●告示前に候補者名連呼も 静岡市長選選挙違反事件
静岡 2015/5/11
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、公選法違反容疑で逮捕された選対幹部の市議(36)が告示前の3月21日に開かれた街頭演説会で、立候補を予定していた役員の名前を連呼しながら演説し、市選管から事前運動に当たると注意を受けていたことが10日までの関係者への取材で分かった。
選管関係者によると、演説会は同市葵区の大型商業施設前で役員の支援者らが開いた。他の支援者が個人名を避けて演説する中、容疑者は「※(役員の氏名)をよろしくお願いします」などと連呼した。市選管が行為を確認し、役員側に事前運動に当たると伝え、やめるよう注意した。一連の経緯は県警も把握しているという。
公選法は告示前の活動として政治団体の政策宣伝は認めているが、立候補予定者名を挙げた投票の呼び掛け行為は選挙運動とみなし、禁じている。
容疑者は告示前の3月13日、業者に依頼して役員の名前や写真を記したビラを配布するなどの選挙運動を行い、アルバイトに報酬を渡したとして、日当買収と事前運動の疑いで逮捕された。業者側はビラ配布の際、容疑者から「※(役員の氏名)です、よろしくお願いします」と声を掛けるよう指示されていたという。
このビラ配布や声掛けについて、県警は13日中に容疑者に違法性があると伝え、陣営側に事前運動の警告を出していた。
●<静岡市長選・買収容疑>政治団体から業者へ報酬
静岡 2015/5/10
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、アルバイトにビラ配りの選挙運動をさせたとして公選法違反の疑いで県警に逮捕された広告代理業者2人の弁護人が9日、静岡市で会見し、陣営側から報酬を銀行振り込みで受ける際の名義が、役員の兄が代表を務め、役員を支援する政治団体「元気で明るい静岡をつくる会」だったと明らかにした。県警は陣営の組織的な関与がなかったか慎重に調べている。
弁護人が明らかにした広告代理業の男(30)らの逮捕容疑は3月13日、アルバイト25人に事前運動させ、同20日ごろ、日当として現金約11万円を支払った疑い。弁護人によると、広告代理業の男は同10日ごろ、陣営幹部の市議(36)=同容疑で逮捕=からビラ配りを13〜28日の16日間、市内十数カ所で行う仕事を受注。12日に同政治団体名義で約540万円の一括振り込みを受けた。延べ350人ほどのアルバイトが活動し、全員に報酬が支払われたという。13日に県警から警告を受けた後はビラの種類や配布の仕方を変えるなどして活動を続けた。
広告代理業の男は容疑を認めた上で「現職市議から『問題ない』と言われ、大口の仕事だったこともあり、やった」と話しているという。
●<静岡市長選・買収容疑>市議が容疑否認
静岡 2015/5/ 9
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、アルバイトにビラ配りの選挙運動をさせたとして公選法違反の疑いで県警に逮捕された市議(36)の弁護人が8日、県庁で記者会見し、市議が「通常の政治活動で選挙運動には当たらない」と容疑を否認していると説明した。弁護人は「無罪を主張する」と述べた。
弁護人によると、市議は「人物像や政策を知ってもらうための活動で、投票行動に結びつく行為はしていない」と話し、活動は公選法に抵触しないと訴えているという。
弁護人はビラ配りについて「陣営全体の判断」とし、アルバイトへの報酬資金は「陣営のお金」と指摘。アルバイトを手配した広告代理店への報酬支払いも「市議の個人名義ではなく団体名義で銀行口座に振り込んだ」と主張した。
●<静岡市長選・買収容疑>ビラ配り、延べ350人超
静岡 2015/5/ 8
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、選対幹部の市議(36)=公選法違反容疑で逮捕=からビラ配布の依頼を受けた広告代理業者は、依頼に沿ってアルバイトを集め、作業に当たった延べ人数は3月29日の告示前の時点で350人以上に上っていたことが8日、捜査関係者や会社関係者への取材で分かった。
関係者によると、市議は3月10日ごろ、業者にビラ配りを発注した。業者側は依頼に基づき、市内各駅の周辺や商店街など16カ所を配布場所に定め、アルバイトを集めて同13日に作業を始めたという。アルバイトは交代で1日当たり10〜40人程度が配置された。作業は毎日行われていた。28日までに、1人4時間の作業を1人分とする同社の計算で、延べ350人分の作業をしたという。
市議が当初、用意したビラには立候補予定者の名前や顔写真が印刷されていた。業者側は「違反では」と確認したが、「選管や警察が大丈夫だと言っている」と回答。そのまま13日に配布を始めたところ、その日のうちに県警から事前運動の警告を受けたため、市議は名前や写真を伏せた新しいビラを送ってきたという。
陣営の選対幹部は取材に対し「ボランティアが集まらず、業者に依頼したと思う。県外から来た選挙の指南役が(市議に)いろいろな助言をしていた」と話した。
◇「選挙協力の意思なく」 逮捕の広告業者
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、公選法違反容疑で逮捕された広告代理業者の容疑者2人が容疑を認めた上で、「会社の業務として通常料金でビラ配りの依頼を受けた。選挙に協力する意思は全くなかった」と話していることが8日、接見した弁護人への取材で分かった。
2人は広告代理業の男(30)、同社員の男(26)両容疑者。7日に接見した弁護人によると、2人ともビラ配りをしていた当時は違法性の認識がなく、「チラシ配布の業者として甘かった」と反省しているという。ビラ配りを依頼し、同容疑で逮捕された市議(36)以外の陣営関係者と接触することもなかったという。
一方、市議の弁護人は同容疑者の認否について8日午後、記者会見して明らかにするとしている。
●<静岡市長選・買収容疑>人材派遣会社からアルバイト調達
静岡 2015/5/ 9
静岡市長選で落選したドラッグストアチェーン役員陣営の選挙違反事件で、公選法違反容疑で県警に逮捕された広告代理業の男(30)らが、陣営のビラ配布のアルバイトを人材派遣会社から調達していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。県警はアルバイトに日当が支払われるまでの金の流れを慎重に調べている。
捜査関係者によると、陣営幹部の市議(36)=同容疑で逮捕=からビラ配布の依頼を受けた広告代理業の男らは人材派遣会社にアルバイトの派遣を要請。アルバイトは広告代理業の男らの指示を受け、市内各駅の周辺などでビラを配ったという。報酬は時給1200円で人材派遣会社にも金が渡っていたとみられる。
一方、市議は調べに対し「ビラ配りは(陣営の)選挙プランナーの指示でやった」などと話しているという。同容疑者の弁護人も「プランナーの指南はあった」と説明している。
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