この所毎日のように115兆円という数字が新聞でもテレビでもネットでも見られます。そして、過去最大とかいうコメントがついています。
皆さん疾うにご承知です。これから国会で審議される日本の来年度の国家予算の金額です。
予算の決定に最終権限を持つ衆議院がこれまでの与党絶対多数でなくなりましたから、この数字は修正される可能性もあるという説明もあったりします。
しかし結局は、多分そんなに大きな修正はなく、過去最大の当初予算という事になるのでしょう。
当初予算と書きましたが、これは勿論当初予算です。実を言えば、当初予算の時は増えた、増えた、過去最大とか問題にされますが、ついこの間もありましたように、政府は毎年補正予算を組むのです。
当初予算が決まれば、政府の来年度経済見通しが確定します。この予算で、これだけのGDPを達成しますという事にいなっているのです。
所が年度の途中で、これではとても見通しの経済成長は達成出来ないということになって、補正予算を組むのです。今年度は12月になって13兆円の補正予算を組みました。
つまり、国家予算は、「これだけの金を使って、これだけのGDPを(経済成長を)作り出すのでお認め下さいという関係から計算されているものです。
ところが、どうでしょうか国家予算は毎年増え、補正予算も成立させているのですが、GDPの方はほとんど増えないのです。今年度で見ますと、当初予算を組んだ時の経済成長率の見通しは1.3%でしたが、7月になったら0.9%になり、その後10月には0.7%になり、12月には13兆円の補正予算を組んで0.4%
成長という見通しになってしまっています。
つまり、政府の政策は、思った通りの成果には全く繋がらず、あとから予算を追加しても成長率は当初見通しの3分の1にも達しないという事です。
会社でこんな経営をやったら、株主総会で社長以下最低1~2分程は頭を下げて役員退任でしょう。
結局、この所の日本政府の中枢にある人達には、日本経済・社会を成長させるための政策を立案し実行する能力が欠けているという事ではないでしょうか。
内閣(役員)が能力不足なので、管理職は何をすればいいのか解らず、管理職の指示がどうにも不適切なので一般従業員(民間企業労使)は、手探りで何とか日々の仕事をこなしているが目指す成果は出ないという状態でしょう。
アメリカとは、また中国とは、こう付き合うべきといった「経済外交の基本方針」、「格差是正のための」税と社会保障の一体改革、「日本的経営に合う」雇用・労働政策、卑近な例では「お米の値段の正常化」につながる農業政策、などなど、国の基本方針、その実現のための政策の明示がありません。
民間が経済・社会の成長発展に最適な行動をとろうとしても、政府の不適切な政策で、それが出来ないような事になっているのです。
これではいくらお金を使っても(予算を増やしても)成長は無理のようですね。