tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

中国、全人代で成長目標引き下げへ

2019年03月05日 23時20分15秒 | 国際経済
中国、全人代で成長目標引き下げへ
 中国では、今日開かれた全人代で、経済成長率の目標数値を昨年の6.5%程度から6~6.5%と引き下げたというニュースが入ってきました。
 米中間の経済問題が簡単には片つかないといった状況の中での苦しい選択といった解説が目につきます。

 李克強首相が、汗を拭きふき演説する映像も一緒でしたが、このところの中国の行動様式を見ていますと、アメリカのごり押し方式とは裏腹に、何か大人の態度で、ソフトに受け流し、事を荒立てないという形が特徴的な中国です。
 南沙諸島の問題では国際仲裁裁判所の命令を「紙屑」と切って捨てた態度とはかなり違うようです。

 アメリカが問題とする知的所有権問題についても、中国は「尊重する国になる」ことを強く主張しています。
 
 今後の米中貿易交渉を見ていかなければ解りませんが、経済問題では、中国は何か自信を持ち始めたのではないでしょうか。
 「中国製造2025」から、さらに2035、2045といった30年先までの計画を持って、まさに「愚公山を移す」といった粘りで、世界の製造業の中心になるという見通しに少しずつ自信を持ち始めたのではないでしょうか。

 一方、アメリカは、ラストベルトの再開発も見通しは立たず、輸出するのは農産物とシェールオイル、あとは防衛装備品という状態で、工業製品はほとんどが中国をはじめとして外国で作っているというのが昨今の現実です。

 今のトランプ方式の「アメリカを偉大な国に」するという政策では、製造業においては、すでに勝負あった、という見方すらありそうです。

 歴史は浅いが、老大国になりつつあるアメリカと、歴史は超長いが、今や青年期の成長途上の中国という見方をする人もあるようです。

 日本はその狭間で、頼りの「アベノミクス」は何をしようというのでしょうか。
 幸い、日本経済は、平成長期不況を脱出して、これから本格的に頑張ろうという企業、そこで働く勤勉で生真面目で、エネルギーレベルの高い労働力に支えられて、何とか頑張っていますが、始まった通常国会での議論を聞いていると、どうも「政低・民高」の感じが強く、政治がブレーキになるのが心配です。杞憂でしょうか。