「本土寺」の紅葉についてようやく書けました。
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駐車場に車を停めて、ディパックを担いで仁王門へ。午後の光あふれる境内へ足を踏み入れた。
仁王門を下り降りて受付へ。すでにまわりには、盛りを過ぎたもみじが、散り際の美しさを存分に見せていた。
竹とんぼのように風にのって種が運ばれていくというヤマモミジの種に見とれて、ファインダーを覗き込むと、ハート型の紅葉の見慣れない木がある。
枝垂れ桂だった。その裏手には、苔とモミジで作られた植栽があった。
暖かな秋の日が差し込む石畳を進み、本堂へ。石段を登って線香を上げ、本尊に手を合わせる。
掃き終えたばかりの道の上に舞い落ちた落ち葉に指を伸ばす。
あったかい秋の洗礼。
日像菩薩を安置している像師堂と、それに繋がる回廊。その下をくぐって、本堂の裏手へ。
いつ頃から本土寺の紅葉が有名になったのだろう。ヤマモミジ、秋山紅、大盃品など真っ赤なモミジが中心のようで、これだけの数がそろうと圧巻だ。
像師堂から苔と杉木立の遊歩道へ。途中にある滝から流れた水は、像師堂正面の参道にある弁天池に流れ込む。
池の水底には黒い玉砂利が敷かれていた。池の周りは丸みのある石で囲んである。なにげない石なのだが、女性的な柔らかさ、仏の慈悲が感じられる。
杉木立の間から、池の中にある弁天堂が見えた。池の中に配置された3つの大きな岩は、やはり、極楽浄土へいざなう、来迎仏の三尊を表しているのだろうか。
あざやかな紅色の紅葉が、広角のレンズの視野角いっぱいに続く。
心を静かにして、樹幹からの木漏れ日に目を凝らす。
風が吹き、モミジの葉がひらひら舞った。モミジの葉の上に、太陽の光が落ちている。
また、風が吹いて、木の葉を揺らす。そして、一枚、また、一枚、くるくる回りながら葉が落ちてくる。
あちらにも、こちらにも。落ち行くさまを見ていると、心が秋色に染まった。
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