自治体議員の「政務活動費」をめぐる不正、その発覚が続く。
発覚させた方が悪いのでなく、もともと、「不正行為をした議員本人」がいけないのは当然。
しかし、こういう時、「騒ぐのがいけない」そんな溜息が出るのが常。
いくら当事者が嘆いても、「不正の事実」がある以上、どんどんバレていく。
心当たりのある人は、他人に指摘されるより、自ら、早めに釈明した方がいいに決まっている。
ここのとなりの岐阜市議の不正も相次いで見つかっている。
その他、各地の事件から幾つかを記録しておく。
なお、今日は今度の土日の名古屋での「議員塾」の講座の資料作り。
土曜日の夕方は、「議会」の諸点、諸般を整理し説明するので、「政務活動費」のことも入れる。
全体のレジメの骨子は出来たので、各ページや「私から9月にお願いした課題の集計表」の編集などの作業をしよう。
●富山市議、1カ月で12人辞職 不正請求額3300万円に /日経 2016/10/26
●不正辞職の自民、1議席増やす 政活費巡る富山県議補選/産経 10.24
●岐阜市議2人、所有物件の賃料に政活費 充当認める/朝日 10月26日
●在任前の電話料金 市議が政活費受給 岐阜/読売 10月23日
●選挙活動に政務活動費を使用 愛知県議/中京テレビ 10/26
●県議、政調費で同じ本5冊=「不適切」との声も-山形/時事 10/25
●沖縄視察の市議6人、政務活動費でスナック/読売 10月24日
●車で移動したのに電車代請求…2万円を返還した取手市議に議会が辞職要求決議/産経 10.12
●【衝撃事件の核心】女性記者怒鳴り上げ〝取材妨害〟の因縁 「パンドラの箱」開けた市議会のドン…富山政活費不正辞職ドミノのウラ/産経 2016.10.3
●政活費…改革途上の富山市議会検討会 議事録 なぜ非公開/中日 10月20日
●政務活動費 返還などの動き相次ぐ(まとめニュース)/NHK 10月24日
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●富山市議、1カ月で12人辞職 不正請求額3300万円に
日経 2016/10/26
富山市議会の政活費問題は8月、白紙領収書を使った自民党会派の中川勇元市議(69)の架空請求発覚に端を発し、1カ月余りで自民党会派10人、民進党会派2人の計12人が辞職した。
辞職した中川氏の不正請求額は5年間で約694万円といい「遊ぶ金がほしかった」と謝罪した。民進党会派の調査では2011~15年度に1979万円を超える不正が判明した。自民会派の点検でこれまでに判明した分を加えると両会派の不正請求額は少なくとも3300万円に上っている。
政活費は地方議員の調査・研究、広報などの政務活動にかかる経費として議員報酬とは別に支給される。支給額や詳しい使途は自治体ごとに条例で定められている。
●不正辞職の自民、1議席増やす 政活費巡る富山県議補選
産経 2016.10.24
政務活動費の不正問題で3人が辞職した富山県議会の補欠選挙は23日投開票の結果、1人辞職の自民党が2議席を獲得し勢力が拡大した。不正防止や信頼回復の訴えが信任を得た形となった。残る1議席は、政活費不正を批判した社民党新人が獲得した。
辞職した3人は立候補しておらず、2人が辞職した民進党は擁立を見送った。
自民、民進両党の県議計2人が辞職した高岡市選挙区では、自民新人が当選を決め、政活費不正で失った議席を守った。この新人は支援者らを前に「議会改革に取り組む」と強調した。2議席目は共産党新人との接戦を制した社民新人が獲得。支援者らに「ガラス張りの県議会になるように頑張る」と語った。
民進県議が辞職した富山市第1選挙区では「信頼回復に努める」と訴えた自民新人が当選を決めた。日本維新の会の新人は議員報酬削減を主張し、共産、自由、社民3党が推薦した諸派新人は「税金を食い物にしている」と自民批判を展開したが、いずれも及ばなかった。
