tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ロシア疑惑の捜査報告書は出たが・・・

2019年03月26日 17時31分33秒 | 政治
ロシア疑惑の捜査報告書は出たが・・・
 アメリカでは、前回の選挙で、トランプ陣営が、選挙を有利に進めるために、往々にして対立する国、ロシアの政府を利用したのではないかという疑惑があって、その疑惑解明のための捜査が行われ、この程その報告書が出たということです。

 報告書は公表されないことになっているようですが、司法省長官が「報告書の結論に関する書簡」を公表、捜査結果は「疑惑ありとは断定できない」ということになったようで、トランプさんは「疑惑は晴れた」「100%潔白が証明された」と胸を張っているようです。

 我々凡人からしてみれば、アメリカの大統領選挙で、一方がロシアの支援を期待するなどということは、まさに「常識の外」という感じですが、状況証拠の様なものは選挙戦からずっと言われており、すでに、関係者といわれるアメリカ人が何人も起訴されていうのですから、報告書の姿勢は「疑わしきは罰せず」の様なものと感じるところです。

 トランプさんは胸を張っていますが、客観的にみれば、今のアメリカはロシアの望む方向に動いているのではないかと感じられます。

 アメリカが自国の利害だけを優先し、世界で果たすべき覇権国の役割などは忘れ、それを善しとするアメリカ人と、それを憂うアメリカ人との間で国内の対立が進み、現実の場でトランプ政権による国際的な行動に筋の通らないものが多くなり、国際的に評価を落とし、その権威が衰えれば、相対的にロシアは有利と考えるのは当然でしょう。

 胸を張るトランプさん、更にはアメリカの国民が、まさにロシアの戦略に乗せらているという見方も可能でしょう。

トランプさんには何の責任もなく、トランプ陣営の行動に瑕疵はないということは、つまりは、ロシアが勝手にやったサイバー活動が成功したのか、あるいは、トランプさんは純粋にアメリカ国民の意思で選ばれたということですから、すべてはアメリカ国民の自己責任ということでしょう。

 こうして問題は、結局アメリカの国民自身に帰ってくるということになるのでしょう。
 民主党は、捜査の結論がどうであろうと、弾劾などという一層の混乱、国論の分断は選ばず、つぎの大統領選挙で民主党が勝つことを目指すとのことのようですが、やっぱり、それがまともな考え方,それしかない様な気がします。

 国の在り方は、その国の国民の意識や考え方によって決まるのであって、サイバー戦略が横行する時代であればあるほど、そういう意味で国民が確りした意識や知識、識見を持つことが重要になるのではないでしょう。
 今回のアメリカの「ロシア疑惑」という問題は、日本にとっても「他山の石」でしょうか。