tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ大統領、米朝会談中止申し入れ

2018年05月25日 10時37分06秒 | 国際関係
トランプ大統領、米朝会談中止申し入れ
 「何とかうまく進めばいいな」と期待できないかと思いながらも、期待していた人も多いと思います。しかし結果は中止になるようです。

 正直言えば、多分多くの人たちはスムーズな進展は難しいと見、今回の結果に「やっぱり」という感想かと思いますが、 米朝双方の思惑の違いがハッキリしてしまったという事でしょう。

 金正恩さんにしてみれば、わが身大事、その表現は「体制の維持」ハッキリ言えば金王朝の存続という事でしょうから、丸裸になってアメリカにお任せにしたら、全ては終わるかもしれないというが最大の危惧でしょう。

 どういう意図かわかりませんが、そうした状況を解っていながらでしょう、ボルトンさんは「リビア方式」でと言いました。
 リビアは核を放棄したのち、内戦になり、カダフィ大佐は殺害されました。金正恩さんはこれでは困ります。
 
 アメリカを信じられなければ、かつての盟友中国の力を借りようとします。中国は「朋あり遠方より来たる」か「窮鳥懐に入らば猟師これを捕らえず」か知りませんが、温かく迎えました。しかし、中国がどこまで体制維持を保証できるかも不明でしょう。

 しかし金正恩さんは少し強気になったようです。米韓演習を機に、強気の主張をしました。南北の友好ムードは暗転、核実験坑道の爆破も「ショウではないか」と言われるようになりました。

 アメリカは、強大な核軍事力を背景に、北朝鮮を完全に降伏させようとしているのでしょう。これは武器を使わない戦争なのです。
 振り返れば、アメリカが日本の降伏させるのには足かけ5年の悲惨な戦争と、最後には二発の原爆の使用を必要としました。

 今、アメリカは(ある意味では世界もアメリカに頼んで)戦争を経ずに(特に核戦争は絶対に避け)北朝鮮を降伏させようとしているというのが実態ではないでしょうか。
 そしてその見返りが「北朝鮮の体制の維持」(金王朝の存続)という事でしょう。

 アメリカが本当に「体制の存続」を保証してくれるのか、金正恩さんは疑心暗鬼にさいなまれているのでしょう。国内にも敵はいると見る人も多いようです。
 国連の仲介を頼む声も出てきました。これは1つのまともな方向でしょう。

 これからの国際関係では、こうした形の戦争が増えてくるのではないでしょうか。
 人類の知恵が問われるところですが、武器を使った戦争を回避し、国際問題を解決しようという方向は大きな進歩かもしれません。

 日本は世界に先駆け戦争を放棄した国として、こうした場で、日本らしい貢献ができたのではないかと思うのですが、現状では全く無理のようですね。