フェロシルト問題。三重県議会でリサイクル条例の改正案が審議されています。
2月10日・三重県のパブリック・コメント
昨年の事件の反省から「特別管理廃棄物」を対象からはずす意向、とされていました。しかし提案では、「条例・規則ではずし、運用ではこれを認める」という信じられないこと。
以下の関係団体で三重県知事への抗議文、議会への要望書などを提出しました。
(ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク、「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会、瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク、くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク、放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜、RDFを考える会)
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●桑名市議でRDFを考える会の 小川まみさん の解説
三重県リサイクル製品利用促進条例改正について
【改正条例案の問題点】
① 規則改正で、「毎時0.14マイクログレイを超えるもの」を「再生資源等」としないと書き込むことで、かえって、同基準以下の放射性廃棄物のリサイクル容認に根拠を与えていること。三重県が根拠とする国の「チタン鉱石問題に関する対応方針」は、あくまでも「管理」が必要な「廃棄物」として扱うものであり、製品として流通することを想定していない。
② 「特別管理廃棄物」を「再生資源等」から除くと規則で定める一方、運用面で「特別管理廃棄物」も無害化すれば「再生資源等」として使用できるというのは、規則改正を無意味にし、第2のフェロシルト問題を防ぐ手だてとなっていない。「特別管理廃棄物」は、有害性が高く、特別な処理基準が設けられ、通常の廃棄物より厳しい規制がされている廃棄物であり、安易にリサイクルを認めるべきではない。
【改正手続きの問題点】
・18年4月からリサイクル認定の再開を目指すという「日程ありき」で作業を進めている。そのためパブリックコメントも市民から意見を聞いただけで、条例改正に反映していない。
・議決が必要なのは条例だけだから、規則や運用面は条例改正後、あとから変更できると軽く考えている点。
・「フェロシルト問題に関する検討調査最終報告書」の提言が反映されていない。
【そもそもこのような条例が必要なのか】
・「最終報告書」の最後に「リサイクル製品の安全性基準等の設定は、一地方公共団体で対応できるものではなく」とある。リサイクル製品となれば、広範囲に流通する。フェロシルトのように県外で被害が出た場合、三重県は認定者としての責任がどこまで負えるのか。
・リサイクル製品の市場性が成りたっているのか。廃棄物処理の隠れ蓑になっていないのか。用途先があるのか、
・「廃棄物」として処分場で管理することと「リサイクル製品」として広く流通することは全く違う。
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●知事宛抗議文
2006年 3月14日
三重県知事 野呂昭彦 殿
三重県リサイクル製品利用促進条例改正について(抗議)
産業廃棄物「フェロシルト」の環境汚染問題において、三重県は認定業者の不正行為をそのまま鵜呑みにし、本来、廃棄物として管理型処分場で管理すべきものをリサイクル製品として認定した。「フェロシルト」は、県がリサイクル製品として認定したことで県外へも流通した。三重県には被害を拡大させた重大な責任がある。今回の条例改正は、第2、第3の「フェロシルト」問題を起こさないためになされるべきである。
この条例改正案は、わずか2週間のパブリックコメントを2月22日に締め切ったばかりで、結果の公表もなく上程した。その点について県は、「パブリックコメントとして出された意見が規則改正に関するものであり、議決を要する条例本文には意見はなかったので条例改正案を議会に上程しても関係ない。規則はあとからでも変更できる」と主張するが、条例は条例本文だけではなく、規則や運用も含めて一体のものとして存在するものである。条例本文だけ議決しておいて、あとから都合の良いように規則と運用を変更することは、民主主義の精神に反する許しがたい行為である。規則および運用や解釈が明確になっていない段階での条例改正はすべきではない。また、「フェロシルト問題に関する検討調査最終報告書」の提言も充分反映させずに、「リサイクルありき」の姿勢も問題である。
このような市民を愚弄する一連の行為に対して、強い憤りを感じここに強く抗議をする。あわせて、問題のある安易な条例改正に対して強く反対するものである。
●三重県リサイクル製品利用推進条例の一部を改正する条例案の問題点
① 規則改正で、「毎時0.14マイクログレイを超えるもの」を「再生資源等」としないと書き込むことで、かえって、同基準以下の放射性廃棄物のリサイクル容認に根拠を与えていること。三重県が根拠とする国の「チタン鉱石問題に関する対応方針」は、あくまでも「管理」が必要な「廃棄物」として扱うものであり、製品として流通することを想定していない。
② 「特別管理廃棄物」を「再生資源等」から除くと規則で定める一方、運用面で「特別管理廃棄物」も無害化すれば「再生資源等」として使用できるというのは、規則改正を無意味にし、第2のフェロシルト問題を防ぐ手だてとなっていない。「特別管理廃棄物」は、有害性が高く、特別な処理基準が設けられ、通常の廃棄物より厳しい規制がされている廃棄物であり、安易にリサイクルを認めるべきではない。
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●三重県議会への要望書
2006年 3月14日
三重県議会議長 田中 覚 殿
議 員 各 位
三重県リサイクル製品利用促進条例改正について(要望)
産業廃棄物「フェロシルト」の環境汚染問題において、三重県は認定業者の不正行為をそのまま鵜呑みにし、本来、廃棄物として管理型処分場で管理され続けなければならないものをリサイクル製品として認定しました。三重県には被害を拡大させた重大な責任があります。今回の条例改正は、「フェロシルト」事件の再発防止としては不十分です。「フェロシルト問題に関する検討調査最終報告書」の提言がきちんと反映されていません。
この条例改正案は、わずか2週間のパブリックコメントを2月22日に締め切ったばかりで、結果の公表もなく上程されました。その点について県は、「パブリックコメントとして出された意見が規則改正に関するものであり、議決を要する条例本文には意見がなかったので条例改正案を議会に上程しても関係ない。規則はあとからでも変更できる」と主張しています。しかし、条例は条例本文だけではなく、規則や運用も含めて一体のものとして存在するものです。条例本文だけ議決しておいて、あとから都合の良いように規則と運用を勝手に決めることは、民主主義のルールに反します。
このようにパブリックコメント制度を行政の都合の良いように使っただけで、市民からの意見を全く無視した上、規則および条例の運用・解釈が明確になっていない段階での条例改正はすべきではないと考えます。今回の条例改正によって、大きな事件の再発がないよう慎重に審議していただき、この条例改正案を認めないよう強く要請します。
●三重県リサイクル製品利用推進条例の一部を改正する条例案の問題点
① 規則改正で、「毎時0.14マイクログレイを超えるもの」を「再生資源等」としないと書き込むことで、かえって、同基準以下の放射性廃棄物のリサイクル容認に根拠を与えていること。三重県が根拠とする国の「チタン鉱石問題に関する対応方針」は、あくまでも「管理」が必要な「廃棄物」として扱う際のものであり、製品として流通することを想定していない。
② 「特別管理廃棄物」を「再生資源等」から除くと規則で定める一方、運用面で「特別管理廃棄物」も無害化すれば「再生資源等」として使用できるというのは、規則改正を無意味にし、第2のフェロシルト問題を防ぐ手だてとなっていない。「特別管理廃棄物」は、有害性が高く、特別な処理基準が設けられ、通常の廃棄物より厳しい規制がされている廃棄物であり、安易にリサイクルを認めるべきではない。
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