司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

大臣規範~不動産取引は自粛

2010-07-01 17:35:22 | 司法書士(改正不動産登記法等)
産経新聞記事
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100630/plc1006301105004-n1.htm

 閣僚と副大臣、政務官の倫理や職務分担を明確化した「大臣規範」では,在任中の株式や不動産の取引の自粛を求め,また営利企業との兼職などを禁じている。

 不動産取引は,「自粛」であるが、不動産登記に関わる司法書士としては留意しておく必要がある。

cf. 国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範
http://www.cas.go.jp/jp/siryou/kihan.html

 2年前にもあったのだが・・。

cf. 平成20年6月30日付「大臣規範~不動産取引は御法度~」
コメント

平成22年分路線価等が公表

2010-07-01 17:15:08 | 不動産登記法その他
路線価図・評価倍率表
http://www.rosenka.nta.go.jp/

 平成22年分路線価等が公表された。
コメント

支配人制度の濫用?

2010-07-01 16:08:29 | 会社法(改正商法等)
 会社は,支配人を選任し,その本店又は支店において,その事業を行わせることができる(会社法第10条)。そして,支配人は,会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する(会社法第11条第1項)。

 そのため,消費者金融会社などが,この制度を利用して,支配人に訴訟代理(民事訴訟法第54条第1項)を行わせる事例が散見されている。

 例えば,アイフル株式会社(本店 京都市)は,登記簿上からは,59名の支配人が存在するようである。内訳は,本店2名,東日本コンタクトセンター(東京都多摩市)13名,西日本コンタクトセンター(滋賀県草津市)15名,その他29の営業所に各1名,である。

 この点に関しては,支配人としての実態がないとして,当該支配人が行った訴訟行為を無効とした裁判例も見られるところである。

平成17年2月25日千葉地裁判決
http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/050225.html

平成15年11月17日東京地裁判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=5612&hanreiKbn=03

平成14年3月13日千葉地裁判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=6224&hanreiKbn=03

 このような利用のされ方は,支配人制度を認めた趣旨に反するものであり,また現代の交通事情及び通信事情に鑑みれば,支配人制度を存置する必要性は高いとは言えないことから,会社法制の現代化の折に,私は,支配人制度を廃止すべし,との意見を提出したこともあった。

 しかしながら,支配人制度は,存置されている(会社法第10条以下)。また,支配人の代理権に内部的制限を加えることが想定されている(善意の第三者に対抗することができないに過ぎない。会社法第11条第3項)ことからすれば,訴訟代理が当該支配人の主な業務であり,それ以外の業務をほとんど行っていない場合であったとしても,それは,会社が当該支配人の代理権に加えた内部的制限であって,会社法上は,問題なく,民事訴訟において当該支配人が行った訴訟行為も有効と解さざるを得ないと思われる。

 いわゆる「登記支配人」については,誰しも違和感を覚えるところであるが,民事訴訟法第54条第1項を潜脱する目的で,外部者を支配人として登記しているケースを別として,会社の従業員の中から支配人を選任しているのであれば,上記のように解さざるを得ないのではないだろうか。

 単なる違和感ではなく,会社法学者,民事訴訟法学者等の精緻な議論の集積が期待されるところである。
コメント (1)

社会福祉法人等の代表権を有する理事の変更の登記

2010-07-01 10:50:27 | 法人制度
※ この記事の件については,すぐに旧に復しました。
http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/fd33a5e5e702b568af7a23a45deff705

※ 公式には,こちらで。
http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/17f2e77c2d15bd9d8b8a2a483d422fe9




 昨日,京都司法書士会会員研修会「各種法人登記の概要」で講師と務めた。医療法人,NPO法人,社会福祉法人等々につき,数年来の法改正と経過措置,行政先例及び最高裁判決等を取り上げて,網羅的にお話した。

 ところで,過日より,大阪法務局管区(大阪法務局並びに京都,神戸,大津,奈良及び和歌山の各地方法務局)では,後記のとおりの取扱いに変更された。法律論としては,まったくそのとおりであるが,議事録署名人制度を利用した理事会議事録を理事の互選を証する書面として認めてきた永年の登記実務の慣行を覆すものであり,本来であれば,商事課長通知等により全国統一の取扱いを行うべきものである。他の管区では,未だ同様の動きはないようであり,ローカルルールと言えなくもないが,実務上重要と思われるので,取り上げておく。



 社会福祉法人の定款においては,理事会を設置する旨の規定があるものの,代表権を有する理事の選任に関する定めとして,「理事のうち1名は,理事の互選により,理事長となる」旨の規定があるのが一般的である。このような社会福祉法人においては,理事会の議事についての定款の定めにかかわらず,代表権を有する理事の選任に関しては「この定款に別段の定めがある場合」にあたり,代表権を有する理事の選任は,理事の互選により,すなわち理事の総数の過半数の決定をもって行う必要がある。

 したがって,上記のような定款の定めがある社会福祉法人が代表権を有する理事の変更の登記を申請するに際しては,選任を証する書面として理事の互選書を添付することになるが,理事会の議事録をもって理事の互選書に代える場合であっても,理事の互選書の要件を満たすことを要し,すなわち出席理事全員(理事の総数の過半数であることを要する。以下,同じ。)の記名押印が必要となり。例え,当該社会福祉法人の定款に,理事会の議事録署名人の定めとして,「議長及び理事会において選任した理事2名が署名又は記名押印する」旨の規定があったとしても,理事の互選書の要件を満たすためには,理事会議事録に出席理事全員の記名押印が必要である(印鑑証明書についても,出席理事全員のものを添付しなければならない。)。

 なお,上記は,商業登記規則第61条第4項第2号が準用される法人の登記について,すべて同様に取り扱われる。
コメント (3)