これから生活保護を申請したいという人のことで、ある中核市の福祉事務所へ相談に行きました。当然、電話でアポイントを取ったうえでです。
住むところはこれから決めるんですが…と説明を始めると「住むところが決まらんと、申請の受け付けようがない」と言われます。
この福祉事務所はつい最近も、緊急で病院へ入院となった人の生活保護申請で「住所がないと受け付けられない…」といったところです。また、家がないとだめだと公園で寝起きしている人が申請を受け付けてもらえなかったと私に話していた市でもあります。なるほどなるほどと思いました。
「まず、話を聞き生活保護申請を受け付けたうえで住居の確保などの相談や援助を行うのも仕事ではないの?」とのこちらお話にもなかなか乗っていただけません。
2009年3月に厚生労働省は「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」という課長通知を全国の自治体へ送っています。こんな風に書いてあります。(現場では何にも生かされていないといった感じです)
現在地保護の徹底
生活保護法第19条第1項第2号は、『居住地がないか、または明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの』について、その福祉事務所が保護を決定し、実施するものと定めている。
このため、『住まい』のないものについて、その現在地を所管する保護の実施機関が生活保護の申請をけつけることになる。なお、申請の後、保護を決定するにあたっては、法第30条において『生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることが適当でないとき、(中略)被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所(後略)』とされていることから、アパートなどに居住していただくことになる。
また、保護の実施機関においては、相談者の意に反して他の自治体への移動を勧める行為は認められないものであり、相談を受けた現在地の実施機関が必要な支援を行われたい。
おひとりで話を聞いていただくにはちょっと不安なのでもうおひとりに立ち会っていただきました。
「ちょっとお願いする方は居られませんか」と申請に来たかたには言っている…と話されます。これはいっぱい不安を抱えて相談に行く人には大きな圧力になるのではないかと思いましたが、こちらは喧嘩をするために行ったわけではないので窓口で本人が「受け付けてもらえなかった」との印象を決して持つことのないよう丁寧・親切な対応をしてほしいむねお願いするに留めましたが…これは厚労省へも言っていく必要があることかもしれません。
最後のセーフティネットは私たちが支えている…との熱い思いと誇りを持ってお仕事をしていただきたいですね。