54分 読売新聞)
政府は14日、中長期的なエネルギー政策について一般市民の考えを聞く初の意見聴取会をさいたま市で開いた。
政府は2030年時点の国内の発電に占める原子力発電の割合を「0%」、「15%」、「20~25%」とする三つの選択肢を示しており、今後、8月の政府方針の決定に向けて国民を交えた議論を進める。
この日は約170人が集まり、事前に抽選で選ばれた9人が枝野経済産業相らに意見を述べた。「福島の放射能の問題が解決しないまま、原発を推し進めるべきではない」(0%を支持の女性)、「電力価格の上昇は(企業)業績に直結する」(20~25%を支持の男性)などの主張が出た。
選択肢のうち、原発が0%のケースでは、太陽光発電などの再生可能エネルギーが35%(10年は10%)、原油などの化石燃料は65%(同63%)になる。原発が15%の場合はそれぞれ30%、55%に下がる。原発が20~25%では再生可能エネルギーが25~30%、化石燃料が50%だ。二酸化炭素を多く出す化石燃料の割合の変化は、温室効果ガスの削減量にも影響する。
●原発意見聴取 形だけで終わらせるな
信濃毎日 7月14日(土)
政府のエネルギー・環境会議が、原発の使い方について国民の意見を聞く聴取会を、きょうから始める。
開催するのは、福島、さいたま、大阪、福岡など11市だけ。原発がある自治体や、六ケ所村に使用済み核燃料の再処理工場を抱える青森県は含まれていない。
意見が言える人はわずかで、政府に質問できる時間もない。これで「国民的議論を踏まえた」などと言ってもらっては困る。
同会議は、2030年の総発電量に占める原発の比率を(1)0%(2)15%(3)20~25%とする三つの選択肢を示している。聴取会では、それぞれの選択肢について3人ずつしか発言できない。
聴取会のほか、パブリックコメントを募り、8月上旬には討論型世論調査も行うとしている。全国から無作為で選ぶ200~300人に東京で討論してもらい、前後で見解が変わるかどうかを調べる試みという。補完材料にはなるだろうが、十分とは言い難い。
政府は「脱原発依存」の方針を実現する気があるのだろうか。
エネルギー・環境会議の議論は、原発頼みの電力供給を「白紙から見直す」として始まった。にもかかわらず、政府がまとめた中間報告は「コスト上昇」「エネルギーの安全保障」「原子力の平和利用国としての責任」といった文言を用い、原発維持の必要性を濃くにじませている。
「経済界や『原子力ムラ』の意向が強く反映された」との批判を招いている。政府内からさえ「徐々に原発依存に軌道修正されている」との声が漏れる。
野田佳彦首相が原発輸出の継続を明言し、大飯原発の再稼働に踏み切ったことを考えても、なし崩しに原発再開の道を開こうとしているとの疑念を拭えない。
世論調査では、国民の半数超が原発の再稼働に反対している。賛成の中にも、代わりのエネルギーを確保できるまでとの条件を付けている人が少なくない。
ドイツやスイスが脱原発を宣言したように、政府に求められるのは、国民の意向を踏まえ、まず目標を明確にすることだ。その上で、各界の知恵を集め、具体的な政策を練る必要がある。
政府は、新たなエネルギーと環境政策の戦略を8月中に示すとしている。時間がないことは、意見聴取の機会を限る言い訳にならない。もっと早くから場を設けることはできたろう。戦略を決める時期を遅らせてでも、しっかり時間をかけるべきだ。
●「国民的議論」に疑問符/原発比率意見聴取会
四国 2012/07/13 11:02
政府のエネルギー・環境会議が将来の原発比率の選択肢をめぐり14日から各地で国民の意見聴取会を開催する。しかし開催地は高松など11都市だけで、発言時間や人数を制限するなど本当に国民の声に耳を傾けるつもりがあるのか疑わしい内容だ。「国民的議論を踏まえ、結論を出す」とする政府のアリバイにされかねない。
