tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「経済と景気」再論:2019年、時は春、景気は?

2019年03月10日 15時12分58秒 | 経済
「経済と景気」再論:2019年、時は春、景気は?
 このところマスコミでも景気がいいのか悪いのかといった論争が起きてきています。
 日本経済は問題を沢山孕んでいますが、企業の設備投資を中心に何とかもってきました。しかし、昨年秋あたりから何となく怪しくなってきているようです。

 ここでも「景気」という言葉と「日本経済」という言葉が出てきますが、経済と景気とはどこまで同じで、どこが違うのでしょうか。

 実は、同じテーマでだいぶ前に一度書いたことがると思い出して、調べてみましたら、かつて書いたのは >2008年8月でした。
 思い出せば、リーマンショックが世界金融恐慌を起こすかもしれないと危惧される直前でした。

 リーマンショックが起き、100年に一度の不況だといわれる中で、しかし、まだ日本経済は健全という意見もあって、当時の麻生総理は、この不況は全治3年と言っていました。
 今、麻生副総理は、相変わらず「景気は緩やかに回復」と言っています。

やっぱり、このブログも「同じような時期に、同じようなテーマを考えるのかな」と感じているところです。

 ところで、日本経済は「もはや戦後ではない」と言われた昭和30年(1955年)以降「神武景気」から始まって、幾たびも好況と不況を繰り返していきましたが、実質経済成長率がマイナスになったのは第一次オイルショック直後の昭和49年度(1974年度)が初めてです。

その中で、戦後最大の不況と言われた昭和40年不況でも実質6%(39年度は実質10.6%)の成長率です。落込みがひどく、戦後最大の不況といわれたわけです。

 つまり経済成長がプラスでも、景気が悪いことはあるわけで、経済はGDPで計られますが、景気は「気」ですから、みんなが「景気が悪い」と感じる時はやはり不況なのでしょう。そして景気は経済成長鈍化の先行指標のようです。

 いわば、今まで経済状態が良かったのが、それほど良くなくなったという時、不況、「景気が悪くなった」という事になるのでしょう。(金融政策や、経済学でいう加速度原理の影響もありましょう)

 その意味では、経済は拡大しているといって安心するより、打つ手があるならば早めに景気対策を打っていくという考え方が必要でしょう。

 といっても、今の日本経済では、財政政策も金融政策もめいっぱい以上のことをやっていて、通常の回復手段はなさそうです。

 アベノミクスではもう手はなく、あとは消費税の引き上げを止める事ぐらいのようですが、それは単なる一時的鎮痛剤で、効果が切れれば痛みはもっとひどくなるでしょう。
 
 これから政府がどんな政策を考えてくれるか解りませんが、従来路線では国民の将来不安は増すばかりで心配の種は尽きないようです。