安倍政権以来でしょうか、閣議決定が多用(乱用)されて来ているような気がしていました。
集団的自衛権もそうですが、閣議決定で済ませていていいのかなと思うようなことがが、閣議決定で決められて、そのまま事が進められているような気がしています。
閣議決定と言えば、企業なら取締役会決定という事でしょうか、法的には。その効力は大きくても、出来れが広い合意が望ましい場合も多いでしょう。
勿論、国家の大事であれば、国会で決議すべきではないかなどと思ってしまって、しっかり国会で審議してほしいと思う人は多いはずです。
解説などで見ますと、閣議決定は仮建築の様なもので、勿論それを活用してなんでも出来るのですが、本来から言えば、仮建築ではなくて、本建築にした方がいいなどと書いてあったりします。
やっぱり国の大事であれば、国会で審議をして正式にした方がいいのではないかとは思っていたのですが、ある時「そうか」と気が付いたのは、国会にかけても、結局は原案通り通ることになるという現実を前提にすれば、結局はどちらでも同じことだという事でした。
国会にかければ議論は紛糾するかもしれません、しかしどんなに紛糾しても、与党が絶対多数ですから、最後は強行採決で原案通り通るのです。
安倍さんはよく、「強行採決などは考えたこともありません」などと言いながら、ずいぶん強行採決をやっていましたから、無駄な事をやっても結局は無意味という事になるだけだと考えていたのかもしれません。
当時は、やっぱり絶対多数は強い。いざとなれば「政権の独裁的行為すら可能にするのが現実」、などという無力感に支配される思いもあったようです。
しかし、今回の選挙で、この前提条件が変わりました。
立憲民主党の野田さんが「今回の選挙の目的は「自公政権の絶対多数を阻止することです」と繰り返していましたが、それが実現しました。「何なら強行採決をしましょうか」とは言えないことになったのです。
そうなれば、閣議決定の仮建築で済ませていたことを、やっぱり本建築にすべきではないかの議論を国会ですべきだという事になるのではないでしょうか。
仮建築とは、基本的に違った建物にしなれば、本当の役には立たないという事になるものも、多いのではないでしょうか。
ちょっと考えてみただけでも、先にあげた集団的自衛権、防衛力整備計画、経済財政運営の基本方針、こども未来戦略、などなど国民の思いとは必ずしも一致しないものは数多くあるはずです。
日本学術会議との関係の修復なども、長い目で見て日本の、学問レベル、科学技術立国などとの整合性が問われるところでしょう。
政治的混乱を早期に収拾し、国民の意を戴して確り活動する政権の早期発足が望まれます。