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人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2018年1-3月GDP速報:家計消費減速

2018年05月16日 11時19分14秒 | 経済
2018年1-3月GDP速報:家計消費減速
 今朝、内閣府から1-3月のGDP統計の速報が発表されました。あまり良い景色ではありません。
 マスコミの見出しは「1~3月実質GDP、年率0.6%減 9期ぶりマイナス」といったものです。

 このところ景気はゆっくりですが順調に上向いているような様子でしたが、年が変わって久しぶりのマイナスです。
 足を引っ張っているのは民間需要で、対前期比の数字は
民間最終所費支出:-0.0%
民間住宅:-2.1%
民間企業設備:-0.1%、という状態です。(数字は以下も全て実質値)

 公的支出は0.0%で財政難では景気牽引どころでないでしょう。
 ということで結局はマイナス成長ということになっているわけですが、第2次速報の時には、法人企業統計の季報が発表になって、これはプラスの可能性がありますから、多少修正の可能性はあるかもしれません。

 しかし、いずれにしても問題なのは、消費支出が全くの低迷状態になっているという事です。家計最終消費支出は、昨年の1-3月期から見ますと0.5、0.7、-0.7、0.2、-0.0(%)ということで(民間最終消費支出も全く同じです)、乱高下しながら低下傾向のようです。

 いずれにしてもGDPの中身は6割以上が消費支出ですから、消費が伸びなければGDPは伸びません。
 今年に入ってからは、このブログでも取り上げていますように、1月の消費性向は上がりましたが、2月、3月と落ち込みが急で、心配していました。

 いつもご紹介している前年同月比の数字を見ても、昨年1-3月期からの家計最終消費支出は、0.6、1.7、0.6、0.8、0.2(%)と下がってきていて、最後の今年の1-3月期もやっと0.2%のプラスです。

 この消費の低迷には、国会がまともな経済政策の議論をほとんどせず、政府の言うことが信用できないのではないかという低次元の問題に明け暮れていることに原因があるのではないかといった意見や、日銀が、何時までもゼロ金利で、いくら貯金して貯金が増えないので、自分で利息分貯金をしなければならない、など、いろいろな議論があります。

 国会で真面目な政策をしてほしいのですが、政府の言うことが信用できることが議論の大前提ですから、まず政府のいうことが嘘かどうかをはっきりさせることが先決で、それに1年以上かかって未だはっきりしないのでは、どうにもなりません。

 貯金に利息が付かないので、タンス預金にしたり、慣れない金融商品に手を出して損したりでは消費も増えないでしょう。真面目な人は金利分ぐらいはと貯金を積み増すのでこれ間消費にはマイナスです。

 いろいろな意見があるようですが、早く政治情勢(金融政策も含めて)を国民が安心して信頼できるような状態に戻してほしいというが、最も基本の経済対策ではないでしょうか。