素直じゃないと感じた今朝の7時のNHKのニュースの冒頭の菅さんの弁。
消費税増税のことに触れたことの問題を認めた後、
「あらためてスタートラインに立ったという気持ちで、責任ある政権運営を今後とも続けていきたい」との主旨。
自分の選挙のことならともかく、党という集団の数を争う最近の選挙、トップの方針の過ちを「もっと素直に」認めないのはいただけない。
「直人」という名ががすたる、といわれても仕方ない。
民主党の大敗という結果。
とはいえ、国民が自民党に軍配をあげたわけではなく、民主党の「敵失」と昨年の危機感から自民党が第一党になっただけだから、おごれば元の木阿弥。
選挙結果によっては、連立の組み替えもあるかと思ってみていたけど、「みんなの党」もこれだけ勝つと、「独歩」で行く雰囲気も感じる。
そして、民主の大敗は、「与党の連立で不安定ながらの運営」というよりは、「野党のまとまった連携」が勝るかもしれないと思わせる情勢。
やっぱり、謙虚さを失ったら国民はペケをつける、その程度の進化はしてきている「今の日本」だ。
ところで、昨夕、庭でマムシに出くわした。
このあたり、「昔」からマムシがよくいるところ。
百姓を始めた30数年前から、畑や家の周りで、毎年1匹か2匹は遭遇して「退治」していた。
それが、この10数年はまったく見ることもなかった。
ところが・・・・昨夕、投票と買い物を終えて帰ってから、
倉庫に野菜を取りに行ったとき、庭の通り道に「へび」がいた。
通常なら、気にしないけれど、「これなに? ヤマカガシ?」と珍しく気が向いた。
・・・ヤマカガシなら毒があるし・・・
それでも、普通ならそれ以上には気にしないけど、
そのときは偶然にも「懐中電灯」を手に持っていたので、照らしてみた・・・・
・・その頭のカタチと背の模様・・・・これは、ひょっとして・・・マムシ??!!と じっくりとみた・・・
・・・30センチほどの小物だけど、間違いなくマムシだった。
急いで移動する動きなら足で踏みつぶすむしかないと思いつつ、しばし様子をみると、相手はノンビリ・・
そこで、倉庫に行ってスコップを持ってきて・・・
「退治した」
それにしても、住宅の方へ進んでいくところだったから・・
久しぶりにマムシに注意することにしよう、今年は・・・
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6位、7位あたり
●民主敗北 衆参でねじれ状態に
NHK 7月12日 7時18分
11日に行われた第22回参議院選挙は、民主党が、改選議席を大幅に下回る44議席にとどまって敗北し、与党は、非改選の議席も含めて過半数を確保できず、国会は衆参で多数派が異なるいわゆる「ねじれ」の状態になりました。菅総理大臣は、続投の考えを表明しましたが、民主党内からは、改選第1党が自民党になったことで、執行部の責任を追及する意見が出ており、厳しい政権運営を迫られることになります。
第22回参議院選挙は、11日に投票が行われ、即日開票されました。定員121のうち、▽民主党は、全国で29ある定員1人の1人区で8議席にとどまったほか、現職の閣僚が落選するなどした結果、選挙区で28議席、比例代表で16議席のあわせて44議席で、改選議席の54を大きく下回り、敗北しました。
▽自民党は、1人区で21議席を獲得して圧勝するなど、選挙区で39議席、比例代表で12議席のあわせて51議席を獲得して改選第1党となり、勝利しました。
▽公明党は、候補者を擁立した東京・埼玉・大阪のすべての選挙区で議席を獲得しましたが、比例代表では6議席にとどまり、あわせて9議席と改選議席を2つ下回りました。
▽共産党は、選挙区で議席を獲得できず、比例代表で3議席と改選議席を1つ下回りました。
▽社民党は、選挙区で議席を獲得できませんでしたが、比例代表で2議席と改選議席を維持しました。
▽みんなの党は、今回が初めての参議院選挙で、東京・神奈川・千葉の3つの選挙区で議席を獲得し、比例代表の7議席とあわせて10議席と、躍進しました。
▽たちあがれ日本と新党改革は、ともに比例代表で1議席を獲得しました。
▽国民新党は、議席を獲得できず、改選議席を3つ下回りました。この結果、与党は、非改選の議席も含めて過半数を確保できず、国会は、衆参で多数派が異なる「ねじれ」の状態となりました。
与党は、参議院で法案が否決された場合、衆議院で再可決するのに必要な3分の2の議席を持っていないことから、予算案を除いて、野党側の協力が得られなければ、法案を成立させることができなくなります。選挙結果を受けて、菅総理大臣は「あらためてスタートラインに立ったという気持ちで、責任ある政権運営を今後とも続けていきたい」と述べ、総理大臣を続投する意向を表明するともに、枝野幹事長ら執行部体制を代えず、維持したいという考えを明らかにしました。
また、菅総理大臣は、今後の国会運営について「まずは国民新党との連立を大事にしたい。それを越えた問題は、どういう政策であれば、ほかの党といっしょに実現を目指すことができるのか、政策的な協議を行って、共同作業を進めていきたい。ていねいな国会運営の中で、実現できるものは合意を図っていきたい」と述べました。
これに対して、自民党の谷垣総裁は「菅総理大臣は、参院選で政権の信任を問うとしていたのに、続投は甚だおかしい」と批判するなど、野党側は、直ちに連携することはないとしています。また、菅総理大臣が執行部体制を代えない考えを表明したことについて、民主党内では、改選第1党が自民党になった責任は重いとして、枝野幹事長らの責任を追及する声が出ており、菅総理大臣は、厳しい政権運営を迫られることになります。
一方、自民党は、選挙結果について、政権奪還に向けたきっかけをつかむことができたとしており、国会対策などで野党の協力関係を強化し、菅政権に対し、早期の衆議院の解散・総選挙を求めていく方針です。
●民主大敗44議席、過半数割れ 自民51で改選第1党
2010/07/12 04:32 【共同通信】
昨夏の政権交代後初の本格的な国政選挙となった第22回参院選は11日投開票され、改選54議席以上を目標にした民主党は44議席にとどまる大敗を喫し、与党系議席は非改選を含め参院過半数(122)を12議席も割り込んだ。改選38の自民党は51に伸ばして改選第1党となった。菅直人首相が掲げた消費税率引き上げ論や政権10カ月の実績に厳しい審判が下った。
みんなの党は改選ゼロから10議席に躍進。首相は記者会見で続投を表明したが、厳しい政権運営を迫られるのは必至で、与党内で首相批判が広がる可能性もある。公明は比例代表、選挙区合わせて9、共産は比例の3、社民は比例の2だけで、3党とも改選議席を下回った。
参院選前に旗揚げした新党改革とたちあがれ日本はともに比例で1議席を獲得。与党の国民新党は比例、選挙区とも議席を取れなかった。
今回の改選議席は選挙区73、比例代表48。選挙区の獲得議席は自民39、民主28と大差が付いた。計12の改選2人区は民主、自民が分け合ったが、勝敗の鍵を握る計29の1人区で自民が民主を圧倒し、秋田、群馬、石川、島根、山口、佐賀、鹿児島など21選挙区を制した。民主の獲得は岩手、山梨、三重、滋賀、奈良、岡山、高知、大分の8選挙区にとどまった。
●選挙:参院選 与党過半数割れ 民主大敗44、消費税響く 自民51、改選第1党
毎日新聞 2010年7月12日
◇菅首相は続投表明
第22回参院選が11日投開票された。民主党は04年の50議席に及ばない44議席にとどまり、自民党の51議席を下回る大敗となった。自民党は「改選第1党」に復調。みんなの党も改選第3党となる10議席に躍進し、民主党は国民新党との連立与党で過半数を割り込んだ。菅直人首相は12日未明、自身の消費税引き上げ発言について「十分な説明が不足していたことが大きな(敗北の)要因」と認めたうえで続投を表明。「もっと慎重に、しっかりとした議論を進める丁寧な扱いを国民が求めた」と超党派の消費税協議を呼びかけた。
野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」の再現で政権基盤の弱体化は避けられず、首相は連立組み替えも視野に政策協議などの連携を野党に働きかけることになる。
民主党の44議席は菅首相が目標に掲げた「改選54議席以上」を大幅に下回り、参院での民主議席は非改選の62議席と合わせて106に減少した。連立を組む国民新党は議席を獲得できず、非改選の3議席が残った。同じく非改選の新党日本の1議席と合わせ、与党は110議席にとどまり、参院(定数242)の過半数(122)を12議席も割り込んだ。
参院の過半数確保には野党との連携が不可欠となるが、非改選も含め11議席に伸ばしたみんなの党だけでは、過半数に達しない。
勝敗は1人区で決した。民主は29ある1人区のうち27選挙区に公認候補を擁立したが当選は8人のみ。全選挙区に候補を立てた自民党は21勝8敗と大きく勝ち越し、6勝23敗と惨敗した07年から巻き返した。毎日新聞の世論調査では消費税引き上げへの反対が地方で強い傾向にあり、民主が1人区で大敗した背景に首相への反発があったとみられる。
選挙区全体で落選した民主現職は7人。比例では04年以来の「比例第1党」の座を守ったが、07年より4議席減の16議席にとどまった。自民は改選議席では第1党に立ったものの、比例は12議席で過去最低だった98、07年の14議席に届かず、本格的な党勢回復には至らなかった。
◇千葉法相が落選
2人区は12選挙区すべてで民主、自民両党が1議席ずつを分け合った。民主は10選挙区で2人を公認したが、今回も「すみ分け」が続いた。3人区(埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪)と5人区(東京)の6選挙区でも民主は公認候補2人を擁立し、東京では蓮舫行政刷新担当相ら2人が当選、愛知でも2議席を獲得した。他の4選挙区では1議席にとどまり、神奈川では千葉景子法相が落選した。
初の参院選に臨んだみんなの党は比例で7議席を確保し、東京、千葉、神奈川でも議席を獲得した。公明党は候補を擁立した東京、埼玉、大阪の3選挙区で3人全員が当選。比例は過去最低の89年と並ぶ6議席で、改選11議席を下回った。公明、みんなの両党は参院のキャスチングボートを握り、民主にとっては政策ごとの部分連合や連立組み替えを働きかける有力候補となる。
共産党は比例から東京選挙区に回った現職の小池晃党政策委員長が落選、比例の3議席にとどまった。社民党も比例で福島瑞穂党首ら2人の当選となり、両党は改選議席から減少した。たちあがれ日本と新党改革は比例で各1議席を獲得した。
07年参院選で民主党が大勝し、与党(自民、公明両党)が過半数を割ってから昨年の政権交代まで2年間続いたのが「ねじれ国会」。このときは与党が衆院で3分の2以上の多数を確保していたため、参院で否決された法案の再可決が可能だった。民主は衆院で300議席を超えるものの国民新などとの与党で3分の2には届かず、今後、野党の協力なしに法案を成立させられなくなる。【田中成之】
●
民主惨敗で与党過半数割れ 菅総理厳しい運営に
テレビ朝日 (07/12 05:58)
11日に行われた参議院選挙は、民主党が改選議席を下回り、与党の国民新党を加えても参議院で過半数割れしました。菅総理大臣は続投する意向を表明しましたが、今後、厳しい政権運営を迫られます。
民主党は1人区の多くで自民党候補に競り負け、選挙区で28議席にとどまりました。比例代表では16議席獲得したものの、合わせて44議席と惨敗しました。また、与党の国民新党は1つの議席も確保できず、与党で参議院での過半数に必要な56議席を獲得できませんでした。民主党など与党内には、「消費税」が大きな争点となったことで、菅総理大臣や民主党執行部の責任を問う声が出ています。ただ、菅総理は「国民に十分な説明ができていなかったことは反省する」としながらも、引き続き政権運営にあたる考えを強調しました。
菅総理大臣:「今回の選挙結果は真摯(しんし)に受け止めながら、改めてスタートラインに立った気持ちで責任ある政権運営を今後とも続けたい」
一方、自民党は改選の38議席を大きく伸ばす51議席を議席を獲得し、改選第1党となりました。
