法務大臣閣議後記者会見の概要(令和元年7月29日(月))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_01146.html
〇 法制審議会に関する質疑について
【記者】
本日から,法制審議会の部会で民法の摘出推定と懲戒権の見直しについて議論が始まりましたが,改めて現状の課題と,部会にどのような議論を期待されるか教えてください。
【大臣】
御指摘のとおり,今年の6月20日に法制審議会の臨時総会を開催して,新たに諮問したところですが,それを受けて,本日,民法(親子法制)部会の第1回会議が開催されているところです。
懲戒権の規定については,児童虐待を行う親によって,自らの行為を正当化する口実に利用されているとの指摘があり,また,先般の通常国会で成立した「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」では,改正法の施行後2年を目途として,その規定の在り方について検討をするとの条項が設けられているところです。こうしたことを踏まえると,懲戒権に関する規定の見直しの検討が必要であると考えられます。
また,無戸籍者問題については,国民でありながら,社会的基盤が与えられておらず,社会生活上の不利益を受ける方が存在するという重大な問題であります。法務省では,これまで無戸籍者に関する情報の収集や手続案内など,その解消のため様々な取組を行ってきたところです。他方で,民法の嫡出推定制度が無戸籍者を生ずる一因であるとの指摘があることを踏まえると,この問題を将来にわたって解消していくためには,嫡出推定の制度の見直しの検討も必要であると考えています。
いずれの課題についても,今後は,この部会において検討が進められることになりますので,諮問した者として,充実した調査審議が行われることを期待しています。