12人が辞職した富山市議会補選は11月6日に投開票される。
●岐阜市議2人、所有物件の賃料に政活費 充当認める
朝日 2016年10月26日吉川真布、増田勇介
岐阜市議の国井忠男氏(68)=自民岐阜=と大野一生氏(59)=同=が、自分が所有したり家族と共有したりしている建物に事務所を置き、政務活動費から家賃を払っていたことがわかった。いずれも自分と関連する会社と契約を結んでいるが、市議会の運用指針は、議員が所有する物件への賃借料に政活費を充てることは認めていない。
政活費の収支報告書によると、家賃の支出は昨年度までの3年間で、国井氏は70万円、大野氏は87万5千円。
国井氏は自らが会長を務める建設会社「国井組」に、妻と共同所有する建物を有償で貸し、その一室を事務所として使う契約を同社と結んでいる。政活費から月2万円の光熱費込み賃料を払っていた。朝日新聞の取材に、「議会事務局から『会社との契約ならいい』と言われていた。だめだとの認識はなかった」と述べた。同社から報酬は得ていないと話している。
大野氏は、自らが社長を務める寝具販売会社「岐阜ベッド卸センター」の社屋の一部を事務所として使用。社屋は大野氏の所有で同社に無償で貸していた。光熱費を含む賃料月5万円の半額を政活費で支払っていた。朝日新聞の取材に「還流などの悪意はなかった」と話し、同社から報酬は得ていないと説明した。
運用指針は、議員が所有する物件や自宅を事務所とする場合、その賃借料に政活費を充てることはできないと定めている。ただ、小沢重貴・議会総務課長は「自分が所有する物件で法人と契約するケースは想定外。直ちに違反とは言えない」と話す。契約書と領収書で確認しており、現時点でこれ以上のチェックは考えていないという。(吉川真布、増田勇介)
●在任前の電話料金 市議が政活費受給 岐阜
読売 2016年10月23日
岐阜市議の丸山慎一氏(64)(無所属、当選5回)が2015年度の政務活動費から、在任期間外に使用した固定電話代約1万9000円を支出していたことが22日わかった。丸山氏は読売新聞の取材に「修正すべきところは精査し、返還したい」としている。
丸山氏は11年の市議選で落選して15年4月に返り咲き、同5月2日から市議を務める。しかし政務活動費収支報告書によると、15年4月1日~30日に使った「15年5月分」の固定電話代2万3869円について、請求内訳書を添付し、8割を議員活動での使用分として請求し、受給していた。丸山氏は「5月分とあるので、気が付かなかった」と説明、市議会事務局は「我々のチェックが甘いと言われても仕方がない」としている。
丸山氏は15年度、政務活動費で行った8回の視察費を、宿泊代などの領収書を添付せず申告して受給。うち6回の宿泊先を勘違いして計約2万7000円を過大請求したなどとして、8回の視察にかかった約19万円を既に返還している。
●選挙活動に政務活動費を使用 愛知県議
中京テレビ 10/26
愛知県議会の深谷勝彦議員が、政務活動費を本来使用が認められていない「選挙活動」で使用していたとして約11万円の返金手続きをしていることが分かった。政務活動費の返金手続きをしていることが分かったのは、愛知県議会の深谷勝彦議員。
深谷県議は、調査研究や事務所費などのために税金で賄われている政務活動費から、2015年の4月と5月の電話代約11万円の支出について、本来使用が認められていない「選挙活動」に使用したものが含まれているとしている。
この2か月の電話代が他の月と比べて高かったと外部から指摘を受け、25日、議会事務局に収支報告書の修正提出を行った。取材に対し、深谷県議は「秘書に任せていたので気がつかなかった」と話している。