自民党・谷垣総裁:「こういう審判を頂き、有権者の皆さまに心から感謝申し上げたい。(代表質問で)参院選で信を問うという趣旨の答弁が(菅総理から)あった。この結果を合わせ、かんがみると、一刻も早く解散して国民に信を問うべきだ」
さらに、みんなの党は民主党への批判票を集め、東京と神奈川、千葉で新人候補者が当選したうえ、比例代表でも7議席を確保して合わせて10議席と躍進しました。
みんなの党・渡辺代表:「『増税のための超党派協議会』には反対です。国会行革超党派協議会のほうが先だと思う」
たちあがれ日本と新党改革は、それぞれ比例代表で1議席ずつ獲得しています。また、社民党は改選前から1議席減らして2議席となりました。
●民主50議席割れ、菅首相それでも続投へ
サンスポ 2010.7.12 05:04
昨夏の政権交代後初の本格的な国政選挙となった第22回参院選は11日投開票され、改選54議席以上を目標にした民主党は40議席台にとどまる敗北を喫し、非改選を含めた与党議席は参院過半数(122議席)を割り込んだ。自民党は改選38議席を大幅に増やして50台に乗せ、改選第1党となった。菅直人首相(63)が打ち出した消費税率引き上げ論や政権10カ月の実績に厳しい審判が下された。
菅首相は12日未明に都内で記者会見し、敗北を認めて陳謝した上で「消費税に触れたことが唐突感を持って国民に伝わったことや、事前の十分な説明が不足したことが大きな要因だ」と述べた。また「真摯に受け止めながら、あらためてスタートラインに立った気持ちで責任ある政権運営を続けていきたい」と首相続投の意向を表明した。
だが、野党が参院の主導権を握る「ねじれ国会」になれば、厳しい政権運営は避けられない。与党内で首相批判が高まることも予想される。
特に首相の消費税率引き上げ言及を批判してきた小沢一郎前幹事長(68)が執行部交代にとどまらず、独自の多数派工作に出て、主導権を握る可能性もある。9月の党代表選に向け、政権と党それぞれの運営をめぐり攻防が繰り広げられるとみられる。
●蓮舫氏171万超で最多 選挙区、最少13万7千票
2010/07/12 06:36 【共同通信】
参院選の選挙区で最も多い票を獲得したのは東京の蓮舫行政刷新担当相(民主)で171万1千票。初当選した2004年から80万票近く上乗せした。政権交代の象徴となった「事業仕分け」での活躍が圧倒的な集票につながったようだ。
90万票台で続いたのは、神奈川の小泉昭男、北海道の長谷川岳、愛知の藤川政人の各氏。いずれも自民党候補で、都市部での復調ぶりを印象づけた。
当選者の最少得票は高知の広田一氏(民主)で13万7千票。徳島、鳥取、山梨の3人も20万票に満たず、定数1当たりの有権者数が多い大都市圏との「1票の格差」が際立った。
落選候補の最多得票は神奈川の千葉景子法相(民主)で69万7千票。広田氏の5倍超の票を集めながら涙をのんだ。大阪の岡部まり氏(同)も61万8千票を取ったが敗れた。
●参院選・識者談話
時事 2010/07/11-23:11
◇生活大変なのにがっかり
経済評論家荻原博子さんの話 民主党の主張は前回の衆院選では「生活が第一」だったのに、今回はどこのスローガンか分からない「強い財政、経済」だった。前回、本当に生活が大変ということで民主党に投票した人たちはがっかりした。これに菅直人代表の消費税発言が追い打ちをかけた。何のために消費税を上げるのかはっきりせず、冗談じゃないという人が多かったのではないか。民主党もひどいが自民党にも戻りたくない、ということで投票率が低下したと思う。与党が過半数を取れず、またねじれ国会になると、こんな経済が大変な時に何も決まらなくなってしまう。
◇菅首相のプレゼンの問題
山田真裕関西学院大教授(政治行動論)の話 自民党は定員1人の選挙区での頑張りが効いた。公明党との選挙協力が奏功したのではないか。一方、比例区ではあまり伸びておらず、ブームと言えるようなものではない。
民主党にも風は吹いていなかった。1人区での負けが大きい。「消費税10%」が直接ダメージになったわけではないが、世間が不況に苦しんでいる状況で言及した菅首相のプレゼンテーションの問題。安心して任せられない印象を与えてしまった。
◇有権者迷った
作家高村薫さんの話 前回民主に投票した人がどこに入れようか非常に迷った選挙だったと思う。迷った結果、自民やみんなの党にいくらか流れた。民主が見限られたわけではなく、この10カ月間の評価として「このままじゃ困る」と点数を付けられたということ。何にしても説明不足。マニフェスト(政権公約)が変わった理由も、消費税10%の根拠も、有権者が納得できる説明がない。
これまでなら投票に行かない有権者が多かっただろうが、それほど投票率が落ちなかったのは、それだけ生活が厳しい、何とかしてくれということだろう。
●参院選・識者談話
2010/7/12 1:09 Japan Real Time
11日投開票の参院選では、連立与党の過半数割れが確定的となった。今回の選挙結果について、識者の見方を聞いた。
白鳥令氏(日本政治総合研究所理事長)
菅さんはもともとイメージとしては市民運動家で、国民としては権力を振りかざす格好ではないと思っていたが、さまざまな意味で見ていると、小泉内閣の影響を受けている。小泉さんのやったように、党内を半分を悪者にして、それで人気を回復しようとする。今回も小沢氏のグループを悪者にして人気にしようとしたり、ひとつのイッシューを前面にだして(小泉さんは郵政の民営化を表に出してほかの問題を蹴散らしたわけだが)それと同じように消費税のことを表に出して、沖縄の問題を隠してしまうとか、小泉内閣の影響を受けている。それが、国民にある種の権力志向のイメージをだして、国民のバランス感覚で、このまま参議院にも過半数をあげるとあぶないという格好になった。
草野厚氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)
民主大敗の参院選の結果は、菅政権にとり衝撃だ。敗因は世論を見誤り、前政権の政治とカネや日米関係の失敗を隠そうとしたこの政権の本質によるものだ。鳩山、小沢の二人が辞めた直後の支持率V字回復で、みそぎは済んだと勘違いし、消費増税を党内、政権論議を経ずしてぶち上げた。財政再建が念頭にあったとしても、その真意は、消費税の10%への引き上げを主張するライバル自民党つぶしであったことは間違いがない。衆院では民主党が多数を占めているため、菅政権は続くが、参院で否決された法案を衆院で覆す三分の二には達していないので再議決はできない。野党からの引き抜きや、政策ごとの連合が模索されるが容易ではない。政治は中期的には再び混迷する。長期政権を期待した民主党には手痛い打撃だが、前政権の政策上の失敗の総括も行わなかったつけがまわってきたといえよう。
飯尾潤氏(政策研究大学院大学副学長・教授)
予想以上に民主党が苦戦し、過半数割れどころか、大幅に議席を減らしたのは、消費税問題だけではなく、民主党政権への不満が高まっていることの表れである。参議院選挙なので、すぐに菅直人内閣が立ちゆかなくなるわけではないが、政策的な優先順位を見直すとともに、首相のリーダーシップのあり方を含め政権運営方法を見直す必要がある。参議院で過半数を確保するには、小手先の対応では無理であり、こうした慎重な検討の上に、連立の組み替えなどの議論をすべきである。管政権が落ち着いて事態に対処しなければ、政治状況が流動化する恐れがある。
デニス・ヤストモ氏(米スミス・カレッジ教授)
民主党は昨年8月の衆院選で地滑り的勝利を収め、日本もようやく2大政党制に移行したとの楽観的な見方も聞かれた。しかし、この政権交代で誕生したのは複数政党による連立政権にすぎない。それが現実だ。民主党は政権運営能力を欠き、その枠組みもうまく機能させることができなかった。今回の参院選は、弱体化した2大政党と、スポットライトを奪い合ういくつかの少数政党が乱立する構図となった。有権者の判断は、民主党に警告を発しながらも、自民党の復権にも踏み切れず、小政党は小政党のままにした、といったところだろう。菅直人首相は景気浮揚に向けて「第3の道」政策を打ち出したが、今回の選挙では、「民主党や自民党ではなく、他の政党でもない」という「第3の道」を有権者が望んでいることが示されたと言える。
●与党、参院で過半数割れ:識者はこうみる
ロイター 2010年 07月 12日 00:23
[東京 11日 ロイター] 第22回参院選は11日、投開票が行われ、与党・民主党の獲得議席は50議席に届かない見通しとなり、国民新党を合わせた連立与党の参院議席数(非改選含む)が過半数を割り込むことが確実となった。市場関係者の見方は以下のとおり。
・・・・
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今日は、いよいよ投票日。
私は、せっかく交替した政権の揺り戻しを望んではいない。
でも、菅総理の先走りで情勢は混沌。
昨年8月の政権交替の選挙、そのときほどではないとはいえ、注目の開票速報。
最近の選挙報道、とくにテレビ各局は、いつもいろいろと工夫しているので、今日の投票日の選挙番組の予定を集めてみた。
番組の視聴率アップに寄与するように。
夜は、報道を楽しもうと思っている。
そのあと、サッカーの決勝もあるけど・・・
ところで、昨日、名古屋で会った人が、
「以前からツイッターをやっていて、
その方では結構広く見てもらっている。
ところで、てらまちさんのブログは
1年前から見ていますよ。
お会いできて良かった。」
とのことだった。
出会いは面白いもの。
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7位あたり
●投票率に気をもむ陣営 東京都内、当日の天気予報は「曇り一時雨」
共同 7.11
政権交代後、初めての国政選挙になる参院選の投票率はどれぐらいになるのだろうか。一般的に投票率が低ければ組織選挙を戦う陣営が有利になり、高ければ、民意の「風」を受けやすくなる。民主党が参院の第一党に躍進した二〇〇七年の前回選の投票率は57・87%だ。
有権者一千万人の東京で1%は十万人に相当し、勝敗の行方を左右する。さて、上がるのか、下がるのか-。
「強烈な争点がなく、街の盛り上がりがない。やや下回るか、せいぜい前回並みでは」とは、ある与党陣営の幹部。野党陣営も「政治とカネや普天間の問題で関心が高まっていたが、首相の消費税発言で焦点がぼけてしまった。50%前半ぐらいか」「サッカーや相撲の賭博問題などで、選挙以外のニュースもたくさんあった」とする見方が多い。
別の野党陣営からは「消費税問題は年金問題のときのようには関心を集めていない。60%ぐらいまで上がれば、浮動票の増加も期待できて有利に…
●開票速報「当確」競争 データの「出口調査」どうやってるの
j-cast 2010/7/ 8 17:15
今週日曜日の参院選投開票で、各テレビ局は「他局より1秒でも早く当確を打てるか」に血道を上げることになるが、ここで威力を発揮するのが「出口調査」だ。投票所の出口で有権者をつかまえ、だれに投票したかを聞き取りアンケート調査するもので、事前の情勢調査と重ね合わせて候補者の当落を予想する。
開票が始まったとたんにバラバラと当確が出るのは、この出口調査をもとに最終得票数をかなり正確に「計算」することができるからだ。
ほどなく当落はわかるのに、なぜ「早打ち競争」をするのか。当確を他局よりも早く打てれば、当選者をインタビューに引っ張り出せ、その瞬間にそれぞれの選挙区の視聴率がハネ上がるからである。
では、出口調査はどんな方法で実施されているのか。大手メディアの担当者が説明する。
「NHKなどは全国すべての投票所で実施してますね。新聞や通信社は予算次第で、調査投票所の数も人数も違います。ウチでは投票開始から投票終了まで、50人ごとに聞きます。ある有権者に聞いたら、次は51人目、3人目は101番目ということです。断られても、次の人に聞くことはしません。断るのもひとつの回答ですから、それも含めて計算します。連続して聞かないのは、続けて聞くと政党や後援会の『動員』だったり、『同じ家族』だったりして、傾向が偏ってしまうからです。
ひとつの投票所の出口調査の結果だけでは当落は予想できませんが、選挙区全体で集計すると、まず違うことはありません」
