tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

<月曜随想>今回の衆院選投票率に思う

2024年10月28日 15時11分58秒 | 政治

今回の衆院選で最も注目していたのは投票率でした。

過去3回の総選挙2014年、2017年、2021年の投票率は52.7%、53.7%55.9%と戦後最低の低迷状態でした。

今回53.7%いうのが、共同通信の推定です。ここまでくれば政局は否応なしに混乱でしょう

民主主義の基本が国政選挙にあるという意味からすれば、有権者の半数近くが投票していないという状態は、国民の政治意識としては、まさに異常な怠惰です。

民主主義は、多数決原理が基本で、いろいろ問題があっても、より多くの人が「これが良い」ということで、物事を決めれば、それが最も妥当だという考え方です。

歴史的には、一部の選ばれた人たちだけとか、男だけとか、いろいろな差別があって、国民全体に選挙権が広がるのには随分時間がかかった事はご承知の通りです。

現状の日本では、民主主義の基本原則に即して有権者の範囲を広げ、2017年からは年齢も18歳以上になっています。

民主主義という政治システムに参加する権利に差別なしの本来の理念の具体化です。

ところが、世界でも「まじめ」という認識で定評のある日本人の半分近くが、この権利を行使せずに放置しているのが現状なのです。

多分、有権者の半分近くが、この権利は「行使しなくても良いもの」と考えているといるのでしょう。

この辺りは学校教育や家庭教育の範囲になりますが、権利にはそれなりの義務が伴うという事が認識されていないのです。

選挙権は権利で、政権がもし国民の意に反するようなことをすれば、それを止める権利が国民(選挙権者)にあるという事です。

もっとはっきり言えば、プーチンやネタニヤフのやっていることを止めさせる権利は、ロシアやイスラエルの国民(有権者)にだけ与えられているのです。国連にも、アメリカにもないのです。国民が権利を行使しない(出来ない)ので、世界中が迷惑しています。

勿論これは極端な例ですが、民主主義国の有権者は、その権利を行使し、政権の行動を監視し、国政の安定に責任を持たなければならないのです。

日本の場合は、一見安定ですが、モリカケサクラから裏金、長期のゼロ成長、財政赤字の急拡大、集団的自衛権、など、国民に多大な迷惑をかけています。

それを見て見ぬふりをするのは、権利の反面である義務遂行についての怠惰です。

半分近くの有権者が、「あとの半分の有権者に任せるよ」と平然として、権利と裏腹の「義務」を果たさない事は許されるべきではないでしょう。

日本が、こんな低迷状態にあることに、国政選挙で棄権する有権者の責任は大で、もし投票率が高ければ、国政の改革は、もっと早く進んでいたでしょう。 

以前「棄権は危険です」という標語もありました。民主主義は国民が監視を怠れば、容易に劣化し、最も恐ろしいのは独裁色を増すことです。

日本人が挙って、民主主義という政治体制に対して、もう少し真剣に対応することを願うところです。


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