●県議、政調費で同じ本5冊=「不適切」との声も-山形
時事 2016/10/25
山形県議会の木村忠三県議(51)が政務調査費(現在の政務活動費)を使い、同じ本を5冊購入していたことが25日、分かった。木村県議は正当な支出だと主張するが、専門家からは「不適切だ」との声も上がっている。
政活費をめぐっては、富山市議会で不正利用した市議の辞職が相次ぎ、補選(30日告示、11月6日投開票)が行われる事態に至った。山形県議会でも、不適切な使用を疑われた県議1人が辞職している。
収支報告書によると、木村県議は2012年5月に同県米沢市の店で、東日本大震災のボランティアに関する本5冊を計7350円で購入。全額を「資料購入費」として、政調費から支出した。
木村県議は取材に対し、「事務所や自宅、県議会の執務室に置いたり、持ち歩いて関係者に薦めたりした」と説明。しかし、仙台市民オンブズマンの庫山恒輔・元事務局長は「5冊は必要ない。4冊分は返還すべきだ」と指摘している。
●沖縄視察の市議6人、政務活動費でスナック
読売 2016年10月24日
石川県白山市議会の自民系会派「白政会」所属市議6人が、2月に沖縄を視察した際にスナックでの飲食代の一部を政務活動費(政活費)から支出していたことがわかった。
会派代表の前多喜良市議は23日、読売新聞の取材に「1次会の領収書と間違えて添付してしまった。誤解を招く恐れがあるので訂正する」と釈明している。
前多氏によると、白政会は2月15~17日、少子化対策の視察を目的に石垣市や那覇市を訪れ、15日夜に2次会会場として同市のスナックを利用した。白山市議会では、視察時の飲食代に1食につき1人1500円までの支出を認めており、代金約3万2000円のうち6人分の計9000円を政活費から支出したという。
前多氏は「事務的なミスだが市民に疑念を抱かせる」と述べ、所属市議全員が収支報告書を修正する意向を示している。
●【政務活動費】車で移動したのに電車代請求…2万円を返還した取手市議に議会が辞職要求決議
産経 2016.10.12
茨城県取手市議会は12日の臨時会で、車移動したのに電車賃を請求したとして、昨年度の政務活動費のうち約2万2千円を市に返還した飯島悠介市議(38)=無所属=の議員辞職を求める決議案を全会一致で可決した。
決議は「市民の信頼を著しく失墜させ、市議会の名誉を傷つけた責任は重大」としている。飯島市議は閉会後の取材に「重く受け止めている。市民の信頼を回復できるよう活動したい」と述べ、議員辞職を否定した。
飯島市議は昨年夏、若手市議の研修会で福島市に行った際などに、自家用車やレンタカーを使いながら取手市内からの電車賃を請求。4日に記者会見して謝罪し、政務活動収支報告書の内容を修正していた。
●【衝撃事件の核心】女性記者怒鳴り上げ〝取材妨害〟の因縁 「パンドラの箱」開けた市議会のドン…富山政活費不正辞職ドミノのウラ
産経 2016.10.3
政活費不正請求で辞職した富山市議の一覧。これまでに11人が辞職した
前代未聞の「辞職ドミノ」はどこまで続くのか。富山市議会で次々と明らかになっている政務活動費不正請求問題。市議会が閉会し、補欠選挙(10月30日告示、11月6日投開票)に向けて各党が動き出してからも、架空請求を認めて辞職する市議が続出。一連の不正での辞職者は計11人となり、9月29日にも、新たに自民党会派の市議が市政報告会の会場費に不適切な請求があったとして約6万円を返還する意向を示した。辞職者の中には、4万円あまりの不正請求で議員バッジを外さざるを得なくなった市議もおり、問題は泥沼化の様相を呈している。市議会の一部で長年にわたって続きながら一切表面化してこなかった不正請求。手を染めてきた市議たちにとっての「パンドラの箱」を開けたのは、市議会のドンともいわれるベテラン市議だった。