それでも「当確」の打ち間違いが起きるのは、候補者取材の記者の「期待」や「思い込み」が入り込むからだという。
調査にあたるのはアルバイト。多くは学生だが、投票日は日曜日なのでサラリーマンの休日バイトも少なくない。日当は1万円前後。立ちっぱなしだから、結構しんどい。
●【参院選24時】候補者の開票日の過ごし方
産経 2010.7.10 14:10
11日の投開票に向け、17日間にわたって全国各地で繰り広げられてきた選挙戦も10日が最終日。各候補者はこの日朝から、「最後のお願い」に奔走している。
連日、街頭演説などを繰り返してきた候補者も投票日はマイクを握るわけにはいかない。11日は開票作業が始まる夜まで、とりあえず自宅などでゆっくりと過ごし、有権者の審判の結果を待つという候補者も多い。
◇友人とゆっくり
投票は一部を除いて午後8時に終了し、9時前後から開票が始まる。その後、大勢が判明するころを見計らって支持者が選挙事務所に集まってくる。当選が決まれば、候補者も事務所に訪れ支持者らとともにバンザイするというのが“定番”の当選風景だ。
大阪選挙区のある新人候補は選挙結果が分かるまでは友人宅で過ごす予定だ。スタッフは「候補者は出馬表明から休みなしに走り回ってきた。投票日の数時間くらいは友人とゆっくりしてほしい」という。
◇当選後の準備
また、別の候補者は自身の投票を済ませた後、夕方ごろには事務所に入り、テレビの開票速報を見るという。陣営関係者は「今まで一緒に戦ったスタッフたちの近くで開票を見守りたいのでしょう」と話した。
当選後の準備をするという候補者もいる。これまでに支持者らから寄せられた提言などをもとに政策を考える時間にあてるという。陣営は「国会議員は選挙期間中よりも当選後のほうが大変。『開票日くらいゆっくりしよう』なんて思っていてはいけない」と言い切った。
●え~っ!?参院選で「日当9万円」
サンスポ 2010.4.13 05:03
総務省が夏の参院選の開票速報システムのソフト導入や保守などに当たる技術者の時給を1万1800円、日当で9万4400円と見積もっていたことが12日、分かった。
渡辺周総務副大臣(48)は共同通信の取材に「常識外の積算単価に平然としている役人の感性はおかしい。認めるわけにはいかない」と、単価を見直し予算額を圧縮するよう指示する考えを示した。
総務省などによると、時給は大手電機メーカーが出資する「日本電子計算機」社が作成した「技術者サービス料金」表に基づき計算したもので、総務省の中央選挙管理会分と都道府県の選挙管理委員会分を合わせた開票速報経費として計約4億3625万円を、先に成立した2010年度予算に計上していた。
●参院選の選挙違反容疑90件、投票終了後に捜査着手へ
朝日 2010年7月11日7時39分
参院選の選挙違反取り締まりを進めてきた全国の警察本部は、11日の投票時間終了後をめどに全国で約90件について公職選挙法違反の疑いで捜査に取りかかり、約170人を取り調べる。警察庁が10日、発表した。2007年の前回参院選の同時期より約40件多いが、04年の前々回より10件少ない。大半が買収容疑という。
9日までの逮捕者は18人で前回より3人少ない。ポスターをはがしたり街頭演説を妨害したりする自由妨害容疑が14人、投票干渉が1人など。9日までの警告数は1836件で前回より158件減。
● フジテレビ FNN踊る大選挙戦2010
FNN踊る大選挙戦2010
政権交代後初の国民審判…日本の未来はここから始まる! 投票終了からの動きを“リアルタイム・ドキュメント”で伝えます。
日本の行方を決める国政選挙。政権交代後初となる今回の参院選の注目点は、なんといっても誕生から1カ月となる“菅・民主”が何議席を獲得するか、です。果たして高い支持率を背景に単独もしくは与党過半数を獲得するのか、あるいは与党過半数割れで新たな連立が誕生するのか、民主党の獲得議席数がその後の政局、そして日本の未来を大きく左右することになります。
番組では、午後8時の投票終了と同時に出すFNN議席予測を受けてからの動きに徹底的にこだわります
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●テレビ選挙速報の舞台裏教えます
当落判明後の映像にこそ選挙戦の真実がある
JanJanニュース 田中龍作 2009/08/29
8月30日は、有権者が主人公となる政権選択選挙の投開票。小泉劇場で有権者を投票に駆り立てた前回(2005年=67・51%)以上の投票率になるものと予想されている。視聴率を稼ぎたいテレビ各局は30日夜、いずれも「選挙特番」を組む。
総務省から指導を受けたりと人騒がせな「テレビ選挙速報」の舞台裏はどうなっているのだろうか――。
【投票箱のフタが閉まる午後8時ちょうどに有力候補者の「当選(NHKは当確)※注」が出るのはなぜか?】
投票用紙を数え始めてもいない時間なのに「当選」と分かるのは確かにおかしい。中学生でも変だと思うはずである。
仕掛けはこうだ。選挙区の情勢について記者の取材や世論調査で「A候補=○○票」「B候補=○○票」……と絞り込む。これを「票読み」と呼ぶ。そして投票当日の出口調査で1位候補が「票読み」通りに順調に出ていれば、投票が終わる午後8時を待って「当選」を出す。
政権交代を争点にした今回の衆院選。有権者の関心は高く投票率は70%に達するとの予想もある。
【その時点の得票数では2位なのに、なぜ1位を抜かして「当選」と報道するのか?】
開票作業は市町村選挙管理委員会ごとに行われる。有権者が多い都市部ほど開票結果が出るのが遅れる(投票総数が多いため)。都市部で他候補より多くの得票が見込まれる候補は、その時点では2位でも「当選」を出す。周到な「票読み」取材と出口調査に基づくものだ。
【「当選」の誤報はなぜ発生するのか?】
2つのケースがある。1つは甘い「票読み」取材。政党間の裏取引や投票前夜(投票当日の未明)に動く票などもカウントしなければならない。ここがズサンだと情勢を見誤る。誤報が発生するのは接戦の場合だ。余計に綿密な「票読み」取材が要求される。
もう1つはコンピューターへの入力ミス。とくに予想得票総数を間違って少なく打ち込んだりすると、まだ形勢がはっきりしていないにもかわらず、その時点での1位候補に「当選」が出たりする。
【当落判明後の映像にこそ選挙戦の真実がある】
「○○候補は○○党の支持層を固めた他、無党派層にも支持を広げ得票を伸ばした」などとキャスターが決まり文句を垂れる。こんなものは情報でも何でもない。当り前のことだ。
当落判明後、当選候補の選挙戦を振り返った映像が流されるが、この中にこそ「だからこの候補者は当選したのか」と思わせる映像情報が込められている。「あれっ、この有力人物はこれまで自民党側についていたのに、この映像では民主党側だぞ」と一目で分かるカットがあったりする。地殻変動を雄弁に物語る映像だ。
また「勝手連がこれだけ活発に動けば無党派層の支持が得られて当然」と分かったりするのも映像の説得力だ。開票前にこうした映像を流すと公選法で定めた「公平の原則」に反するので、当落が判明するまで待っているのだ。
ご存知の有名人や大物が写っていないか、目を凝らしてテレビを見よう。
【日頃あやふやな報道を垂れ流す局は選挙報道も同様】
確度が高く豊かな情報を持っている記者には、陣営の選挙参謀のトップが対応する。記者は当落を左右するほどの情報を小出しにし、見返りとして参謀からは「すでに固めた票数。ライバル候補から剥がしに行く目標票数」などの情報を得る。
こうした記者を多数擁している局の選挙報道は充実している。日頃の報道もしっかりしている。その逆が日頃あやふやな報道を垂れ流す局だ。選挙報道も同様にいい加減だ。選挙情勢取材、選挙報道は特別なことをするわけではないからだ。
【女子アナの独自コメントは眉にツバつけて聞け】
アイドル・タレントと見間違えるような女子アナを党大会や国会外での党首討論などでよく見かける。彼女らの中には政治家にマイクを出してインタビューした程度で政治が分かったようなコメントをのたまう手合いがいる。
彼女らは選挙報道もこんな調子だ。選挙という「票取り合戦」は、水面下で生き死にをかけて繰り広げるものだ。マイクの前で水面下の工作を明かすバカな政治家やマヌケな参謀はいない。
記者の書いた原稿を読むのならともかく、女子アナが独自で吐いたコメントは眉にツバをつけて聞いた方がよい。
※注 当選(NHKは「当確」)
当選は得票数を集計している各都道府県の選挙管理委員会が、2位の候補が残り票数すべてを得ても1位候補には並ばないと判明した時点で宣言する。だが選管の宣言を待っていたのでは速報にならないので、民放各社があくまでも「私報」として「当選」と報道する。
× × ×
速報の競い合いもさることながら、テレビ各局は演出面でも勝負をかける。「テレビ朝日」は、古館伊知郎キャスターの司会に朝日新聞政治コラムニストの星浩氏と時事通信・解説委員長の田崎史郎氏が加わる。「TBS」はキャスターでベテラン政治記者の後藤謙次氏の解説にビートたけしの毒舌が炸裂する。
好対照なのが「フジテレビ」だ。テレビ界きっての美女・滝川クリステルと1番人気の高島彩の2枚看板で高視聴率を狙う。どの局を選ぶかは視聴者の好みしだいだ。筆者はインターネットで当落の情報を得ながら、「フジテレビ」で視覚的に楽しもうと目論んでいる。
日本の政治風景が劇的に変わる総選挙をどう伝えるか。30日の夜が楽しみだ。
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参議院選挙は、今日が最後の運動の日。
しかし、あまりみんなの興味を呼ばないらしい。
位置づけとして「選挙結果が政権交代にはつながらない参院選」ということからすれば仕方ないかもしれない。
しかも、相撲の賭博問題やサッカーのワールドカップが連日報道される中で、目先が変わる。
加えて、消費税増税の提起で「菅新首相」への人気も、どれだけ議席が獲得できるかへの今日も大幅減。
そんな意外な流れとなって、大転換のあまり期待できない今回の選挙の総括の報道を記録しておこう。
「党首 ○キロ 走る」というような報道も出ていることだし。
こちらは、今日は、午後、愛知県の刈谷市で会議があるので、午前中に岐阜市内で用事を済ませて、JRで刈谷へ向かう。
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6位あたり
●参院選:11日投開票 W杯や角界賭博で関心薄く
毎日新聞 2010年7月9日
参院選の投開票日が11日に迫り、投票率にも注目が集まる。今回は、サッカー・ワールドカップ(W杯)や野球賭博問題で角界が大揺れとなった時期と重なり、メディアでもこの二つが大きく取り上げられ、参院選に関する放送時間は短くなった。国政選挙のたびに利用者が増えてきた期日前投票も伸び悩んでおり、前回07年の参院選(58.64%)を下回る可能性を指摘する専門家もいる。
総務省によると、公示後10日間の期日前投票者数は、前回に比べ約2%増の約408万人。最初の3日間は前回比約15%増だったが、その勢いはなくなっており、関東では栃木県を除く全都県で前回を下回っている。総務省の担当者は「04年の制度導入以降、国政選挙ごとに利用者が増えてきたのに」と気をもむ。
選挙プランナーの三浦博史さんは「タレント候補や有名議員を除いては、街頭演説の人出は低調な傾向」と指摘。原因を「民主、自民両党が消費税増税をうたって争点がはっきりせず、W杯や大相撲問題に押されて報道も少ない」と分析する。
若者の投票率向上を呼びかける学生団体「ivote(アイ・ヴォート)」の副代表、武内謙さん(22)も「学生は選挙よりW杯」と話す。就職状況の厳しさもあって政治への関心は低くないが、「昨年の衆院選に比べると反応が鈍い」という。
投票率はどうなるのか。三浦さんは「前回並みか、下がる可能性もある」と予想。一方、松本正生・埼玉大教授(政治意識論)は「最近は『みんなが参加するイベントには加わっておきたい』という多数派志向があり、投票率は前回並みか、多少上がるのではないか」と見ている。
