日の出の頃、ベッドから起き出し、ダイビングクラブハウスの客室の窓から海を眺める。
東の空が光る。闇は抱いたままだ。
急いで着替え、クラブハウスのドアをそっと開けて、夜明けの桟橋へ。
星が一つ二つ、消えそうにほの白く、ちらちらと青磁の空にまたたいている。
リーフの内側の海は鏡のように静かだ。空の青、海の蒼が朝日に重なってラベンダー色にゆれて見える。
そして、ラベンダー色の海は、あっという間にブルーに吸い込まれていく。
パラオの朝は早い。まだ暗いうちからクラブハウスの厨房から、たまらなく良い匂いが漂いだす。
フィリピーナの女性シェフ、エレナが腕によりをかけた朝食を準備中だ。
彼女はフィリピンに家族を残し、6年もここで働いているという。
エレナが鍵を開けてくれたクラブハウスの門を抜けて、早朝の街中へ散歩に出かける。
すっかり明るくなった通りを、近くのダイビングショップのスタッフたちが次々と出勤してくる。
そちらのダイビングショップは、毎朝、早朝ダイビングが組まれている。
穴ぼこだらけのコンクリートの道路わきの茂みには、シマキンパラだろうか、ススメほどの大きさの数十羽の小鳥の群れさえずっていた。
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