「静粛もくそもない」異様な本会議
「恥ずかしいな」「お前は大丈夫か」「こんなんで終わらすな」
9月21日午前、富山市議会の本会議場は異様な雰囲気に包まれていた。傍聴席を埋めた市民からはやじが飛び、「静粛にお願いします」との呼びかけには「静粛にもくそもないやろ」と怒号が上がった。
この日は市議会の最終日。市田龍一議長(当時)ら6人の辞職願が次々と読み上げられ、辞職が許可されていった。一部野党会派からは、「さらに問題を追及すべきだ」として会期延長を求める動議も出されたが、辞職者が相次いだ自民党や民進党などは賛成せず、閉会した。
その後も収まる気配はない不正請求問題。市議会で最初に発覚したのは、自民の中川勇氏(69)=市議を辞職済=だ。8月中旬、地元の北日本新聞社などが、市政報告会の経費として政活費を請求しながら、実際には開いていなかったとの疑惑を報じた。
当初は不正を否定していた中川氏だが、5年間に約60回開いたとする報告会のほとんどは開催が確認できず、報告会の資料代などとして約694万円を不正請求していたことが明らかになり、同月30日に辞職した。
きっかけは議員報酬引き上げ
実は中川氏と同社との間には浅からぬ「因縁」があった。
6月9日、市議会は議員報酬を現行の月60万円から70万円に引き上げる条例改正案を審議中だった。
唐突にも思える10万円アップは妥当なのか。市民からの批判も強く、同社の30代の女性記者はこの日昼ごろ、議員一人一人の声を聞こうと、自民会派の控室で取材をしていた。
同社によると、それを制したのが中川氏だった。合併前の旧市時代から通算6期目で議長も経験。当時は自民会派の会長を務め、報酬引き上げの中心的な役割を担っていた。
「市議会のドン」とも評される重鎮は、報酬引き上げに否定的な取材ととらえて立腹したのか、「何を聞いているんだ」と女性記者を怒鳴り、取材メモを取り上げたという。
同社は取材妨害だとして抗議し、県警に暴行容疑などで被害届を提出した。一方の中川氏は徹底抗戦の構えをみせていた。
それから2カ月あまり。同社の報道で窮地に追い込まれた中川氏は、報道直後に一時行方をくらませたこともあった。
「100万円ちょっと残している、全額使い切れ」 直後に号泣会見
「市政報告会もっとやれ」共産市議にも迫る
中川氏とカネ。その根は深い。
「最初は意味が分からなかった」
そう言いながら、中川氏の以前の発言を明かすのは共産市議だ。
「100万円ちょっと残しているじゃないか、全額使い切れよ」
平成26年春、議長だった中川氏は、市役所6階の議長室に呼び出した共産市議に迫ったという。
中川氏は当時、1人当たり月15万円支給される政活費の増額を狙っていた。「余らせたら引き上げが提案できない」と不満をぶちまけ、ささやいた。
「俺たちみたいに市政報告会をもっとやれ。そうすれば、資料コピー代とか茶菓子代がもっと出る」
結局、この後間もなく、兵庫県議(当時)の〝号泣会見〟が話題となったこともあり、政活費増額の話は立ち消えとなった。
辞職した市議の中でも飛び抜けて不正請求額の大きい中川氏の手口は、いたって古典的だ。
付き合いのある印刷会社から白紙の領収書の束をもらい、それに好きな金額を記入。市政報告会で配る資料の印刷代などとして架空請求するのだ。
実際には報告会は開いていないため、書いた金額はそのまま中川氏の懐に入る。共産市議へのささやきと合わせてみると、悪質性は際立つ。
「大きな利権もなく…」
水増しや使途のごまかしなどではない大胆な手口を使ってまで、なぜ、金が必要だったのか。
「人付き合いが増え、遊ぶ金が欲しかった」
「ドン」と呼ばれても「実際はいっぱいいっぱいの生活」だった?