当日の天候も投票率の動向を左右するとみられる。一般的に投票率が高くなる天候は、終日曇りや午前中に雨が降って外出を控えた後に雨が上がるパターンと言われる。気象庁は11日の天気について、北日本では曇りや晴れ、東日本から西日本では曇りや雨の地域が多いと予想している。【福永方人】
◇テレビ放送時間も少ない傾向
参院選の報道が少ないことは、テレビの放送時間の調査結果にも表れている。
テレビ番組調査会社「エム・データ」(東京都港区)によると、参院選公示日(6月24日)から今月8日までの15日間にNHKと在京の民放5局の番組(いずれも地上波)で取り上げられたテーマごとの時間は、サッカー・ワールドカップ(W杯)=166時間29分▽参院選=73時間5分▽大相撲の野球賭博問題=73時間5分。
W杯の日本対デンマーク戦(6月25日)、日本対パラグアイ戦(同29~30日)の前後や、大相撲の名古屋場所開催決定(同28日)、番付発表(7月5日)などの日は、参院選の放送時間が短くなった。
昨年の衆院選の公示日から投開票日3日前(10日間)は86時間48分で、選挙結果が政権交代にはつながらない参院選ということもあってか、放送時間が短い状況が続いている。【福永方人】
●トップは谷垣氏、首相は3位=9党首で地球3周分-遊説距離・参院選
時事 2010/07/10-05:47
参院選は10日、選挙戦最終日を迎えた。6月24日の公示から17日間、主要9党の党首は全国各地を飛び回った。9党首の移動距離の合計は、10日夜の「最後のお願い」も含めると約12万8200キロに達し、地球3周分に相当する。トップは自民党の谷垣禎一総裁で約1万8900キロ。菅直人首相は1万6200キロで3番目だった。
首相は選挙期間中、22都府県を駆け抜けた。先月24日夜から同28日まで、カナダでの主要国首脳会議(サミット)出席のため日本を離れたが、遊説を再開した同30日には、ヘリコプターやチャーター機を乗り継ぎ、青森、秋田、山形の東北3県で支持を訴えた。自民党と接戦を繰り広げる「1人区」を重点的に回り、特に青森、山形、福井、熊本4県には2度足を運んだ。10日夜は激戦区の千葉で遊説を締めくくる予定だ。
谷垣氏は30都道府県を移動。最重点区に位置付ける山梨で遊説をスタートさせ、29ある「1人区」のうち18選挙区を訪れた。1人区での勝利が与党を過半数割れに追い込む近道との判断からだ。
谷垣氏に次ぐ2位は、社民党の福島瑞穂党首の1万6900キロ。沖縄には2度入るなど、16都道府県を走り回った。
公明党の山口那津男代表は公認候補を擁立した東京、埼玉、大阪を重点的に遊説。国民新党の亀井静香代表は、比例票の掘り起こしを狙い、都市部を中心に駆け回った。共産党の志位和夫委員長や、みんなの党の渡辺喜美代表、新党改革の舛添要一代表、たちあがれ日本の平沼赳夫代表も全国各地でマイクを握った。
●9党首合わせ地球2周半 参院選遊説の移動距離
2010/07/10 06:14 【共同通信】
6月24日の参院選公示以降、与野党の各党首は全国各地を遊説し熱弁を振るった。10日までの17日間に9党首が移動した距離を、各党の公表資料などを基に集計すると、10日午後に予定している分を含めて計10万8千キロ余り。地球を2周半(1周約4万キロ)回った計算になる。
菅直人首相(民主党代表)はヘリコプターやプライベートジェット機も駆使し、東北から九州まで22都府県を訪れ、移動距離は1万2千キロ。公示翌日から4日間、カナダ訪問で日本を離れていたことや、北海道と沖縄に入らなかったこともあり、都道府県数、距離とも自民党の谷垣禎一総裁らに及ばなかった。
谷垣氏は北海道から鹿児島まで30都道府県、1万5900キロを回った。一つの県で5会場を回るなど、きめ細かい遊説を展開し、接戦が続く埼玉や千葉などは2度訪問した。都道府県数は9党首中トップ、距離は社民党の福島瑞穂党首に次ぐ2位だった。
福島氏の移動距離は1万6900キロ。節目の公示日と選挙戦最終日を含む3度にわたる沖縄訪問で移動距離が伸びた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、県内移設の政府方針に反対し鳩山由紀夫前首相に罷免された経緯から、沖縄での大量得票を期待しているとみられる。
公明党の山口那津男代表は公認候補を擁立した東京、埼玉、大阪の3選挙区を中心に14都道府県を回り、移動距離は9500キロ。首都圏を中心に小まめに遊説した共産党の志位和夫委員長は1万900キロ。国民新党の亀井静香代表は1万2700キロで、9党首の中で最高齢の73歳ながら距離で3位に付けた。
参院選に初挑戦した3新党の中で最多の44人の公認候補を擁立したみんなの党の渡辺喜美代表は、有力候補がいる東海道沿線の選挙区を重点的にてこ入れし1万600キロ。たちあがれ日本の平沼赳夫代表は北海道、東北、四国などに足を伸ばし、移動距離は1万1500キロに及んだ。
●与野党党首、最後の訴え 各地で議席上積み目指す
2010/07/10 05:59 【共同通信】
参院選の選挙戦最終日の10日、民主党代表の菅直人首相ら与野党の党首は、接戦を展開する全国の重点区でそれぞれ議席上積みを目指し、11日の投票日に向け、最後の訴えを繰り広げる。
昨年の政権交代後、初の審判を受ける菅首相は福井、東京、神奈川、千葉の1都3県を駆け巡り、目標の与党過半数確保へラストスパートをかける。対する自民党の谷垣禎一総裁は与党を過半数割れに追い込もうと、激戦の山梨、埼玉両県や東京都で政権批判を展開。
このほか公明党、共産党、国民新党、新党改革、社民党、たちあがれ日本、みんなの党の主要与野党幹部が全国各地に散り、10日夜まで有権者にそれぞれの主張を訴える。
●風はどこへ:’10参院選 どうなる投票率 期日前、公示後10日間は低調
◇ W杯・賭博問題に押され…
毎日新聞 2010年7月10日
参院選の投開票日が11日に迫り、投票率にも注目が集まる。今回は、サッカー・ワールドカップ(W杯)や野球賭博問題で角界が大揺れとなった時期と重なり、メディアでもこの二つが大きく取り上げられ、参院選に関する放送時間は短くなった。国政選挙のたびに利用者が増えてきた期日前投票も伸び悩んでおり、前回07年の参院選(58・64%)を下回る可能性を指摘する専門家もいる。【福永方人】
総務省によると、公示後10日間の期日前投票者数は、前回に比べ約2%増の約408万人。最初の3日間は前回比約15%増だったが、その勢いはなくなっており、関東では栃木県を除く全都県で前回を下回っている。総務省の担当者は「04年の制度導入以降、国政選挙ごとに利用者が増えてきたのに」と気をもむ。
選挙プランナーの三浦博史さんは「タレント候補や有名議員を除いては、街頭演説の人出は低調な傾向」と指摘。原因を「民主、自民両党が消費税増税をうたって争点がはっきりせず、W杯や大相撲問題に押されて報道も少ない」と分析する。
若者の投票率向上を呼びかける学生団体「ivote(アイ・ヴォート)」の副代表、武内謙さん(22)も「学生は選挙よりW杯」と話す。就職状況の厳しさもあって政治への関心は低くないが、「昨年の衆院選に比べると反応が鈍い」という。
投票率はどうなるのか。三浦さんは「前回並みか、下がる可能性もある」と予想。一方、松本正生・埼玉大教授(政治意識論)は「最近は『みんなが参加するイベントには加わっておきたい』という多数派志向があり、投票率は前回並みか、多少上がるのではないか」と見ている。
当日の天候も投票率の動向を左右するとみられる。一般的に投票率が高くなる天候は、終日曇りや午前中に雨が降って外出を控えた後に雨が上がるパターンと言われる。気象庁は11日の天気について、北日本では曇りや晴れ、東日本から西日本では曇りや雨の地域が多いと予想している。
◇TV放送時間も短め
参院選の報道が少ないことは、テレビの放送時間の調査結果にも表れている。
テレビ番組調査会社「エム・データ」(東京都港区)によると、参院選公示日(6月24日)から今月8日までの15日間にNHKと在京の民放5局の番組(いずれも地上波)で取り上げられたテーマごとの時間は、サッカーW杯=166時間29分▽参院選=73時間5分▽大相撲の野球賭博問題=73時間5分。
W杯の日本対デンマーク戦(6月25日)、日本対パラグアイ戦(同29~30日)の前後や、大相撲の名古屋場所開催決定(同28日)、番付発表(7月5日)などの日は、参院選の放送時間が短くなった。
昨年の衆院選の公示日から投開票日3日前(10日間)は86時間48分で、選挙結果が政権交代にはつながらない参院選ということもあってか、放送時間が短い状況が続いている。
●選挙:参院選 あす投票、過半数かけ激突 消費税、首相影響認める
毎日新聞 2010年7月10日
<追跡>
第22回参院選は11日投開票され、昨年9月に発足した民主党政権が初めて国民の審判を受ける。国民新党などとの連立与党で過半数を維持できる56議席に達するかが焦点。民主党にとっては毎日新聞が7、8日実施した全国世論調査で内閣支持率が43%に急落する厳しい情勢で、過半数割れを見越した与野党間で「連立組み替え」の駆け引きも始まる中、選挙戦最終日の10日を迎えた。(2、5面、社会面に関連記事、10面に候補者一覧)
菅直人首相は9日、山形県天童市で記者団に「私が消費税に触れたことが、すぐに引き上げるのではないかという心配につながったのかもしれない」と語り、自らの発言が選挙情勢に影響を与えていることを認めた。街頭では「次の衆院選までは消費税は1円たりとも上げないと言ったつもりだった。残念ながら伝わりきらなかった」と演説するなど、消費税問題の釈明に追われる形になっている。
参院の定数は242で、3年ごとに半数の121議席が改選される。全国に12ある改選数2の選挙区(2人区)は民主、自民が1議席ずつ分け合う「すみ分け」傾向が今回も続く情勢で、主戦場は29ある1人区。沖縄を除く28選挙区で民主、自民両党の公認・推薦候補が激突する。
消費税発言への反発は都市部より地方で強まっており、山形など1人区の民主党候補は影響に神経をとがらせる。菅首相は同日、青森にも入り、八戸市で「政権交代を10カ月で逆戻りさせるのか、もっと前に進めるのか」と訴えた。選挙戦終盤は「安定か、混乱か」の選択を呼びかける演説が目立っている。
連立与党の非改選議席は66。今回、菅首相は改選議席の54以上を目標に掲げるが、1人区で自民党に負け越すようだと、その達成も難しい。国民新党は1議席の獲得も微妙な情勢。民主党内では小沢一郎前幹事長らが首相の消費税発言を公然と批判しており、目標を割り込めば首相や党執行部の責任論が出ることも予想される。
民主党の枝野幸男幹事長は9日、高知市で記者団に「憲法では首相を選ぶのは衆院。300を超える方に指名をいただいた基本は変わらない」と述べ、参院選の結果にかかわらず首相は続投すべきだとの考えを強調した。
自民党の谷垣禎一総裁は9日、千葉市で記者団に「ちょっと油断すると一遍に押し返されてしまう」と述べ、党内の緩みを警戒。街頭演説では「菅さんは自民党との差をなくして争点をつぶすために消費税を提起した。こういう手練手管の姿勢では日本をリードする政治は生まれない」と民主党批判を強めた。
公明党や新党改革、たちあがれ日本も消費税引き上げは否定していないが、みんなの党や共産、社民両党に加え与党の国民新党も消費増税反対を訴え、民主党批判票の取り込みを図っている。【野原大輔、山田夢留】
●【参院選】あす投開票 過半数割れでも首相続投 枝野氏らの進退焦点に
産経 2010.7.10 00:44
昨年9月の政権交代後初の国政選挙となる第22回参院選は11日に投票が行われ、即日開票される。連立政権の実績が問われるが、菅直人首相の消費税率引き上げ発言を受け、内閣支持率は下落傾向にあり、首相が勝敗ラインに掲げた民主党「54議席以上」獲得は困難となり、与党過半数割れの公算が大きくなった。民主党の枝野幸男幹事長は、参院選の行方にかかわらず首相の続投を明言したが、枝野氏をはじめ党執行部の責任問題が浮上することは間違いない。
「憲法では首相を選ぶのは衆院となっている。衆院で300人を超える方に首相指名をしていただいた。その基本は変わらない」
枝野氏は9日、遊説先の高知市で記者団に対し、参院で与党過半数割れとなっても首相が続投するとの考えを表明した。
