tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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FRBはどう動く、日米交渉で円高の危惧は?

2019年03月11日 17時54分36秒 | 国際経済
FRBはどう動く、日米交渉で円高の危惧は?
 早めに心配すると杞憂と言われそうですが、アメリカ経済好調ということで、このところ円レートは111円台で余り円高に振れないようですが、今後はどうでしょうか。

 今のアメリカの経済好調については、米中関係に比較的楽観的な見通しを織り込んでいるのではという意見も多いようです。
 現状中国の対応は予想外に柔軟で、あまり米中経済摩擦がひどくならないことが期待されますが、中国も為替レートについては、しっかりと予防線を張っている様子が見られます。

一方アメリカの方で注目される動きは、FRBがパウエル議長になって、予定されていた年内2回の利上げは取りやめ、「辛抱強く」という言葉で、現状の景気を持たせようという姿勢でしょう。

 もちろん視野には景気減速といった可能性も入っていて、その時点では当然金融緩和政策となるわけでしょうが、今の2.25~2.5%のレートでは緩和の余地は小さいということになるのでしょう
 B/S の再拡大、量的緩和も視野ということで、「日銀方式も参考になる」といったようです。
解説では。日銀が2%という「行き過ぎ型」のインフレ目標を掲げて、(異次元緩和を)続けているという行き方も参考になるということのようですから、どうもこれは要注意のような気がします。

 もともと日銀が異次元金融緩和策をとったのは、リーマンショックに対応して世界金融危機を防止するため、バーナンキさんがとった政策、ゼロ金利と量的緩和を徹底したことの模倣で、現実的な目的としてはそれにより円高を是正するということでした。

 そのおかげで日本経済は何とか復活しましたが、その後も円高を恐れて、異次元金融緩和を改め、金融正常時価を図る気配はありません。
 この異次元金融緩和の異次元的継続をFRBに参考にされたのでは、日銀にはもう円高阻止の手段は残っていないのではないでしょうか。

 平成31年度の「政府経済見通し」では年度平均の円レートは113.4円ということになっていますが、いささか甘すぎるような気もしますし、もし日米FTAの中で、トランプさんの切望する「円高・ドル安」を押し付けられた時、さて日本は何が出来るのでしょうか。