エネ環会議が検討している原発比率の選択肢は、2010年の実績値約26%に対し、30年までに(1)0%(2)15%(3)20~25%とする三つ。再生可能エネルギーの導入や温室効果ガス排出量の削減目標も考慮しながら、どの選択肢を選ぶべきか判断する。
ところが、聴取会の開催地は経済産業省の出先機関がある市と福島市の11都市のみ。このうち、さいたま、福島、那覇の3市以外は電力会社の本店所在地だ。使用済み核燃料の中間貯蔵施設や再処理工場があり、この問題への関心が高い青森県や、原発が立地する市町村では開かれない。
参加者は各会場の広さに応じ100~200人が抽選で選ばれる。さらに各会場で意見表明できるのは選択肢ごとに抽選で選ばれた3人、計9人に限られ、意見表明時間は「1人10分以内」が条件。政府への質疑の時間はなく、9人以外の参加者はアンケート用紙に意見を書くだけだ。
事務局となっている経産省資源エネルギー庁は「政府側のあいさつや説明もある。集中力が続く約2時間で終える前提で、意見表明の人数や時間を決めた」と説明する。
会場が確定しているのは14~22日の5都市で、うち22日の札幌、大阪両市は12日時点で時間が決まっていない。5都市以外は時間、会場とも未定で、このうち福島市は日程すら決まっていない。高松市は8月4日に行われる。
エネ環会議は7月末までパブリックコメント(意見公募)を募り、8月には東京で無作為に抽出した住民による討論型世論調査も行った上で、8月中に政策の方向性を示すとしている。
●原発比率聴取 数字遊びに意味はない
琉球 2012年7月14日
政府のエネルギー・環境会議が将来の原発比率をめぐり14日から各地で意見聴取会を開くが、制限だらけで、国民の声をくみ取る気があるとは到底思えない。
8月中に戦略を定めるというが、拙速にすぎる。政府は作業を一からやり直すべきだ。
聴取会は11カ所にすぎず、時間はわずか1時間半。意見を言えるのは各会場でたった9人、質疑応答もないから政府の回答もない。9人以外は用紙に意見を書くことしかできない。
しかも、14~16日に開催する3カ所は、参加申し込みの締め切りが11日だったが、10日夜の段階でも開催時間は「未定」だった。これでどうやって参加できるのか。
政府のエネルギー・環境戦略の基本方針は「国民的議論を進め、夏を目途(めど)に戦略をまとめる」と記していた。こんな聴取で国民的議論とは噴飯物だ。アリバイづくりのための開催としか思えない。
意見聴取する原発比率の選択肢も、およそ合理性を欠く代物だ。
選択肢は、2030年段階で全電源に占める原発の比率を(1)0%(2)15%(3)20~25%―の三つとした。だがなぜ三つなのか。
例えば「5%」はなぜないのか不明だ。根拠のない数字から選ぶだけの、数字遊びに意味はない。
原発を40年で廃炉にする約束を政府が守り、今後新設がないとすると、2030年には現在50基ある原子炉は20基に減る。それが全て再稼働し、かつ、80%という高い稼働率を見込んでも、原発比率は15%弱にすぎない。
しかもこの20基には、東海地震震源域の真ん中、「地震の巣」にある浜岡原発も、震災で損傷した女川原発も含まれる。さらに、実際には稼働率は老朽化に伴って下がるから、原発比率は6~9%がせいぜいだ。20%を達成しようとすると、今後少なくとも原発を10基は新設しなければならない。
経団連はこの選択肢を「非現実的」と非難し、さらなる引き上げを求めた。だが、原発の破局的悲劇を目の当たりにしたこの日本で、数十基もの原発新設ができるはずがない。経団連こそ非現実的ではないか。
そもそも原発の可否は安全性だけで判断すべきだ。活断層だらけで、人口が密集する狭い島国に原発を置く不合理を、福島の事故の教訓としてくみ取らないといけない。政府は脱原発の道筋をこそ「国民的議論」にかけるべきだ。
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