首相は参院選公示日の6月24日、「すぐあきらめてしまう考えはまったくない」と述べ、目標議席を獲得できなくても続投する意向を表明。9日には遊説先の山形県天童市で記者団に「責任ある政治を継続すること以上は考えていない。まさに人事を尽くしきる」と述べた。
その上で首相は「私が消費税に触れたことがすぐに(税率を)引き上げるのではないかとの心配につながったかもしれない」と述べ、自らの消費税をめぐる発言が参院選に影響したとの認識を示した。
仙谷由人官房長官は9日の記者会見で「予測記事についてあれこれ言うよりも安定した政権を作るために国民に信頼を与えていただきたい」と述べた。
しかし、与党過半数割れで衆参ねじれとなれば、国会運営が困難になることから、党執行部の責任論が浮上するのは必至となる。
民主党関係者によると、枝野氏は民主党が50議席を割り込む事態を想定し、「大きく負けたら(幹事長を)辞めないといけなくなるかもしれない」と周囲に漏らしたという。選挙実務を担う幹事長らが投開票直後に辞任することで首相の責任論を回避することも検討しているとみられる。
一方、みんなの党の渡辺喜美代表は9日夕、都内ので街頭演説で「3年前に自民党政権が参院選でボロ負けした時に民主党は『参院だって選挙で負けたら首相は退陣しろ』と言った。選挙で負けたら首相が責任取って辞めるのは当たり前じゃないか」と述べた。
◇ 参院選には改選121議席(選挙区73議席、比例代表48席)に対し、計437人(選挙区251人、比例代表186人)が立候補、平成19年の前回参院選(377人)を大きく上回る。
終盤情勢では12ある2人区で自民、民主が議席を分け合い、29の1人区でも拮抗。都市部などでみんなの党が支持を伸ばしている。
●参院選結果関係なく首相続投 枝野氏、過半数割れでも
2010/07/09 13:31 【共同通信】
民主党の枝野幸男幹事長は9日、与党の過半数維持が厳しくなっている参院選(11日投開票)の結果にかかわらず、菅直人首相が続投するとの認識を明らかにした。
遊説先の高知市で記者団が参院選敗北時の首相の責任について質問したのに対し「日本の憲法では首相を(最終的に)選ぶのは衆院となっている。衆院で300人を超える方に首相指名をしていただいている。その基本は変わらない」と述べた。首相らが目標とする民主党の改選54議席以上の獲得や与党で過半数が確保できなかった場合でも、憲法に基づき衆院での首相指名が優先されるとの考えを示したものだ。
首相自身は参院選が公示された6月24日、54議席以上を獲得できなくても「すぐ(政権を)あきらめてしまう考えはまったくない」と、辞任しない考えを表明している。
ただ、与党が過半数割れに追い込まれれば国会運営が困難になることから、民主党内で責任論が浮上する可能性も指摘されている。
これに関連し仙谷由人官房長官は9日の記者会見で、「54議席」の勝敗ラインについて「変わっていない」と表明。到達しなかった場合の責任については「ここからが踏ん張り所と言うしかない」と強調。
●参院選で走る、新小沢ガールズ 後ろ盾失い戸惑いも
東京 2010年6月28日
民主党の小沢一郎前幹事長の肝いりで擁立された新人女性候補たち。参院選直前の幹事長辞任で後ろ盾を失い戸惑いを隠せない関係者もいる一方、直々に指南を受けた「小沢流」選挙活動で走り回る候補も。昨年の衆院選に続き、参院にも「小沢ガールズ」が誕生するのか。
「パンツとズック靴だぞ」。青森選挙区(改選数1)の新人波多野里奈氏(37)は公示日の24日、小沢氏の指導に従い、白のジャケットにパンツ、スニーカー姿でJR青森駅前に立ち「青森県が元気になるよう頑張る。若さと実行力を信じてください」と第一声を上げた。
引退する田名部匡省元農相(75)の後継に名乗りを上げた県議4人を押しのけて擁立された。「新小沢ガールズ」と言われることに、本人は「あまり意識していない」。
25日には小沢氏が青森入り。農村部を回り、最大の支持団体である連合青森を急きょ訪問。わずか数分間の滞在だったが「お互いに頑張りましょう」とハッパを掛けた。(共同)
●選管委員長の自宅にデカデカ、「民主」ポスター
2010年7月9日12時59分 読売新聞
札幌市選挙管理委員会の富田新一委員長(70)(札幌市南区)の自宅敷地に、参院選で民主党への投票を呼びかけるポスターが張られ、市民から市選管事務局に苦情が寄せられたことが8日、わかった。
公職選挙法に抵触しないが、富田委員長は同日、「妻がやったことだが、誤解を招く行為だった」として妻に事情を説明。妻がポスターを撤去した。
富田委員長は元民主党市議で、自宅敷地には参院選の公示前から「民主党広報板」が設置され、「選挙の公平性を疑う」との苦情が数件あったという。公示後には菅首相の写真と「投票は民主党」と書かれた2枚のポスターが張られ、どちらにも「比例区は民主党」と記載されていた。
政治や選挙に関して公正さが求められる選管委員は、公職選挙法で選挙運動が禁止されている。市選管事務局によると、今回のポスターは民主党が政治活動用として総務省に届け出たもので、自宅に張っただけでは選挙運動にはあたらないという。
とはいえ、市選管事務局では「法的に問題がなくても、市民に誤解を与える行為は慎んでほしい」と、複数回にわたって富田委員長に見直しを申し入れていた。
富田委員長は8日、読売新聞の取材に、「民主党にポスターの掲示を承諾したのは妻で、自分は中立な立場で関係ない」と述べた。
富田委員長は1999年5月まで市議を連続5期20年務め、副議長も歴任。同市選管委員は委員長を含め、代々、市議OBから選ばれている。
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一昨日の最高裁判決は痛快だった。
相続税と所得税の二重課税は違法、との逆転判決。
先月、最高裁が高裁判決を見直すための弁論を開いていたことで、逆転は見込まれていたとはいえ。
夫の死亡で生命保険関係の財産を相続、そのとき相続税と所得税の両方がかけられていることに、相談を受けた税理士が「おかしい」と気づいたという。
「それが通常であることに、疑問を抱くこと」は難しいこと。
当事者である妻は、弁護士をつけない「本人訴訟」で長崎地裁の法廷へ。
なんと、勝訴。
被告国が控訴したので、弁護士に依頼。
福岡高裁では、敗訴。
そして、今回の最高裁の判決。
この間、約7年。
(このブログ末にその判決の全文にリンクし抜粋しておく)
この長年違法なままに継続した「二重課税」。
国に返還義務があるのは過去5年分との法律があり、なお、話題に。
この非常識に、昨日、財務大臣は「それ以前分も返還する」と発言。選挙中に関係なく、当然とはいえ、いい決断。
なお、「還付対象となる二重課税は数万件以上に上る見通しで、課税見直しの対象は、他の金融商品に広がる可能性もあり、影響の大きさは予測できない」(7月6日毎日)とされているが、
時効分も含めるとなると膨大な件数になる。
ただし、還付は「当事者からの請求」が前提。
どの程度の還付請求がなされるか・・・
いずにしても、この最高裁判決の関連情報は、朝日新聞に詳しい。
書いた記者のセンスが伝わる。
7月6日の朝日新聞には次のようにある。
最高裁によると、税務訴訟で納税者の一審勝訴率は近年、ほぼ1割。
(税理士に勧められた。)「勝てる見込みは少ないが、おかしいことはおかしいと誰かが言わないと」
一審は弁護士を頼まない本人訴訟だ。
税理士の助けを借りて、訴状や準備書面を作った。法廷では、被告席に国側の代理人がずらりと並ぶ。原告席に一人でぽつんと座ると怖くなった。
二審から代理人を引き受けた丸山隆寛弁護士(福岡県弁護士会)は「おかしいと思う人はいても実際にここまでやる人は少ない。勝訴は2人の頑張りの結果だ」と話す。
こちらも、先週、住民訴訟で、最高裁でこちらの勝訴確定の決定をもらったばかりなので、親近感がある。10年かかった。
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●二重課税の所得税、時効分も返還へ 野田財務相が表明
朝日 2010年7月7日16時20分
野田佳彦財務相は7日、生命保険金に対する課税実務を「二重課税」と判断した6日の最高裁判決を受けて、二重課税となった所得税の返還について、2004年以前の「時効分」についても応じる考えを明らかにした。財務省内で記者団に答えた。
野田財務相は「04年以前の分は法的な措置か政令改正か、子細に検討をさせていただき、関係者の皆様に迷惑をかけないようにする」と述べた。税法上は、納税者が手続きをとれば税金は最大5年前(05年分)までさかのぼって返還される。
●二重課税の所得税還付へ 財務相、最高裁判決で
2010/07/07 16:51 【共同通信】
野田佳彦財務相は7日、年金形式で受け取る生命保険金に対する二重課税を認定した6日の最高裁判決を受け、同種の保険商品で取りすぎた所得税を遺族らに還付する方針を表明した。現行制度では還付の対象外となる過去5年を超す分についても、法改正などでの救済を検討する。
年金形式で遺族が保険金を受け取る商品は、今回の裁判で争われた「収入保障保険」と呼ばれる商品以外にもある。これら商品に対しても所得税を還付するかどうかについて、財務相は「政府税制調査会の中で議論し、来年度の税制改正で対応することも視野に入れたい」と述べた。
●年金型保険の二重課税問題、所得税を還付へ=財務相
ロイター 2010年 07月 7日 16:29 JST
野田佳彦財務相は7日午後、最高裁が6日、年金型の生命保険について相続税と所得税の二重課税は違法との判決を下したことを受け、「判決を謙虚に受けとめ、適正に対処したい」と語った。財務省内で記者団に述べた。
具体的には、これまでの解釈を変更し、過去5年分の所得税について更正請求を受けた上で還付する。5年を超える分については制度を変更する必要があるため、「法的な措置が必要か、政令改正で済むかは検討しなければならないが、関係者に迷惑をかけないように対応する」とし、5年超に関しても救済する方針を明らかにした。
現行制度で対象となる過去5年分の還付額については「(現段階では)件数もわからないので、額まで言えない」と述べた。
●二重課税違法、生保に事務負担増も 商品販売には追い風
2010年7月7日 読売新聞
年金型の生命保険で、最高裁が6日、相続税と所得税の二重課税は違法との判断を示したことで、生命保険各社の経営にも影響が及びそうだ。
契約者への対応で新たな事務手続きにかかる費用が懸念される一方、課税額が減れば年金型商品の販売に追い風になるとの見方もある。
対象となった保険商品は、契約者が死亡した際、受取人が一定期間、死亡保険金を年金として分割して受け取るものだ。死亡後に一括か年金かを選択できる契約もあり、ほとんどの場合、一括より年金の方が最終的に受け取る総額は多くなる。
今回問題となった課税方法は1960年ごろに定着したとされる。生保各社は年金を支払う際に自動的に所得税を源泉徴収するシステムを持っている。しかし、最高裁が年金のうち、運用益を除いた部分は所得税を課税すべきではないとの判断を示したことで、システムの変更が必要になって、生保各社に新たな費用が生じる可能性がある。また、すでに納税した所得税の一部が、過去最大5年分返還される見通しで、生保各社は窓口での混乱や事務費用の増加を懸念している。
一方、所得税の負担が軽くなれば、保険金の受取額は従来より増えることになり、「年金型の商品がより売りやすい商品になる」(大手生保幹部)との声もある。
日本生命保険の岡本圀衛社長は6日、読売新聞の取材に対し「今後の事務手続きや費用負担について、国税当局との協議が必要だ」と述べた。(三好益史、山内竜介)
●主婦の疑問、国に勝った 保険金「二重課税」判決
朝日 2010年7月6日
一人の主婦と税理士の素朴な疑問が、税金の取り扱いに変更を迫った。生命保険金に対する数十年来の課税実務を「二重課税」と判断した6日の最高裁判決。訂正を申し立ててから最高裁まで約7年に及ぶ闘いを終えた2人は、「同じ立場の人たちのためにもなる判決だ」と喜んだ。
長崎市の主婦(49)が、夫の生命保険金を受け取ったのは2002年11月。電気工事業を営んでいた夫が「万一のとき、家族が困らないように」とかけてくれたものだった。すべて一括で受け取るか、一部を年金にするか選べる保険で、保険会社から「違いはない」と説明された。
