tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

結束に問題残したG7サミット

2017年05月30日 13時22分23秒 | 国際関係
結束に問題残したG7サミット
 イタリアの風光明媚なシチリア島のタオルミーナで行われたG7サミットが終わり、コミュニケも発表されましたが、今回のサミットは、7か国の結束においても、メルケル氏ではありませんが、何か後味のすっきりしないものだったように思われ、残念です。

 トランプさんをはじめ、新人の多いサミットだったという事もあるのかもしれませんが、それよりも、基本的には自由世界のリーダー国の意思統一もなかなか難しくなり、結果的に結束力が弱まりかねない状況すら見えて来ます。

 背景には、これまで一貫してリーダーシップを発揮してきたアメリカが、トランプさんの登場により、「アメリカ・ファースト」に変わったこと、またイギリスが、EUを脱退したこともあるのでしょうか。 結束と分裂を比べれば、結束が望ましいのは明らかです。
 
 大切なのは7人の首脳の知恵でしょう。さきの財務省・中央銀行総裁のG7では、従来の常套句だった「あらゆる種類の保護主義と闘う」といった文言抜け落ちていましたが、今回は「あらゆる種類の」は抜けましたが、「保護主義と闘う」という文言は入っています。
 
 トランプさんにしても、アメリカの都合の悪いところは保護主義をとるが、アメリカが強い所では、相手国の保護主義とは闘うわけですから。「あらゆる種類の」が取れれば、それで納得できるという事でしょうか。

 何れにしても、こうした国際会議は、出来るだけ前向きの意見集約、出来る限りの妥協と協調を目指し、地球市民社会の分裂を克服し、協調と結束に近づくように努力することがその本来の役割でしょう。

 現に、そうした動きを否定し、徹底した独善的行動をとる国や組織もあるのです。良識ある地球市民社会の代表は、そうした動きを克服すためにも、出来うる限りの努力で、意見の一致を見出すべきでしょう。
 今後の国際関係今後のサミットへ向けて結束への復元・前進を期待します。

 ついでに一寸余計な事を書きますが、安倍首相がタオルミーナで国連のグテレス事務総長と話し合いをし、その結果についての報告が、国連のプレスレリースと違う(慰安婦問題と共謀罪についてのグテレス氏の発言で)という問題の報道がありました。

 安倍首相の英語理解力か、通訳の問題か、グテレス氏の言い回しか、本当の事は解りませんが、こうしたトラブルも、協調的な関係にヒビが入る原因にもなります。
 ここでも、これまで繰り返している総理の「言葉の重さ」への認識が問われているような気がして残念です。