司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

M&A仲介の罠Ⅱ

2024-07-18 18:03:06 | 会社法(改正商法等)
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASS734CX0S73ULFA009M.html?iref=pc_rensai_article_short_2208_article_1

 朝日新聞の連載であるが,M&Aというよりも,詐欺としか言いようがない。

・ 債務超過ではあるが,現預金がある会社がターゲットにされている。
・ したがって,株式譲渡の代金は,低廉な額。
・ 「元代表者の個人保証を外す(ように努力する。)」という釣り文句で成約を誘惑しているが,買収者が連帯保証をすることもなく,元代表者の個人保証を外す努力もされない。
・ 買収者が代表取締役に就任すると,「現預金は一括管理する」と指示があり,ほぼ全額を送金させられる。
・ 会社が支払のために返金を求めても,あれこれ言い訳をして返金しない。
・ 会社は,支払をすることができず,不渡りを出して倒産に至る。

 仲介業者は,「M&Aが実行された後のことで,うちは無関係」と言い逃れをしているが,同一の買収者が反復継続して事件を起こしているわけであり,詐欺の片棒を担いでいるとしか言いようがない。

 M&Aの美名の下に,株式を譲渡し,代表権を渡してしまうと,このように会社を食い物にされてしまうことがあるので,慎重に対応すべきであり,司法書士もM&Aに伴う商業登記に関連して相談を受けることがあると思うので,留意すべきである。
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