当時、小学4年と中学3年の娘がいた。「娘たちが大きくなるとき、少しずつ使えたらいい」と年金を選択。保険会社からの通知で1回目の年金230万円から、所得税約22万円が源泉徴収されているのを知っても、「こんなにとられるんだ」ぐらいにしか思わなかった。
だが、近所の人の紹介で相続税の申告を頼んだ江崎鶴男税理士(66)は「年金分には相続税がかかっているのに、なぜ所得税まで徴収されるのか」と首をかしげた。税法の条文を調べ、江崎税理士の疑問は確信に変わった。「普通の人が読めば、誰でもおかしいと思う」
最高裁によると、税務訴訟で納税者の一審勝訴率は近年、ほぼ1割。「勝てる見込みは少ないが、おかしいことはおかしいと誰かが言わないと」。江崎税理士に説得され、主婦も「大事な人を失って受け取る生命保険金は誰でも1円も無駄にしたくない。同じ立場の人たちの役に立てるなら」と決心した。
各種の控除もあり、訴えが認められても実際に返ってくるのは2万5600円。一審は弁護士を頼まない本人訴訟だ。「国にたてつくなんて」と身内はいい顔をしなかったが、江崎税理士の助けを借りて、訴状や準備書面を作った。法廷では、被告席に国側の代理人がずらりと並ぶ。原告席に一人でぽつんと座ると怖くなったが、「ここまで来たらやるしかない」と気持ちを奮い立たせた。
一審で勝訴したが、二審は逆転敗訴。それでも、「まだ最高裁がある」と信じていた。年金分の所得があることで、娘たちの授業料が免除されなかったこともある。思いは、同じ境遇の人たちに及ぶ。この日、最高裁で勝訴判決を聞いた主婦は法廷を出て「裁判は本当に長かったが、同じ立場の方たちのためにもお役に立ててよかった。国が今後どのように対応するのか期待したい」と話した。
江崎税理士は判決後「百点満点の判決。要求を完全に認めてくれた。税法や民法で救済できない人は、国が立法で救済するしかない」と語った。二審から代理人を引き受けた丸山隆寛弁護士(福岡県弁護士会)は「おかしいと思う人はいても実際にここまでやる人は少ない。勝訴は2人の頑張りの結果だ」と話す。(延与光貞、浦野直樹)
●年金型生保二重課税訴訟:違法判決 還付対象、広がりも 影響の予測は困難
毎日新聞 2010年7月7日 東京朝刊
<検証>
年金払い型の生命保険に所得税と相続税をかけるのは二重課税だと争った裁判で、最高裁は6日、40年以上続いてきた課税実務を覆し、原告の主張を認めた。国は今後、「過払い税金」ともいえる取りすぎた税金への対応を迫られることになる。還付対象となる二重課税は数万件以上に上る見通しで、課税見直しの対象は、他の金融商品に広がる可能性もあり、影響の大きさは予測できない。
「どのくらい、還付を求められるのか、現段階では予測もつかない」。国が逆転敗訴した今回の判決を受けて、国税庁の職員はこう話した。
争点となったのは、年金払いの保険金に対する課税のあり方。原告の女性は、夫の死亡で10年間に毎年230万円ずつ年金を受け取る受給権を得た。総額2300万円のうち6割がこの時点での価値とみなされ、相続税の対象になった。さらに国は、毎年受給する230万円も、掛け金分などの控除を除き、所得税の対象とした。判決は、1回目の支給分にかかった所得税を「違法な二重課税に当たる」と判断した。総額の4割については、2回目以降の支払い時に所得税の課税対象となる見通しだ。
二重課税で払いすぎとなった税金は、還付対象になるが、原告と同様に課税されてきた受給者が還付を受ける場合、税務署への請求が必要だ。ただ、国税庁が過去、訴訟結果を受けて法解釈を改め、還付対象の例を公表したケースでは、判決確定から1カ月~2カ月半かかっている。
また、還付対象は国税通則法で申告期限から5年を超えない所得税に限られるが、関係者の間では「国の判断の誤りだったため、5年より延びる可能性もある」との声も上がる。
判決を受け還付対象になる可能性が高いのは、遺族が保険金を年金形式で定期的に受け取る個人年金保険や、保険金を年金形式に変更したケース。既に支払いが始まっていた年金保険を相続した場合も対象になりそうだ。
大手生保各社は、現在支払い中の契約だけでも1社当たり数百から数千件あり、5年間分では業界全体で数万件に上りそう。掛け金分を除いた受給金の1割が源泉徴収されており、「1年分あたり数万円の還付を受けられる人が多いのではないか」(原告側税理士)という。また、定期預金や株式など、将来にわたる利益を時価評価して相続税がかかる金融資産でも、判決が影響を与える可能性がある。【山田泰蔵、加藤隆寛】
◇生保、膨大な作業を懸念 対象者通知、システム変更…
生保各社は6日から、契約者の問い合わせ増加に備え、商品説明のマニュアル変更やコールセンターでの想定問答を作成するなど、対応に追われた。ただ、「二重課税」と認定される商品の対象範囲や還付方法などの詳細は国税庁の判断が出なければ決められず「どこまで影響が広がるのか、どこまで対応すればよいのかわからない」と頭を抱えている。
取り過ぎた税金の還付を国が直接行う場合、各社は対象となる契約者の情報を国に提供するだけで足りる。しかし、国が各社に対象者への通知や還付手続きを行うよう求めた場合、コンピューターシステムの変更など膨大な作業が必要となる。これら事務手続きにかかわる費用を誰が負担するのかも不明確だ。業界内からは「国の決まりに従って代わりに税金を徴収しただけなのに……」(大手生保幹部)とぼやく声もあがるが、過去、保険金の不払い問題で契約者の不信を買った経緯もある。契約者への通知や対応を怠るわけにはいかず、対応に苦慮している。
約3400件の年金払いの契約者を確認しているという日本生命保険の岡本国衛社長は6日、「業界全体の問題だ。混乱が起きないよう対応したい」と話した。【伊藤絵理子】
◇「相続税と所得税」認めず
最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、亡夫が加入していた年金払い型の生命保険に相続税と所得税の両方を課すのは違法として長崎市の女性(49)が所得税の課税処分取り消しを求めた訴訟について、「違法な二重課税に当たる」との初判断を示し、国側敗訴の判決を言い渡した。
国税当局は1960年代前半以降、遺族が年金払い型の保険金を受け取る場合、受給期間に応じて総額の2~7割を相続財産とみなし、相続税を課税する一方、毎年の支払い分にも所得税を課してきた。
上告審で国側は「保険金の総額(年金受給権)と毎年支払われる保険金は法的には異なる財産であり、双方に税金を課せる」と主張したが、小法廷は「同一の経済的価値に対する二重課税は認められない」と退けた。
最高裁 公式Web /最新判例にリンク
平成20(行ヒ)16
事件名 所得税更正処分取消請求事件
裁判年月日 平成22年07月06日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄自判
福岡高等裁判所
原審事件番号 平成18(行コ)38
原審裁判年月日 平成19年10月25日
1 相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)3条1項1号の規定によって相続により取得したものとみなされる生命保険契約の保険金で年金の方法により支払われるもの(年金受給権)のうち有期定期金債権に当たるものにおいて,当該年金受給権に係る年金の各支給額のうち被相続人死亡時の現在価値に相当する金額として相続税法24条1項1号所定の当該年金受給権の評価額に含まれる部分は,相続税の課税対象となる経済的価値と同一のものとして,所得税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)9条1項15号の規定により所得税の課税対象とならない。
2 所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は,当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず,その支払の際,その年金について所得税法208条所定の金額を徴収し,これを所得税として国に納付する義務を負う。 |
判決全文にリンク
主文
原判決を破棄する。
被上告人の控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
理由
1 本件は,年金払特約付きの生命保険契約の被保険者でありその保険料を負担していた夫が死亡したことにより,同契約に基づく第1回目の年金として夫の死亡日を支給日とする年金の支払を受けた上告人が,当該年金の額を収入金額に算入せずに所得税の申告をしたところ,長崎税務署長から当該年金の額から必要経費を控除した額を上告人の雑所得の金額として総所得金額に加算することなどを内容とする更正を受けたため,上告人において,当該年金は,相続税法3条1項1号所定の保険金に該当し,いわゆるみなし相続財産に当たるから,所得税法9条1項15号により所得税を課することができず,上記加算は許されない旨を主張して,上記更正の一部取消しを求めている事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
・・・・・・・・
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
・・・・・・・
(3) 以上によれば,本件年金の額から必要経費を控除した220万8000円を上告人の総所得金額に加算し,その結果還付金の額が19万7864円にとどまるものとした本件処分は違法であり,本件処分のうち総所得金額37万7707円を超え,還付金の額22万3464円を下回る部分は取り消されるべきである。
5 これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,上告人の請求には理由があり,これを認容した第1審判決は結論において是認することができるから,被上告人の控訴を棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
・・・・・
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今度の日曜日の投票まで、選挙運動期間もあと4日。
中盤情勢を新聞で見比べてみた。
大勢が、民主党の苦戦、
過半数独占は到底不可能、
連立でかろうじて過半数維持かそれも無理か、
連立の場合も組み替え模索か、政策ごとの部分連合か、
・・・・・
鳩山・小沢辞任、菅総理誕生で支持率を一気に上げた政権だけど、菅首相はそれに気を良くしてか「消費税10%」を大アピール。
(6月18日ブログ ⇒ ◆消費増税10%が最大の争点になりそうな流れ・参議院選挙/菅首相のシナリオか )
菅首相による「消費税10%」の争点化によって、
民主党はオウンゴールで自滅、
そんな評価が少なくない。
とはいえ、自民も現状維持か微増程度で、復活には程遠い。
選挙結果しだいで、自民は再解体の可能性もあるといわれる。
ともかく、私から見ると、基地問題や消費税など論点はあるけれど、今の新しい政権が崩れたら最悪だから、一議席でも多くとってほしいところ。
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5位から7位あたり
●’10参院選:中盤情勢の分析 選挙区 東海
毎日新聞 2010年7月5日
■選挙区(改選73)
◆岐阜(2-5)
◇山下、渡辺氏優位
民主現職の山下氏と自民新人の渡辺氏がほぼ横一線で並び、他候補をリードしている。山下氏は全県に浸透し、民主支持層の5割に加え社民支持層にも食い込む。渡辺氏は自民支持層の7割強を固め、公明支持層の4割に浸透する。民主新人の小見山氏は地元・岐阜市など県南部で健闘するが、民主支持層の支持は3割弱にとどまり、拡大を狙う。共産新人の鈴木氏は共産支持層以外への浸透が進んでいない。
◆静岡(2-6)
◇藤本氏追う河合、岩井氏
民主現職の藤本氏が優位な戦いを展開している。みんな新人の河合氏、自民新人の岩井氏が横一線で競り合いながら追い上げる。民主新人の中本氏は浸透し切れていない。藤本氏は連合静岡の支援で民主支持層の6割を固めた。河合氏は無党派層の2割、公明支持層の2割に浸透。岩井氏は自民支持層の7割をまとめて追う。中本氏は無党派層を取り込めていない。共産新人の渡辺氏は共産支持層の9割を固めた。
