tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

財政再建は実体経済の成長で

2018年05月20日 11時23分50秒 | 経済
財政再建は実体経済の成長で
 5月6日に「 いよいよ本格化する財政再建問題」を書きました、2020年のPB(プライマリー・バランス)達成が、今度は2025年に伸びて、新しい対策が作られるようですが、5月6日に書きましたように、一番大事な事は、総理大臣から上級官僚まで、先ず「嘘を言わないこと」でしょう。

 今の状態では、政府要人の言うことには「嘘」が一杯あって、どうにも宛にならないので、真面目に聞く気にならない、といった気持ちが国民の中に充満しているのではないでしょうか。

 これではいくら政策と立案しても、国会で議論しても、結局は言葉が空回りしているだけで、国民は本気になって政府の努力に応えようなどという気は多分起きません。
 まさに「信なくば立たず」です。

 とはいえ、同じ人たちが、「今日からは嘘は申しません」と言っても、「それも嘘だろう」と言われてしまえばそれまでです。「信」を取り戻すのは容易ではないでしょう。

 愚痴を言ってもしょうがないので、財政再建問題へのアプローチで、大事だと思われることを指摘しておきたいと思います。

 これまでの政府・日銀の方針は、そのベースに「2%インフレ目標」がありました。はっきり言えば、インフレで借金の実質負担を減らすことで財政再建をすると読めます。
 しかし日銀は2%インフレは 当面不可能と諦めたようです。

  インフレで財政再建が駄目となれば、残るのは、「増税」か「実体経済の成長」かということになるでしょう。
 増税だけではまりに誠意がないので、「インフレ目標」の代わりに「実体経済の成長目標」を立てて、国民の豊かさを実現する中で、増税もする、ぐらいの配慮が必要でしょう。

 国民にとっては、物価が上がって名目GDPが増えるよりも、物価はあまり上がらずに実体経済が成長して実質GDPが成長したほうがいいにきまっています(財政再建にはどっちでもいいのでしょうが)。

 であれば、インフレ目標の代わりに「GDP600兆円」などといいう腰だめの目標ではなく、実質経済成長の確りした目標を立て、それに向かって、政府も労使も国民も本気で頭をひねり協力するような気概と協力体制が必要でしょう。
 インフレになって金利が上がらないと問題は大きいですが、インフレ率が低ければ金利の上昇も低くて済むでしょう。政府にとっても有利です。

 こんなことを実現するためには、政府は、経済活動を担う労使や、消費支出の財布の紐を握る家計と本気で対話して、知恵も借り、経済活動への協力を要請しなければなりません。恐らく嘘をついたり隠ぺいをしたり状況は無くなっていくでしょう。

 改めて聖徳太子の「17条の憲法」の 第17条を、政権・政策担当者に読み直して貰いたいものです。