辞職翌日の記者会見で動機をこう語った中川氏。9月19日付の朝日新聞朝刊(大阪版)によると、議員年金が廃止されて老後に不安を抱えていた。「飲むのが好きで、誘われたら断れない性格」だともいい、飲み屋にも3、4軒は顔を出し、一晩で何万円も消えていったという。
自身の飲み代欲しさの不正は後輩議員をも巻き込んだ。
中川氏から偽造領収書を渡され、政活費を請求した男性市議は、自身の“もうけ”は一円もないにもかかわらず、不正請求の責任を取り、辞職に追い込まれた。
不正発覚以降は、自宅に早朝4時から無言電話がかかってくるなど、批判の嵐にさらされた。それでも中川氏に対する恨み節は口にしない。むしろ「自分とは違って、付き合いも広かったので金も必要だったのだろう」と思いやる始末だ。
実力者としての威光の強さをうかがわせるが、地元関係者からは違った見方も聞こえてくる。
「『ドン』と言われるが、大きな利権の話も聞かない。飲み代欲しさに公金に手を出したことで分かるように、実際はいっぱいいっぱいの生活だったようだ」
毎年100万円超の不正請求を続けてきた中川氏。現在は自宅も手放し、市に不正受給分を全額返還したという。
●政活費…改革途上の富山市議会検討会 議事録 なぜ非公開
中日 2016年10月20日
事務局「前例異なる」
政務活動費の不正受給で十二人もの市議が辞職する事態になった富山市議会。改革に向けた取り組みが注目されるが、議員が政活費や議会改革を話し合う検討会の議事録は公開されないままだ。市民の関心は高いはずなのに、議事録の公開は議題にさえならず、議会事務局も「前例と異なる」として公開に後ろ向き。有識者からは「議員も事務局も、自分たちの何が問題になっているのか、本質が分かっていないのでは」との声が上がっている。(日下部弘太)
「領収書や支出伝票のインターネット公開を」「長期的には後払い制も検討すべきだ」。市議会で七日あった「政活費のあり方検討会」。各会派の代表者が集まり、一般市民にも公開で活発な議論が交わされた。
ところが、議事録は「今のところ公開する予定はありません」と事務局職員。平日の昼間だけに、一般の傍聴者は五人ほど。他の市民は、新聞やテレビなどを通じてしか検討会の内容に触れられないことになる。
十四日に開かれた議会改革検討調査会は、政活費をめぐる不祥事を受けて、会議自体が初めて公開された。ただ、同じく議事録の公開は「考えていない」(事務局)という。
事務局によると、議会の常任委員会は職員が要点を書き留めており、情報公開請求があれば、その要点筆記を公開している。検討会は委員会に準じる位置付けのため、資料の公開についても同じ扱いを考えているという。委員会の内容をすべて議事録に残さないのは、「量が多く、テープ起こしを業者に頼むにしても費用がかかる」ことを理由にしている。
大きな不祥事を受けて生まれ変わるべく、情報公開を議論しているはずなのに、対応は従来通り。情報公開に関する感度の鈍さを、議会が再び露呈している格好だ。
全国の地方議会を調査している早稲田大マニフェスト研究所の中村健事務局長は「なぜ改革が必要なのか、本質が分かっていない。こんなことで議会の信頼回復につながるのか」と批判。茨城大の馬渡剛教授も「事務局を含め、今が『緊急時』と認識してほしい」と話す。
●政務活動費 返還などの動き相次ぐ(まとめニュース)
NHK 10月24日
地方議員の「政務活動費」は、各地で不正な受け取りなどが発覚し、議員が返還したり議会が透明性の確保に乗り出したりする動きが相次いでいます。今月22日までの1週間に全国で明らかになった動きやニュースをまとめました。(日付は各局での放送日)
返還の動き
▽(21日)大阪市の梅園周議員は、平成23年9月以降およそ5年間にわたって、車のリース代の半分にあたるおよそ2万7000円を毎月、政務活動費から支出していましたが、「妻が買い物などの私的な用事で車を使ったこともあった。市民に疑念や不信を抱かせてしまった」として、返還する考えを明らかにしました。
▽(21日)富山市の五本幸正議員は、平成25年9月に開いた市政報告会での「会場費」や「茶菓子代」の名目で政務活動費37万5000円を受け取りましたが、政務活動費では支出できない焼酎などのアルコールが含まれていて不適切だったとして、全額を返還したことを明らかにしました。
▽(18日)那覇市の花城正樹議員は、ことし3月、3日間の日程で栃木県などでの視察に参加した際の旅費として8万1700円の政務活動費を支出していましたが、実際には初日の視察を欠席し、東京で開かれた民進党の結党大会に参加していたことがわかりました。政務活動費の使途を定めた市議会の手引きでは、政党活動への支出は不適切とされています。花城議員は取材に対し、事実関係を認め、「認識が甘かった。市と協議して返還したい」と話しています。