◆愛知(3-7)
◇斎藤、藤川氏が優勢
民主新人の斎藤、自民新人の藤川両氏が優位に戦いを進め、みんな新人の薬師寺、民主新人の安井両氏が横一線で追う展開。無党派層の動向がカギを握りそうだ。斎藤氏は連合愛知の支援をてこに民主支持層の5割に浸透。藤川氏は自民支持層の8割を固め、公明支持層の4割を取り込む。薬師寺氏はみんな支持層、安井氏は民主支持層を足がかりに無党派層の支持拡大を狙う。本村氏は共産支持層以外に支持が広がらず、青山氏は社民支持層の5割を固めるにとどまっている。
◆三重(1-4)
◇芝氏がリード
民主現職の芝氏がリードし、自民新人の小野崎氏が追う。芝氏は民主支持層の8割近くを固めた。小野崎氏も自民支持層のほぼ8割に浸透するが公明支持層の支持は5割にとどまる。無党派層の支持獲得では芝氏をやや先行している。みんな新人の矢原氏は草の根選挙を展開、共産新人の中野氏は支持の広がりを目指す。
●’10参院選:中盤情勢の分析 選挙区 九州
毎日新聞 2010年7月5日
■選挙区(改選73)
◆福岡(2-7)
◇大久保氏と大家氏優勢
民主の大久保氏と自民の大家氏が優勢。連合などが支える大久保氏は民主支持層の約6割をまとめる。医師連盟や農政連などが推薦する大家氏は8割近い自民支持層を固め、公明支持層の5割も取り込む。みんなの佐藤氏は党支持層の6割を得るが、無党派層への浸透は今一つ。無所属の堤氏は推薦を受ける民主、社民の支持層の約1割しか固め切れていない。共産の篠田氏、国民の吉村氏らは党勢拡大に躍起だ。
◆佐賀(1-3)
◇福岡氏が優位
自民新人の福岡氏が市郡部を問わず浸透し優位な戦い。自民支持層の8割、後援会レベルで選挙協力する公明支持層の半数を固め、無党派層の3割超からも支持を得る。民主新人の甲木氏は民主支持層の7割弱、社民支持層の半数をまとめたが、無党派層への浸透は1割にとどまる。共産新人の山口氏は同党支持層の8割弱を固めた。
◆長崎(1-4)
◇犬塚氏と金子氏が激戦
民主現職の犬塚氏と自民新人の金子氏が激しく競り合う。犬塚氏は民主支持層の7割をまとめ、大票田の長崎市では一歩リード。金子氏は自民支持層の8割強、公明の7割弱を固め、郡部で支持を広げる。無党派層への浸透は前知事の金子氏がやや優位で、犬塚氏は支持拡大に懸命。みんなの中嶋、共産の渕瀬両氏は伸び悩む。
◆熊本(1-5)
◇松村氏と本田浩氏競る
自民現職の松村氏と民主新人の本田浩一氏が接戦を展開。松村氏は自民支持層の9割近くと、協力関係を結ぶ公明支持層の6割を固めた。
本田氏は民主支持層の約7割、社民支持層の6割を固め、都市部を中心に浸透する。みんな新人の本田顕子氏は同党支持層の6割を固めた。一方、無党派層の6割は投票先を決めていない。
◆大分(1-3)
◇足立氏が優勢
民主現職の足立氏が優勢。民主、社民支持層の8割程度を固め、無党派層にも食い込みを図る。都市部を中心に、70歳代以上を除く各年代に広く浸透する。自民新人の小田原氏は、同党支持層の8割強と公明支持層の5割程度に食い込むが、自公支持層自体が伸び悩んでいる。共産新人の山下氏は、党支持層以外への広がりを欠く。
◆宮崎(1-3)
◇松下氏が優位
自民現職の松下氏が全県で優位な戦い。自民支持層の9割弱、公明支持層の8割を固めたほか、民主支持層の一部や無党派層の約3割にも食い込んでいる。特に保守地盤の厚い県西地域で浸透している。民主新人の渡辺氏は党支持層の7割弱を固め、追い上げに懸命だ。共産新人の馬場氏は、党支持層の7割弱を固めた。
◆鹿児島(1-3)
◇柿内氏先行、追う野村氏
先行する民主新人の柿内氏を自民現職の野村氏が追い上げる。柿内氏は党支持層の7割強を固めたが「支持」を得た社民支持層を固め切れていない。野村氏は党支持層の8割近くを固め、共闘する公明にも浸透を図る。自民、民主両候補の得票差が2664票だった07年に続く激戦となる可能性も。共産の山口氏は支持拡大に懸命。
◆沖縄(1-4)
◇島尻氏が優位
自民の島尻氏が優位に立ち、無所属の山城氏が追う。島尻氏は自民支持層の9割を固め、県レベルで支援する公明支持層の8割に浸透。無党派層にも支持を広げつつある。山城氏は社民支持層の7割弱を固めたが、民主支持層には一部しか浸透していない。伊集氏は共産支持層の7割の支持を固めた。
●’10参院選:中盤情勢 民主、「改選54」維持も 1人区、自民と激戦
毎日新聞 2010年7月5日 東京朝刊
毎日新聞は2~4日、第22回参院選(11日の投開票)について全国特別世論調査を実施し、取材情報を加味して中盤情勢を探った。民主党は選挙区と比例代表を合わせて菅直人首相が目標ラインとする改選54議席は維持できそうだが、連立与党で過半数の56議席に届くかは微妙。改選数1の選挙区(1人区)を中心に自民党など野党と激しく競り合う。みんなの党が改選議席ゼロから10議席台に乗せ「改選第3党」に躍進する勢い。投票先を決めていないと答えた人や無回答が3割近くに達し、終盤の選挙戦で情勢が変わる可能性がある。
◇みんな、10議席うかがう
参院の定数は242(任期6年)で、3年ごとに選挙区73、比例代表48の計121議席が改選される。民主党の非改選議席は62で、単独過半数の122に達する60議席の獲得は難しい情勢。国民新党などと合わせた与党の非改選議席は66。与党が過半数を維持するには民主単独で56議席を獲得するか、国民新、社民両党と共同推薦した香川選挙区の無所属新人や、国民新党の議席獲得に期待しなければならない。
与党が過半数を割った場合、民主党は公明党やみんなの党などの「第三極」を巻き込んだ連立の組み替え、政策ごとの部分連合を模索せざるを得ず、政権の不安定化も予想される。
比例代表は民主党が堅調で、過去最高だった07年の20議席に迫る勢い。自民党は過去最低だった98、07年の14議席を下回る12議席前後にとどまりそう。それでも自民党が改選38議席を上回る40議席台を確保する情勢となっているのは、1人区で民主党と互角に戦っているからだ。
29ある1人区は民主、自民がそれぞれ12選挙区で優勢。青森、山形、香川(民主は推薦候補)、長崎、熊本の5選挙区で激しい接戦となっており、与党が過半数を維持できるかは1人区の勝敗にかかっている状況だ。07年参院選の1人区で6勝23敗と惨敗した自民党は北陸や九州を中心に復調の兆しを見せる。
12ある2人区では民主党が小沢一郎前幹事長の方針で10選挙区に2人の公認候補を擁立し2議席独占を狙ったが、民主と自民が1議席ずつを獲得する「すみ分け」が今回も続きそうだ。静岡ではみんなの党の新人候補が議席をうかがう。
五つある3人区では民主党が全選挙区に2人ずつ候補を擁立。埼玉、愛知、大阪では2議席目を狙い、自民、公明やみんなの候補と競っている。
公明党は比例で改選8議席に届かず、5人区の東京では1議席を確保しそうだが、3人区の埼玉、大阪に立てた候補は接戦を展開。参院第3党の座は揺るがない見通しだが、改選議席の獲得数でみんなの党を下回る可能性もある。みんなの党は比例で7議席前後、選挙区は東京や3人区の千葉などで議席を獲得し、10議席台に躍進する勢い。共産党は比例で3議席、社民党は2議席と、ともに改選議席を1議席下回る情勢。たちあがれ日本と新党改革は比例で1議席に届くか微妙だ。
政党支持率は民主33%、自民15%で、国政選挙前に実施する特別世論調査としては07年参院選、09年衆院選に続き3回連続で民主が自民を上回った。菅内閣の支持率は47%、不支持率は29%だった。【西田進一郎】
●2010参院選きょうと:中盤情勢調査(その2止) 民主支持30% /京都
毎日新聞 2010年7月5日
◇自民12%
政党の支持率は民主党が30%でトップ。2位の自民党の12%に倍以上の差をつけた。みんなの党が7%、共産党が6%、公明党4%、その他の政党が2%、社民党と新党改革が各1%。国民新党とたちあがれ日本、新党日本はそれぞれ0%。
民主党は07年調査比で6ポイント上げたが、自民党は7ポイント下げた。社民党は変動がなく、共産党と公明党は1ポイント下がった。「支持政党なし」は31%で4回連続で30%を維持した。
年齢別では、すべての年代で民主党が自民党を上回った。「支持政党なし」は30代が41%で最も多く、20代の39%が続き、若い世代で割合が高い。
男女別では、民主党が男性34%、女性26%で、自民党の男性14%、女性11%をいずれも上回った。「支持政党なし」は女性が34%で、男性の28%より高率となった。【小川信】
◇比例は「民主に」全世代でトップ
比例代表の投票先に関する質問では、「民主党」がトップ。2位は自民党で、みんなの党、共産党、公明党、社民党と続き、新党改革とたちあがれ日本、幸福実現党は同率。民主党、共産党、公明党、社民党、みんなの党、たちあがれ日本は、いずれも政党支持率よりやや高い。
民主党、自民党支持層の大部分は支持政党への投票を固めた。
男女別では、男女とも民主党が自民党より高率となった。年代別でも、すべての年代で民主党が自民党を上回った。【小川信】
◇「菅内閣支持」は48%
菅内閣については、「支持する」の48%に対し「支持しない」は27%にとどまった。
全世代で支持が不支持を上回り、特に20代で40ポイント以上、70代でも30ポイント以上の大差がついた。40代では「支持」の39%に対し「不支持」が35%と拮抗(きっこう)した。
支持政党別に見ると、民主党支持層の85%に加え、社民党支持層からも61%と高い支持を得ている。自民党支持層の60%、公明党支持層の42%、共産党支持層の49%が「不支持」と回答したが、公明・共産両党の支持層からも3分の1程度の支持を獲得した。
また、比較的保守地盤が強いと見られてきた町村部でも、市区部の47%を上回る54%が菅内閣の支持を示している。【田辺佑介】
●民・自、1人区に力点…参院選後半戦へ
7月2日22時23分配信 読売新聞
第22回参院選(11日投開票)は2日、選挙戦の折り返し点を迎えた。
各党とも後半戦に向けて重点選挙区を絞り込み、党首を先頭にテコ入れを本格化させている。
民主党と自民党はともに、改選定数1の「1人区」に力点を置く構えで、その他の党も追い込みに懸命だ。これまでに大きな焦点となってきたのは、菅首相が超党派の議論を呼びかけている消費税のあり方で、民主党内でもこの問題では“分裂”選挙の様相を呈している。
17日間の選挙戦の中間点となった2日、菅首相(民主党代表)と自民党の谷垣総裁が遊説先として選んだのは、いずれも1人区の富山、石川、福井3県。遊説先が重なったのは「偶然」としているが、激しいつばぜり合いが行われていることを印象づけた。
公明、共産両党の党首は、公認候補が出馬し、激戦が見込まれている東京で遊説した。国民新、新党改革、社民、たちあがれ日本、みんなの党の各党党首も、それぞれ公認・推薦候補が立候補した全国各地の選挙区で支持を訴えた。
最終更新:7月2日22時23分
●参院選「厳しい」=菅首相、民主幹部が情勢分析
時事 2010/07/02-23:58
菅直人首相は2日夜、民主党本部で仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長、安住淳選対委員長らと参院選の情勢を分析した。出席者の一人は「(情勢は)厳しい。国民新党がどれだけ取ってくれるかだ」と語り、国民新党との選挙協力による郵政票にも期待感を示した。
会合では、改選3議席と同1議席の計12、13の選挙区で民主党候補が当選圏内で競り合っているとし、今後、党幹部や閣僚を集中的に送り込むことを確認した。
●民主「改選54」は微妙=自民、40台半ばか-みんな健闘・参院選情勢
時事 2010/07/04-21:49
11日投開票の参院選を前に、時事通信社は2日から3日間、世論調査を実施した。全国の取材網を通じて得た情報も加えて情勢を探ると、民主党は、比例代表は堅調だが、選挙区では大勝した前回2007年ほどの勢いがなく、菅直人首相が目標とする改選の54議席を確保できるか微妙だ。
一方、自民党は、前回惨敗した改選数1の「1人区」で民主党と互角の戦いを続けるものの、比例で伸び悩んでおり、40議席台半ばとなる公算が大きい。
