tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀短観、国際政治、国際経済、日本経済

2019年12月13日 23時55分31秒 | 経済
日銀短観、国際政治、国際経済、日本経済
 昨日は財務省の法人企業景気予測調査を取り上げましたが、今日は、日銀短観が発表になりました。
 よく似た調査ですから、結果もあまり違うものにはならないわけですが、日銀短観も、景気動向のDIは4期連続の悪化で、今回の調査では大企業製造業のDIが「0」になった(景気の良いと悪い同数)とのことです。

 製造業の先行き判断(3か月程度)についてみますと中堅企業、中小企業マイナスに突っ込んでいきますが、大企業では「0」に止まるという結果です。
 
 今年4月の短観については「上期下押し、下期は強気」というタイトルで書きましたが、当時から大企業は下期には何とかなるという認識を持っていたようです。

 という所で今日の日経平均の動きです1日でほぼ600円の上昇です。理由はトランプさんのツイートで米中関税合戦はあまりひどくならずに早晩話が付くという事の様だ、という情報のせいです。

 関税合戦では、アメリカもひどい返り血を浴びることが明確になって、妥協の方向を探らねばならないということになったというのであれば、米中摩擦で下押している世界経済(中国経済減速の影響大)の動きに反転効果が出てくるという見方が株価を押し上げたのでしょう。

 もちろん株が上がったのは日本だけではありませんが、日本の上げ幅が率では最大のようです。(世界の投機資本が日本企業をを評価している?)
 多分年度後半には、こんなことが起きそうだから、下期は世界経済の悪化も止まり、日本の企業も一息つけると多くの企業は予測していたのでしょうか。

 大変したたかな予測ですが、経済合理性の視点から見ると、企業として、そういう予測を立てる可能性は十分あり得るような気もします。

 もちろん今日の株価の上昇が、スムーズに、国際政治のごたごたの緩和につがり、それが世界経済の反転上昇をもたらすかは、これからよく見定めなければならに所ですが、経済活動の現場に身を置く企業の勘(洞察力?)に敬意を表さなければいけないのかもしれません。

 そんなことからつくづく感じるのは、大国のリーダーが自国民のためか、自分の政治生命の為か知りませんが、無理な政策を採ったり、それを止めたりすることで、世界経済が大きく影響されるような事が無いようになれば、世界の経済も社会もずっと良くなるはずなのに、人間は、残念ながら、いつになってもその愚かさから抜けられないんだなあ・・・、といったむなしさと嘆息です。

 最近の経済論は、循環論ではなくて、リーダーの頭の中を予測するという方法論の方が効果的ということになるのでしょうか。