全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡弁護士は「那覇市議会は出張報告書の提出を義務づけておらず、透明性を確保する観点から対応は不十分だ」と指摘しています。
▽(18日)石川県の七尾市議会の会派、等政会は、議員4人が徳島県阿南市に視察に行った際のレンタカー代3万7260円を旅費として政務活動費から支出していましたが、同じ平成27年度の収支報告書で、現地で受け取った領収書をもとに二重に政務活動費の支出を計上していました。等政会は収支報告書を修正し、二重に計上していた分を市に返還したということです。等政会の会長を務める石川邦彦議員は「公金にもかかわらず、うっかりと二重に計上してしまい、申し訳ない思いです。二度とこうしたことがないよう、今後は会派全員でチェックしていきたい」と話しています。
▽(17日)石川県の珠洲市議会の森井洋光議員と小泊辰男議員、それに向山忠秀議員の3人は、平成23年度と24年度に、自民党珠洲支部の事務所使用料として受け取った政務調査費28万円を、別の目的のためにプールしていたということです。東日本大震災の被災地や原発を視察するための費用に充てるためだったとしていて、一部は志賀原発や福井県の美浜原発への視察に使われたということですが、会派と議員が議会事務局に相談したところ、不適切な支出と指摘を受けたということです。このため今月14日に収支報告書を修正し、過去に政務活動費で支出できるのに自分たちで負担していた費用をプールしていた金額から差し引いた22万円余りを市に返還したと言うことです。森井議員は「何か勉強会をしようというのが始まりで、カネを捻出してずっとプールしていた。遊ぶカネだとか不正という感覚はなかったが、深く反省しています」と述べました。
情報公開の動き
▽(21日)静岡県の藤枝市議会は、21日からインターネットで政務活動費の領収書の公開を始めました。藤枝市議会では年間に議員1人当たり30万円の政務活動費を交付していて、昨年度は22人の議員に合わせて660万円を交付し、このうち635万円余りが支出されています。これまでにもインターネットで会派別の収支報告書と明細を公開していましたが、透明性を高めるため、領収書も公開することにしたもので、議会事務局は「各地で不正が相次ぎ、市民の関心が高まっている。積極的に公開することでさらに透明性を高めたい」としています。
▽(18日)岐阜市議会の議会事務局は、議員が政務活動費を請求するための領収書を偽造したり、視察にかかった費用の領収書を添付せず実際より高い宿泊費を請求したりする不正が相次いでいることから、議会の全員協議会で透明性を高めるための新たな提案をしました。領収書を紛失した際に自己申告で請求できる明細書の廃止や、収支報告書や領収書をホームページで公開することなどで、市民の意見をもとに立案したということです。議会として議論を重ねたうえで、来月の定例市議会の最終日までに運用を見直したいとしています。
公費見直しの動き
▽(21日)政務活動費の不正が相次ぐ富山市議会は、議員報酬とは別に本会議などに出席した議員に支給されている1日4000円の交通費などの手当を廃止することで合意しました。21日の会合では、出席した議員から「必要ない」「中核市のうち半数近くが支給しておらず、全国的にも廃止されている」といった意見が相次ぎました。
▽(20日)岡山市議会の政務活動費は議員1人当たり月13万5000円で、政令指定都市の中では2番目に低く、市議会は「十分な調査活動ができない」として市に増額を求めていましたが、検討を行った市の審議会は、増額は認められないとする答申をまとめました。審議会では、委員から「ほかの都市との比較だけでは金額を上げる根拠にならない」「政務活動費の使いみちをホームページで公開するなど透明性を確保する取り組みができていない」といった意見が出ていました。さらに答申には、市議会に対し、政務活動費の透明性を高める努力を求める意見が添えられました。
これについて「市民オンブズマンおかやま」の光成卓明代表は、「なぜ増額が必要なのか議会から説明がなく、この結論は当然だと思う。政務活動費は当然の権利だという意識が議員に強いと感じていて、その認識は改めてほしい」と述べました。そのうえで、領収書を閲覧するには平日に市議会に出向かねばならず、コピー代も必要だと指摘し、「市民一人一人がチェックできるよう、ホームページでの公開を求めていきたい」と述べました。
一方、市議会の宮武博議長は「市の発展のために額を見直してほしかったが、審議会の答申を謙虚に受け止めていかなければならない」と述べました。そのうえで、透明性の確保を求められたことについて、「議会として検討していきたい」と話していました。
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