改選は選挙区73、比例代表48の121議席。民主党は非改選が62あり、60議席を得れば単独で過半数の122議席に届く。国民新党や無所属の非改選議員を含め、与党として過半数を維持するには56議席が必要だ。
焦点の29ある1人区のうち、民主党は8選挙区で優位に立つ一方、7選挙区で自民党に大きくリードを許しており、青森、山形、福井など十数選挙区で激戦となっている。12ある2人区では、11選挙区で各1議席を固めた。埼玉、東京、大阪など改選3議席以上の6選挙区では、2議席を目指し各党の候補としのぎを削っている。
比例代表は、前回(20議席)に近い18議席程度を獲得しそう。自民党と競り合っている1人区などの勝敗次第で、60議席に届く可能性が残る一方、50議席を切る事態も否定できない情勢だ。
これに対し、自民党は7つの1人区に加え、2人区では10選挙区、3人区では埼玉、神奈川、愛知で各1議席を取りそうだ。比例は前回の14議席には届かず、12議席程度の公算で、全体では改選の38議席を超えるのは確実な情勢。激戦の1人区のほとんどで競り勝てば、50議席に届く計算だ。
都市部の3選挙区で候補者を立てた公明党は、東京で議席を維持しそう。大阪も当選圏に入りつつあり、埼玉で当落線上にある。比例は6、7議席の見通しだ。
共産党は、選挙区は東京で競り合い、比例は3議席程度。社民党は比例で過去最低の1議席にとどまる可能性もある。国民新党は、改選3議席を減らすのは避けられそうにない。
「第三極」の新党では、みんなの党が千葉、東京、神奈川で議席をうかがう勢いで、比例と合わせて2けたに達する可能性もある。たちあがれ日本、新党改革は比例で議席を得られるか微妙だ。
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韓国メディアも日本の参院選に注目「支持率が急落、民主党に赤信号」
searchina 2010/07/06(火) 11:46
参院選の投開票日である11日まであとわずかとなった5日、多くのメディアは各政党の支持率を発表。菅直人首相による消費税率引き上げ提起の波紋は大きく、民主党と菅直人首相の支持率は軒並み低下している。
韓国のメディアは、菅直人首相が消費税引き上げ論を提起した以後、内閣支持率が急落し、11日に行われる参議院選挙を間近に控え、民主党に赤信号がともったと報じている。
5日付の日本のメディアによると、3~4日の2日間、電話による世論調査を実施した結果、内閣支持率が39%となっており、1週間前の調査時の48%に比べて9%下落したと伝えている。
また参議院選挙の比例代表で民主党候補に投票するという意見は28%で、自民党候補を支持するという応答は16%であった。民主党の狙いが外れ、支持率が急落したとはいえ、それが自民党支持率の上昇にはつながっていないとの見方を示している。
一方で日本は相変らず、どの政党も支持しない無党派層が非常に多い。そのため、最終選挙結果は大きく変わる可能性もある。現在の無党派層は有権者の3分の1に達するなど、その数は民主党支持者より多いと伝えた韓国メディアも見られた。
今回の参議院選挙には、第一野党の自民党の運命も関わっている。もし与党に過半議席を許容すれば、党の存立基盤自体が揺れ、野党陣営全体の再編につながる可能性が大きいとの意見も見られ、韓国メディアが日本の参議院選挙に注目している様子がうかがえる。(編集担当:李信恵・山口幸治)
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議員年金廃止の運動は続く。
ことしの秋には廃止が示されるだろうと期待している。
ところで、今日は、東京で集会がある。
東海地区では、8月21日に 無党派・市民派 自治体議員と市民のネットワーク が主催して、大々的に集会を行う。
詳細な段取りは、明日4日に北名古屋市内で開く例会で決める。
チラシは先日から配り始めた。
明日は、「集会案内」の記者会見の日程なども相談することになっている。
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転載、転送歓迎。
8月21日の集会のチラシ 表面 ⇒ 印刷用PDF版 700KB
8月21日の集会のチラシ 裏面 ⇒ 集会のチラシ 印刷用PDF版 400KB
「地方議員年金の廃止へアクション!」 市民と議員全員集合!!
~名古屋から議員年金制度の廃止を目指す行動を起こそう~
8月21日(土) 午後1:00~4:00
会場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
5階ホール (名古屋駅徒歩2分 ミッドランドスクエアの裏)
第1部 講演:河村たかしさん (名古屋市長)
市政と議会に対する思い 国会議員年金を振り返り
講演:岩崎恭典さん (四日市大学総合政策学部教授)
議会と議員年金について ※その後、お二人で議論してもらう
第2部 各地から~「地方議員年金廃止の意見書・決議」を採択した議会からの報告及び、議員年金を廃止に向けた意見の発言をして頂く。
(その1 )
最初に、愛知県町村議会議長会の議員アンケート結果の報告と、議決に至らず否決された例や請願が認められなかった事例の報告
各議会から報告をしてもらう ~
・名古屋市議会議員から 「議員年金廃止の決議」を採択した。
・福井県敦賀市議会議員から、 「議員年金廃止の決議」を採択した。
・岐阜県山県市議会議員から、 「議員年金廃止の意見書」を採択した。
・愛知県武豊町議会議員から、 「議員年金廃止の意見書」を採択した。
※ 他に、意見書・決議した「議会」の例をできるだけ報告する。
(その2)
・三谷哲央さん (三重県議会議長)
地方議員年金の考え方や現状と今後について
・出口憲二郎さん(徳島県小松島市議会前議長)
市議会からの考え方と行動・政府の感触
・奥山たえこさん(東京都杉並区議会議員)
議員年金を廃止する市民と議員の会
※ その後、岩崎氏&各パネラーと意見交換
残り時間、会場から質疑応答とする。
※ 後日、総務省/ 全国都道府県議会議長会/ 全国市議会議長会/ 全国町村議会議長会に
対して、「地方議員年金の廃止に関する」要望書を提出する。
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●今日7月3日の東京の集会
地方議員年金を廃止する市民と議員の会
『中央議会(国会)・地方議会議員年金制度
ー国際比較からの考察』(発行朝陽会、発売全官報)
渡部記安先生(立正大学大学院 教授)
【日時】2010年
7月3日(土)
午後1:30~4:30
★集会(新宿区立若松地域センター)
【参加費】 ・議員2,000円【政務調査費月額10万円以上】
・議員1,000円【政務調査費月額10万円未満】
・市民500円 |
【第81回】 2010年4月1日 週刊ダイヤモンド編集部
財政危機に直面する地方議員年金
あえて沈黙を続ける地方議会の厚顔
2010年度予算案を審議する2月定例議会が終了し、ほっと一息ついている地方の首長や議員、自治体職員が多いはずだ。なかには鹿児島県阿久根市のように首長と議会が激しく対立し、大きな火種を残したまま新年度を迎える自治体もあるが、予算審議という地方議会での最大の論戦の場は幕を閉じた。あとは桜の満開を待つだけという地方議員も少なくないだろう。
地方議員は在職わずか12年で受給資格を取得
しかし、地方議会の多くが、本来ならば2月定例議会で論ずべきテーマを取り上げずにいた。しかも、そのテーマが議員らの最大の関心事でありながらである。活発に論議した議会は驚くほど少なく、むしろ、あえて触れずに沈黙し続けた議会がほとんどだ。話題にすれば、住民の知るところになり、まずいことになるとでも考えたのだろうか。それは財政破綻が迫り、制度の抜本的な見直しが急務となっている地方議員の年金制度についてである。
在職わずか12年(3期)で受給資格が得られ、しかも、国民年金などとの重複加入も認められているのが、地方議員年金だ。給付も手厚く、議員負担分は6割、残り4割を公費負担するのが原則となっている。議員特権の代表的な事例として、長年、批判の対象となっていた。地方議員年金の平均給付額(07年度)は約95万円で、都道府県議が約195万円、市議が約103万円、町村議が約68万円となっている。ちなみに、同じような議員特権として批判を浴びていた国会議員年金制度は、06年度に廃止されている。
地方議員年金は特権的な制度設計への批判に加え、財政面でも重大な問題に直面している。もともと地方議員のみを対象としたもので、加入者数が少ないところに、「平成の大合併」や議員定数の削減が加わり、掛け金を支払う人が激減し、年金財政が急速に悪化したのである。
1999年4月からスタートした「平成の大合併」により、当時3232にのぼっていた市町村数は、今年3月末で1728にまで激減した。約6万人を数えた地方議員も半分近くに減少し、逆に、年金を受け取る元議員が増加した。このため、市町村議の積立金が11年度には枯渇する事態にまでなっている。
まさに崖っぷちである。市町村議の掛け金は報酬の16%、期末手当の7.5%。さらに、自治体が給付額全体の12%を負担し、そのうえ国が合併にともなう激変緩和措置として、同じく給付総額の4.5%を負担している。
地方議員年金財政の破綻に伴う 「痛み(負担)は国民(税金)に」
総務省は昨年3月、有識者による「地方議員年金制度検討会」を設置し、制度廃止も視野に入れた改正案作りに乗り出した。一方、地方議員側(全国市議会議長会や全国町村議長会など)も、独自案のとりまとめを急いだ。
制度維持のために公費負担を増やせと、要求したのである。年金財政の破綻はそもそも、市町村合併という国策による起因するもので、痛みを自分たち(地方議員)に強いるのはおかしいと、強く主張した。公費負担率と激変緩和負担金を増やし、給付水準の維持を要求した。つまり、年金財政の破綻にともなう「痛み(負担)は国民(税金)に」という考え方だ。
総務省の検討会は昨年12月、3つの案を併記した報告書をとりまとめ、原口一博総務大臣に答申した。
そのうちのひとつが廃止案で、こんな内容だ。議員はこれまで支払ってきた掛け金の64%を一時金としてまとめて受け取るか、在職12年の受給資格をもつ議員の場合は一時金の受け取りか、給付水準を引き下げた年金を受け取るかを選択できる。また、すでに年金を受給している議員OBは、給付カットなしでそのまま受け取り続けるというものだ。
一方、制度を存続させる2案は給付水準を引き下げ、掛け金と公費負担を引き上げるものだ。抜本的な見直しではなく、いずれも公費負担を増やして議員に配慮している。議員に対し、甘い案とすごく甘い案という程度の違いしかない。もちろん、地方議員年金制度を廃止した方が、最終的な国民負担は少なくてすむ。
しかし、検討会は3案併記でお茶を濁し、鳩山内閣も制度見直しの関連法案の国会への提出を先送りした。参議院選挙を夏に控え、全国の地方議員の反発を呼びかねない議員特権への切り込みに、二の足を踏んだものと思われる。
委員会への遅刻問題で野党から追及された原口総務大臣も、3月16日の衆院総務委員会で「国民の理解を得て、存続させていただきたい」と、野党の質問に答えている。選挙を優先して夏まで議論を封印し、来年4月の統一地方選挙前に見直しの方向性を決めるのでは、との憶測も広がっている。新人議員が大量に誕生したら、ますます厄介になるからだ。
こうした政治的な(?)読みをする事情通が多いなかで、地方議会のなかには議員年金廃止の意見書を自ら決議したところもある。「自治体財政が厳しい時に、議員年金の存続のために税金をさらに投入するのは、住民の理解を得られない」との常識的な判断からだ。
議員年金廃止をいち早く決議したのは徳島県小松島市で、その後、岐阜県山県市や福井県敦賀市、兵庫県加西市、名古屋市や愛知県安城市などだ。これらの市議会は圧倒的少数ながらも、地方議員の見識を示した行動と言えるのではないか。
(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相川俊英) |
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