暑い・・・
人肌に対応して浮き上がるシークレットエンブレムが消えないままの猛暑のなか如何おすごしでござろうか?
同じ熱さであれば、だれる蒸し暑さよりも気持ちが燃え上がる熱さの方がよいでござるな。
今宵は燃える男の浪漫! ドリルタンクに変形するサイバトロン・砲撃員、ノーズコン(C-87、ノーズコン、880円)の登場でござる!
本品は1987年展開の「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010」商品として販売されたスクランブルシティ・合体ロボ第3弾で、単品販売と合体セット(C-91、コンピューティコン、5500円)の2種が同時販売されたでござる。
なお、単品・合体セット共に本体仕様は共通でござるが、説明書と付属のカードは異なるでござる。
さて、本品を含むテックボット部隊の5人はエアボット部隊(C-55、スペリオン、5500円)、プロテクトボット部隊(C-76、ガーディアン、5500円)と異なり現行地球型のヴィークルモードから外宇宙で活躍するSF色の強い未来型ヴィークルに変更されたでござる。
ノーズコンのヴィークルモードは誰が指定したのか分らないでござるが、日本SFメカの王道であるドリルタンクが選ばれたでござる!
トランスフォーマーでは1985年に海外で販売されたジャンプスターターのツインツイスト(日本未販売)が初のドリルタンクだったりするでござるが、最初からトランスフォーマー商品として設計されたドリルタンク商品はノーズコンが初でござる!
たた、問題は商品サイズの都合で大型ドリルを備えたドリルタンクの定番的(?)なデザインにしてしまった事で、商品サイズ的にもライバル商品であるバンダイのマシンロボ600シリーズのドリルロボ(MR-17、ドリルロボ、600円)に似たヴィークルモードになってしまったでござる。
既存のメカをモチーフにした場合はネタが被っても許されるでござるが、流石にSFメカで似てしまうと辛いものがあるでござるな。
そこで後発であるタカラは差別化の意味もあり、武器パーツを取り付けたアタックモード(アタックドリル)を採用したでござるな。
無論、ただ武器(ロケット推進ミサイル)を二基取り付けただけのアタックモードではなく、通常・地中走行状態と異なりキャタピラの位置を下げて車高を揚げている小技が利いているでござる。
しかし、ドリルにシークレットエンブレムを貼り付けてしまった事やドリルが回転しないなど残念な設計でもあるでござるな・・・
そう、ロボットモードも折角のドリルを背中に倒しこんでしまい、両腕もキャタピラのままなデザインはドリルロボとの差別化を意識してしまった結果面白みの無いデザインになってしまったでござる。
ドリルが特徴のロボットがドリルを活かせないデザインに成ってしまったのは敗北を意味するのと同じく、人気の上でも完全にドリルロボに負けてしまっているでござる・・・
タカラは少々奥ゆかしいところがあるので、パクリでも似せないような工夫をするでござるがバンダイなら平気でパックってオリジナルを主張してしまうでござる。 (笑)
現在のタカラトミーもバンダイの図太さ見習ってほしいものでござるよ・・・
さて、ノーズコンの設定は几帳面で穏やかな性格らしく、特殊合金製のドリルとボディはあらゆる壁を突破するだけでなく、様々な攻撃や精神的批判(?)にも絶えるそうでござる?
能力値は体力(7)、知力(6)、速度(3)、耐久力(9)、地位(5)、勇気(8)、火力(7)、技能(7)で設定されており、武器はX線レーザーピストルとロケット推進ミサイル(2基)に加えて特殊合金製のドリルでござる。
なお、TVアニメでは最初に作られたテックボットだそうでござるな。
ロボットモードではロケット推進ミサイルを取り付ける事ができないでござるが、ヴィークルモードでは余剰パーツであるX線レーザーピストルを右手に保持できるでござる。
なお、イラストでは武器を左手に保持して描かれているでござるが、商品では右手のみ対応するでござるな。
ドリルタンクは人気のメカなので注目が集まるものでござるが、ノーズコンの場合はマシンロボ600シリーズのドリルロボと重なってしまい、更に「マシンロボ クロノシの大逆襲」が放送された事で完全に隙間を開けられたでござるな・・・ もし、タカラがマシンロボのアニメ展開を知っていたノーズコンの扱いが変わっていたかもしれないでござる。 (笑)
しかし!
単体では魅力に欠けるノーズコンの最大代の魅力は合体にあり、5体合体ではスキャッターショット(C-86、スキャッターショット、1980円)に付属する合体用脚部パーツを取り付けてコンピューティコンの左足を担当するでござる!
なお、スクランブルシティ・合体ロボの魅力は共通合体ジョイントにより手足を自在に入れ替える合体が魅力なのでござるが、コンピューティコンの場合は合体パターンを固定化されてしまっており、アニメ本編(米国製作版)ではスクランブル合体ロボである事を説明していないでござるな。
しかも、腕部・合体モードは紹介されていないシークレットギミックになってしまっているでござる。
故に公式変形モードが存在しないので、ロケット推進ミサイルと合体用左拳パーツを取り付けて左腕モードに見立ててみたでござる。
ドリルアームは男のロマンではあるでござるが、ドリル取り付け位置が肩になってしまったのが少々残念でござる。 まあ、ドリル越しのタックルは凶悪なのでコレもありでござるな。
結果的にノーズコン単体ではドリルロボに適わないでござるが、テックボット部隊としての商品魅力は負けていないでござる。
ただ・・・ 問題なのは日本でのドリル人気があっても、欧米展開ではドリル人気が無いことでござる。
欧米中心の展開になればドリルタンクなんて商品化される機会がなく、今後リメイクされるかどうか不安なトランスフォーマーでござるよな。